信頼関係を育む「聴く力」
わたなべあやかです。
ITメガベンチャーでコーチングや心理学などを取り入れ「人とチームを最大化させる風土作り」に取り組んでいます。
今回は、
「傾聴」とは何かということを書いていきます。
相手の意見やアイデアを引き出すために、基礎となる重要なスキルが「聴く力」
普段私たちがやっている「聞き方」と何が違うのか解説していきます。
傾聴とは人間的成長を促すスキル
昨今話題になっていてコーチングでも使われる「傾聴力」というのは、心理学者のカール・ロジャースによって提唱された「アクティブリスニング」というものが元になっていると考えられています。
アクティブリスニングは、
相手の話に共感を示し相手を肯定的に受け入れることで、円滑な人間関係を構築するとともに、思想や哲学に変化を及ぼし相互の人間的な成長につながるリスニング方法と言われています。
聞く能力を「単に情報を受け取る為」に使うのではなく、「人間関係の構築」や「問題の本質を明らかにする」為に使うのが特徴的です。
傾聴では体の3つの部分を使って受け取る
コーチングやカウンセリングで「きく」と書くときには傾聴の聴の文字が使われます。
この聴という文字には体の3つの部分が隠れていると言われています。
そしてこの3つの部分を使って聴くのが「傾聴」ということです。
「耳」を使って聴く
聴のへんは耳へんですね。
耳を使って聴く。というのは一番一般的で分かりやすいのかなと思います。
耳を使って捉えているのは、まずは相手の言葉の内容です。
「何を話しているのか」という部分ですね。しかし、これ以外にも耳を使って捉えているものがあります。
声のトーン
話す速さ
息づかい etc…
「この人の声には勢いを感じる」とか
「声が震えて緊張しているようだ」とか
言葉の内容以外にもこうした要素も耳で捉えて判断しているはずです。
「目」を使って聴く
横になっていますが「目」の文字も隠されています。
目で捉えているのはなんでしょうか?
表情
しぐさ
動き
ポーズ etc…
「眉が釣り上がっているから怒っていそう」とか
「貧乏ゆすりしてるから飽きていそう」とか
目で見て相手の状況を判断していることもきっと多いと思います。
「心」を使って聴く
そして最後に心という文字もあります。
心で捉えるのはなんでしょう。
それは聴き手の想像力と感情を伴った解釈です。
この人は一体何を言おうとしているのだろうか。
この人は今どんな状況に置かれているのだろうか。
その気持ち痛いほどよくわかる。辛いに違いない。 etc…
改めて言葉以外の情報に意識を傾ける
仕事の話を同僚とする時、私たちは言葉の内容に集中しがちです。
メンバーがあなたに何か相談してきたら、その言葉の内容から問題や状況がどうなっているかを捉えようとするでしょう。
これは職場においては特に、メンバー個人に焦点をあてるのではなく、事業に焦点をあてることに優先順位が置かれる為だと思います。
しかし、メンバーとの信頼関係構築やその人の成長を目的とするならば、あえて言葉以外の部分にも意識を傾けてみてください。
「大丈夫です、やります。」と言うメンバーの顔色はどうでしょうか?
服装や髪が乱れていたりしませんか?
声に覇気がありますか?
あなたが「これをやってみたら?」とアドバイスした時、「分かりました」と答える相手の様子はいかがでしょうか?
目線が下に落ちていて、あなたと目が合わないなんてことありませんか?
口が”へ”の字になっていませんか?
論理的に説明して欲しいのに、感情的になっているメンバーがいたら、なぜ感情的になっているのか想像してみましょう。
そこからどんな感情を受け取りましたか?
あなたに何を分かって欲しいと思っているでしょうか?
傾聴力はそもそも私たちに備わっている
「メラビアンの法則」をご存知でしょうか?
人は他人のコミュニケーションにおいて、相手の話した内容から受ける影響はわずか7%で、残り93%は視覚情報や声の大きさなどの非言語情報に影響されると言われています。
つまり元々私たちは非言語情報を大切にしているんですね。
皆さんもどうでしょうか?
パートナーやご家族が不機嫌な時、別にそれを言葉に出されなくてもなんとなく感じることができますよね。
そして、そっと距離を置いたり、心配して話しかけてみたり、非言語情報を元になんらかの行動を起こしているのではないでしょうか。
恐らく職場でも皆さんはこういった非言語情報を多く捉えていると思います。
それに意識を向けるようにする。
言語情報と同じくらいの優先度でその情報に対処してみる。
それが職場での傾聴の第一歩になるのではないでしょうか。
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