人柄|映画『blank 13』
blank 13 (2018)
父のことが大嫌いです。でも、少し好きな気もします。いや、正直、よく分かりません。でも今は、悲しい気もします。
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暗がりに突然ドンっと落ちて目が醒める夢以外、ストーリーのあるような夢なんて滅多に見ないけれど、最近やたらと見るのが自分の葬式の夢。
ガラスに光が反射して、遺影はよく見えないし、えらく広い斎場には誰も来ない。
がらんとした斎場に響くのは、みうらじゅん風だけど、みうらじゅんじゃない、長髪でサングラスのお坊さんが延々と読み上げるお経だけだ。
寂しいような、虚しいような。
夢のあるような、ないような。
そんな夢を、この頃は頻繁に見る。
お葬式って、その人の人柄というか、生き様というか、そういうものがお葬式に来た人から分かる決定的な場所だと思っているのだけれど、この夢の限りじゃ、私の人柄って一体どんなものなんだろう。
この夢せいか、そんなことをふと考えるようになった。
自分には何もない。
そういう自負だけはあるから、きっとそれが夢にも投影されてしまったのかもしれない。
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なぜだか時々、無性に観たくなるこの映画のような“人の最期”って、ちょっといいな、と思う。
でも、自分のような人間には、なかなか難しいだろうな、とも思う。