見出し画像

塩谷さんのことを授業でおすすめしてみた。

すごく久しぶりになってしまいました。

なんか歌ってみたみたいなタイトルになってしまったのですが、学校で好きな本を紹介するという課題が出たので、大好きな塩谷舞さんと塩谷さんが書いた本について語ることにしました(本の紹介なのに塩谷さん本人について語りすぎたことに出してから気づいた)。

提出したものを一部修正して、そのまま載せます。ぜひ、生温かい目で見ていただけたら嬉しいです。

話口調なのは、本の紹介をするラジオ番組を想定しているためです(私はラジオパーソナリティ兼放送作家役)。

***

私、今大好きな文筆家さんがいまして、塩谷舞さんという方なのですが、皆さんご存じでしょうか。今日は、2月に発売されたその方のデビュー作、「ここじゃない世界に行きたかった。」を紹介したいと思います。この本は、塩谷さんがnoteというインターネット上のサイトで書いていたエッセイをまとめたものです。

幼いころから書き続けていたブログがバズったことをきっかけに、SNSやブログを書くたびに多くの影響を与えるようになり、バズライターと呼ばれるようになった塩谷さん。多くの依頼や広告をこなすうちに、自分が書きたい記事と周囲の求める記事にギャップや違和感を感じるようになったそう。そんな彼女はnoteの定期購読マガジン「視点」の中で、自分のありのままの思考や感情を書き綴るようになりました。

「視点」は、それまで企業の宣伝や看板を背負って働いてきた塩谷さんが、今の社会への違和感や思いによって、ぼやけてしまった自分の輪郭を見つけるための手段だったのかなと思います。そういう意味で、私は、塩谷さんは芸術家だと思います。塩谷さんの文章は、長い間文章を読み、書き続けてきた文章力や語彙の豊富さが表れていて、本当に働いてきた経験の差だなあって思いますね。さらにすごいなって感じるのが、内容はそれほど明るい内容ではないのに美しいと感じられるところ。しかも、普段使っている言葉が同じ言葉に思えないくらい丁寧な言葉に思えるところなんです。自分たちが使っている言葉でも、塩谷さんの文章になるととても美しく、でもありのまま見える。これは塩谷さんが丁寧に丁寧に言葉を編んでいるからだと思わされるよう。

『「舞さんの文章、読みましたよ。まるで寡黙な人が書いたような文章で驚きました。最初にお会いしたときは、とても明るい人だと感じたから。でも、現実世界でちゃんと満たされている人であればああいった陰のある文章は書かないじゃないですか。」
 その感想に、心が高揚した。外面と内側の温度差にすぐ気づいてくれたということは、私たちはきっと似たような人間なのだ。子どもの頃からインターネットに慣れ親しんでいた私にとって、そこに本音を綴り、共鳴できる相手を探し出していくことはとても根源的な求愛活動に近しい。』

SNS上では共感をターゲットにしたマーケティング方法があることから、こういうバズるみたいなのは技術、テクニックでできてしまう。それでも塩谷さんは自分の本音をインターネットで書き続けている。その強い意志、本能的な何かを感じずにはいられない文章でした。静かな文章の中に、塩谷さんの思いが私の中に入ってくるような、それでいて考えさせられるような、そんな文章がたくさん詰まっています。私、何度か塩谷さんのトークも拝聴したことがあるのですが、全然印象が違うんですよ。本当に明るい方で文章のイメージとのギャップがすごい。でも、自分をそういう文章の中でさらして生きる人なんだなあと思いますね。それも、きっと塩谷さんの一部でしかないのでしょうが。そういう面を見たい人はぜひ読んでみてください。

***

おまえ何がわかってんだ。と言われそうですが、お許しください。でも、この授業を通して、自分のことを分析し、自分の思いを言葉にすることが少しできるようになったと思います。

私は自分の好きなものがなぜ好きなのか、どこがすきなのかを、普段からあまり考えない人でした。漠然と好き、その感じわかる。という感覚人間で、おすすめしようにも、「とりあえず見たら良さがわかるよ!」とか、「言葉では表せないの!」という何とも勝手な他力本願。

表面的な感想文は結構書ける方だと思うのですが(上手い下手は別として)、自分の思いを言葉にするのがとても難しい。今回書いた紹介文は文章的にも、内容的にもたいそうなものではありません。

でも、私にとっては自分の思いを一生懸命言葉として出して、書いた初めての文になりました。ただの自己満足です。でも、初めて今の自分に出せる文章を書けたことの満足感を味わえました。

いいなと思ったら応援しよう!