パパも寝かしつけプロになれる方法:新生児~2歳(前編)
米国APSC公認 日本人初 乳幼児の睡眠コンサルタント、APSCアジア/インド代表 & IMPI妊婦と乳幼児睡眠コンサルタント資格取得講師の愛波文です。 科学的エビデンスに基づいた乳幼児(小児)の睡眠の知識と日本人の生活スタイルに合わせたねんねトラブル改善方法をみなさんにお伝えしております。
コンサルテーションや個別相談をしていると「寝かしつけはママしかできない」 「ママじゃないとうちは寝ないんです」というご家庭がとても多いなと感じます。
これはママにとってとても負担でもあるし、プレッシャーにも感じてしまいます。パパも子どもたちのパパなので絶対寝かしつけができるはず!毎日やってるママみたいに上手にできないかもしれないけど、絶対できる!と思って望んで欲しいと思います。
ただ・・・ママが毎日行っていることを崩して欲しくはないんですよね笑!
今回は2回にわけて、新生児から5歳までパパでもできる寝かしつけ方法をアドバイスさせていただきたいと思います。
今回の前編は新生児から2歳まで。
【新生児~2ヶ月】
①抱っこの練習をする
②睡眠環境を整える
A.室温を20-22℃に設定する
B.ぐっすりノイズのテレビの砂嵐のザーザーという音を使用する
C.日中は生活音がするリビングで寝かせるのはOKですが、夜は寝室で寝かせる。米国小児科学会は安全な寝床は親と同室で別の寝床(ベビーベッド)と伝えています。(参考記事:赤ちゃんはどこで寝るのが一番よいの?)
③おくるみの練習
➡自分で包まないといけないおくるみは慣れるのに時間がかかり難しいかもしれませんので、簡単にスワドルできるスワドルミーやスワドルアップにお子さんを入れるだけでOK。スワドルができたら、横抱きをして、お子さんの耳元で「シィーシィー」といいながら落ち着かせる
④寝かしつけは置くだけでよい
➡お子さんは起きてから40分~1時間ぐらいでまた眠くなります。各月例の活動時間(=起きていられる時間)を↓の表でご確認ください!これしか起きていられないの!とびっくりするかもしれませんが、実際によくお子さんを観察してるとこの時間帯ぐらいに眠くなることが多いと思います。お子さんが起きてから40分後ぐらいに寝床に置いてみましょう。あとは何もする必要がなく、そこで見守っててあげましょう。
⑤泣いたときの対策
➡もしお子さんが泣いたら、「大丈夫だよ、パパはここにいるからね」という。それでも泣いている場合は、手の平をしっかり使ってお尻や胸をとんとんしてみましょう。それでも泣いている場合は一度抱っこしてあやしましょう。この時期はそのまま抱っこで寝てしまってもOK。自分も座って抱っこしながら寝かせましょう。
⑥肌の触れ合いタイムを持つ
➡この時期泣きに効果的なのはSKIN TO SKINの触れ合い。お子さんをオムツ一枚にして、パパも上半身裸になり肌と肌の触れ合いを1日1回してみてください。左の胸に頭をおいてあげると心臓の鼓動が聞こえて安心するしますので試してみてくださいね。
【3ヶ月~5ヶ月】上記↑の内容+
①睡眠環境
この時期は睡眠環境が整っていることがより一層大事になってきます。赤ちゃんは3ヶ月後半から4ヶ月ぐらいから睡眠ホルモンのメラトニンの生産が体内でされてきます。それと同時に五感の発達があるため、もっと見えるようになったり、聞こえるようになってきます。寝室のカーテンが遮光されていない場合はきちんと遮光しましょう!赤ちゃんは光に敏感なので、光があると脳が起きてもよい!と思ってしまうんです。なので、遮光カーテンをしっかりしめて、光が一切入ってこないようにしてみてください。
②ねんねルーティン
3ヶ月ぐらいになりましたら、毎日続けられるねんねルーティンを確立しましょう。ママがもう既に毎日行っているねんねルーティンがあるかもしれませんのでどんなルーティンをしているか聞いてみましょうね。それを崩さず、一貫性をもって同じことを行うことで、寝かしつけがスムーズになります。ママのときはこうだけど、パパだとかわってしまうという状況はNG。お子さんが不安になってしまいます。ねんねルーティンにはたとえば・・・お風呂→SKIN TO SKINの触れ合いタイム→お着換え→(歯磨き)→授乳/ミルク→絵本→ぐっすりノイズON→部屋を暗くする→大好きだよのハグ→寝床におくなどがよいでしょう。毎日続けられるルーティンにすることが何より大事です。
③夜帰宅後に興奮させない
ママが夜の寝かしつけをしているときに帰宅する場合、そーっと家に入ってください。ここでパパが帰ってきた!と興奮していしまうとママの努力が水の泡になってしまいますし、疲れているママをもっと疲れさせてしまいます。そして何より、活動時間が長くなってしまい、寝ぐずり・夜泣きなどのねんねトラブルが起こりやすくなってしまいます。
