あの頃と違うけれど
高校2年生、大好きな『名探偵コナン』のキャラクターたちとお揃いの年齢になることに浮き足立っていた時、教師らしくない先生が担任になった。
部活動の顧問としては厳しかったらしいが、いち生徒には厳しすぎることもなく、どちらかと言えばにこやかで、適当さも持ち合わせた柔軟な先生だった。
真面目で堅物で、理不尽さを併せ持ったのが「先生」なんだと、そんな気がしていたのに、思春期の学生のイメージが崩れるような先生。
親は親、子は子だからと、三者面談ではなく個別に話をじっくり聴いて、ひとりひとりの生徒と向き合ってくれた先生への新鮮さに、朧げに「教師」という職業に憧れを持つようになり、目指すようになったのが、17歳の冬。
そんな先生が学んだという大学を目指したし、この夢は21歳になるまでの4年間、私の人生の羅針盤になっていた。夢がころころ変わりやすい私にとって、4年間も同じ夢を抱いているなんて奇跡に近い。
ただ21歳になる春、浪人を挟んだ私は2年生になっていた。教員養成系の大学ではなく、教職課程を履修するかたちの私の大学では、2年生から本格的に「教職」の授業が始まった。
うずうずしてその時を待っていた私は、大きな衝撃を受けることになる。
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