顧客解像度がなかなか上がらない!?オンラインデモ「ライブ中継」のすすめ!
このブログはヌーラボのアドベントカレンダー12/5の記事として投稿します🎄
こんにちは、ヌーラボでBacklogのCSを担当している原と申します。
まず、簡単に自己紹介を。
大学では平安文学を専攻していましたが、ご縁がありワークスアプリケーションズにて会計システムのエンジニアとしてキャリアをスタートしました。
その後、マネーフォワードに転職し、インサイド/フィールドセールスとして事業部の立ち上げを経験し、現在はヌーラボにてカスタマーサクセスを担当しています。
SaaSというモデル
かれこれ15年間、ずっとSaaSモデルで事業を展開している企業に勤めているわけですが、私はこのモデルがとても好きです。
システムの作り手であるサービス開発チーム、売上にコミットするセールス&マーケチーム、導入や活用促進に責任を持つカスタマーサクセス/サポートチーム、そして全体を支えるバックオフィスチーム、各チームがそれぞれの持ち場に責任を持ちつつも時には越境して隣のチームをサポートしながら成長できるって素敵なことです。とくにCSとしては、顧客からのFBを開発チーム適切に連携することで、自分たちの動きがダイレクトにサービスの進化にも寄与できるという最高な環境です。
せっかくこのような最高な環境が用意されているものの、顧客FBを活かして機能強化を進めていくのは実はとても大変なことです。特にBacklogのようにリリースしてから一定の期間(Backlogはもうすぐ20歳になるサービスです)を経ているサービスならなおさら至難の業です。
私もワークス時代は齢20年超えのシステムの追加開発を担当していたので、20年分の秘伝のタレ(いや、ここは「source」ですかね)を大切に守りつつ進化させることの難しさはある程度知っているつもりです。
大変ではあるものの良い塩梅を見つけてサービスをより良いものにしていくために、この一年は開発やサポートチームとともに「共通言語を増やすこと」「顧客解像度を高めること」を意識して取り組んできました。
具体的には、京都オフィスに集まって膝を突き合わせて三日三晩議論したり、導入支援MTGの録画をストックしていつでも見れるように共有したり、開発チームが主導している顧客からのFBを眺めるMTGにCSメンバーも毎回参加するようにしてみたり、色々と行いました。その中でも「共通言語を増やすこと」「顧客解像度を高めること」にダントツで効果的だったのが、オンラインデモのライブ中継施策です。
ライブ中継を始めた背景
自分が開発だった頃、一番気になっていたのがお客様の反応です。
どんなに考え尽くした仕様も画面構成も、お客様の業務とのマッピングがうまく行かなければ、お客様の役に立つことはできません。なので、お客様の反応がとても気になり、何度か商談や導入支援の打ち合わせに同行させてもらっていました。商談時の反応や、お客様がシステムを利用する際の物理的な動作を見ることは想像以上に学びの多いことです。例えば、大企業向けの会計システムの場合、「伝票入力機能のユーザー=伝票入力のスペシャリスト」です。テンキーとタブを駆使して、メインのキーボードやマウスはほぼ使わず光の速さで伝票を入力していきます。そのユーザーさんにとっては入力画面の見た目が綺麗になることよりも何よりも、タブキーで移動するカーソルの順番が変わらないことや移動速度が最重要だったりします。こういった業務背景を知ると、開発の優先順位も自ずと変わってきます。
そんな過去の記憶もあり、きっとBacklogの開発メンバーもお客様の一次情報がもっと欲しいだろうと思い、商談や導入支援の打ち合わせをオープンにしていつでも参加できるようにしてみました。
しかし、待てど暮らせど同席希望は来ず・・・理由を開発チームに聞いてみたところ、お客様もいらっしゃるMTGの場に直接入ることはなかなかハードルが高いことだとわかりました。
自分が担当している機能以外の質問をされたときに即座に答えられない可能性もあり、その点も参加の足枷になっていると。たしかにそうだなと思い、録画を共有する方法でしばらく対応していたのですが、やっぱりリアルタイムで共有することでしか得られない「本当の一次情報」があるような気がして、そこで行き着いたのが「ライブ中継」でした。
How To ライブ中継
実施方法は簡単です。お客様とのオンラインデモ(営業時の提案や、導入支援の打ち合わせ)を社内のMeetに中継し、普段お客様との接点がないチームメンバーにも気軽にオンラインデモの様子を見てもらいます。
ライブ中継の準備:
☑️お客様に「お打ち合わせ録画」の承諾をいただく
打ち合わせ予約フォームに録画承諾のチェックを入れてもらってます
☑️お客様との打ち合わせで利用するためのオンライン会議ツール
弊社の場合、Zoomを利用しています
☑️社内中継で利用するためのオンライン会議ツール
弊社の場合、Google Meetを利用しています
☑️「途中参加/退出自由!」「気になる点はチャットにコメントしてね」と社内にアナウンスする
参加者からの感想
商談同席企画とは打って変わり、ライブ中継は初回から10名前後のメンバーが中継会場にやって来てくれました。
オープンなトピックでアナウンスをしたこともあり、開発以外にもマーケ/事業広報/カスタマーサポート/インハウスデータインテグレーションチームなど、たくさんの方が立ち寄ってくれました。
実際にもらった感想コメント:
・お客様の要望に対して直接的に解決できる機能がない場合、セールスやCSは代替案を一生懸命説明している様子を見て、これは機能で解決すべきなんだろうなと思った
・自分達が普段ヘビーユースしている便利機能が意外と知られていない現状を知り、UI改善の必要を感じた
・リアルに検討を迷われているお客様のニーズを知ることが出来た
・商談が進むにつれて「お客様&ヌーラボ VS 稟議!」みたいな空気になっていく姿にワクワクした
ライブ中継のすすめ
やはり、一度参加すると顧客解像度が確実に上がります。
ここ数年はコロナ禍などもあり、ユーザーさんのニーズも大きく変化しています。顧客側の状況も変わっているのですから、システム提供側のこちらも日々情報をアップデートしなければ高い顧客解像度を維持することは難しいですよね。
また、お客様との打ち合わせ終了後10分程度、中継会場で「振り返りの時間」を設けているのですが、この振り返りがまた尊い時間となります。ここでの会話を経て、開発/マーケ/営業/CS/サポート、チームを跨いだ「共通言語」がいつの間にかできつつあるのを実感しています。
ライブ中継なら、ハードル低くお客様の一時情報をキャッチでき、その後の振り返りを通してチームを跨ぐ共通言語作りにも役立ちます。
このブログを読んでくださったあなたが「顧客解像度の向上・維持」や「部門横断の共通言語作り」に課題を感じていたら、ぜひともお試しください!
クリスマスまでのこり20日間、続きのブログもお楽しみに🎄