【6ヶ月~9ヶ月】上記↑の内容+
①夜8時間続けて寝る子もいる
6ヶ月ぐらいになると、夜8時間ぐらい続けて寝てくれる子も出てきます。まだ完全母乳だとなかなかないかもしれませんが、この時期に1・2時間おきに起きている場合はママさんはとても疲れていると思いますので、睡眠改善を行ってもいい時期かもしれません。悩んでいる場合は専門家(私でも!)に一度聞いてみるとよいですよ!睡眠改善は早めのほうが絶対よいです。そして、お子さんが寝てくれることでママもパパも十分寝られるようになり、家庭が円満になりますよ。
②昼寝をきちんとさせる
赤ちゃんは疲れすぎてしまうとストレスホルモンのコルチゾールが過剰に分泌してしまい興奮状態になってしまいます。なので、見ていると「まだまだ元気だ」と思ってしまうかもしれませんが、実はこれはもう疲れすぎていて、脳が興奮している状態なんです。なので、そこから寝かしつけをするのはとても難しく、パパにとっては「ママじゃないと無理」と思ってしまう要因の一つになるかと思います。昼寝を十分していると、夜の睡眠も安定します。
<昼寝の目安>
6ヶ月・7ヶ月:朝寝・昼寝・夕寝の3回寝ます。夕寝から起きて夜の就寝までの活動時間(↑に表があります)がオーバーしないように寝かしつけをしてみましょう。
8ヶ月・9ヶ月:8ヶ月後半から9ヶ月にかけて日中の睡眠が朝寝・昼寝・夕寝の3回から、朝寝・昼寝の2回に移行してきます。移行期間中はだいたい1週間から10日ぐらい。その時期は3回寝る日もあれば、2回でも大丈夫な日もあります。3回寝た日は夜の就寝が遅くなっても大丈夫。2回しか寝なかった日は就寝時刻を早める必要があります。
【10か月~1歳2ヶ月】
上記の内容+
①夜通し寝てる?
この時期にまだお子さんが夜通し寝ていない場合、ママはとても疲れていると思います。医学的な問題がなく、成長が順調な場合、夜の授乳はもう必要ないことが多いので、もしまだ夜中に何度も起きている場合は悩みを専門家に相談してみましょう。
②絵本読み
ねんねルーティンに絵本を取りれてみましょう。実はHarvard大学の研究 (リンクは英語です)で「母親が読むよりも、父親が読み聞かせをするほうが子どもの言語能力が上がる」という研究がありますのでどんどん絵本は読んであげてくださいね。(関連記事:パパの読み聞かせのほうが言語能力があがる!(HARVARD大学研究))
【1歳2ヶ月~1歳半】上記の内容+
①外出先でもきちんと昼寝をさせる
昼寝をすることで、夜の睡眠が安定します。一般的に1歳2ヶ月から1歳半の間に朝寝・昼寝の2回の日中の睡眠から1回の昼寝に移行していきます。外出先でもベビーカーや車の中できちんと昼寝をさせてあげましょう。
②パパと二人の時間
パパが休みの日、帰宅が早い場合は帰宅後、または朝の時間を活用してパパと二人の時間を意識してみましょう。二人だけの時間で真剣に遊んであげることが大事。テレビなし・携帯なし・タブレットなしの時間を20分だけでもよいので作ってみましょう。これはパパへの信頼や安心につながりますので、とても効果的ですよ。二人の時間で何をすればよいかわからない場合、絵本を読む・ブロックを積んで壊してもらう、ハイハイ競争をする、高い高いをする、抱っこして筋トレをするなど、なんでもよいですよ!自分たちが楽しむのが一番です。
【1歳半~2歳】上記の内容+
①境界線をはっきり
徐々に自我が出てきて、いやいやも始まる時期。ここでいやいやをどううまくかわすか、パパの出番です。子どもはママだと甘えてわがままになることがよくあります。パパとねんねする日をきちんと決めて境界線を作りましょう。
②睡眠環境
寝床におもちゃが置いてある場合は寝かしつけで遊んでしまう可能性がとても高くなってしまうので、寝室から出しましょう。2歳前後になると暗いのが怖いと言ってくる子がいますので、その場合は足元をうっすら照らすおやすみライト(ナイトライト)をつけてあげましょう。赤・オレンジなど暖色系のものを選んでくださいね。
③ねんねチャートを使用
パパとねんねする日を決めてカレンダーに印をつけてみましょう。カレンダーでも表でもなんでもよいのですが、紙を寝室やリビングに貼り、パパと寝る日にシールを貼ることで、お子さんはこの日にはパパ、あとはママ(保育者)というのを徐々に理解してきます。まだカレンダーの概念がわからないと思いますので、毎日「今日はここだね!明日はパパとねんねだね!」と指で指して教えてあげましょう。
パパも自信もってぜひ試してみてくださいね!絶対できます!応援してます!