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不登校の子どもを受容するとは親が我慢することではない。【聞き合うことで共に創造し、成長し、変化していける】

子どもを受容が大切だと言われることが多いし、私も息子たちを受容することはとても大事だと思っている。

でも受容とは子どもの願いをすべて受けいれることだと勘違いしてしまうことはとても多いと思う。

私は長男が不登校になった時に受け入れられず、深く傷つけてしまったと感じて、彼のすべてを受け入れなければと強く思うようになって、ずっと間違った受容をしていたと思う。

子どもを受容するとは?

子どもを受容するというのは子どもの主張をそのまま聞き入れるのではなくて、その主張の奥にある感情、願い(大切にしたいこと)、信念をじっくり聞いて、わかろうとすること。

【感情】
どんな気持ちが在るのか
それは何故なのか

【願い(大切にしたいこと)】
何が在って欲しいのか
何が無くて残念なのか
それは何が大切だからなのか

【信念】
どんな風でないといけないと感じているのか
何を自分に課しているのか

などを聞いていく。

そして「だからその主張や行動が大事だと思っているんだね。」と理解し、受け止める。


それぞれに価値観や大切にしたいことが在る。
それは一人一人違う。

しっかり受け取ってもらえたと感じるまで聞いて、受け取る。


親が我慢するのではなく、親の大切にしたいことも表現する

本や講座で学んできて、自分にも大事にしたいことがあってと表現することがとても大事だとわかった。

正しさではなくて、同じ一人の人として大事にしたいと思っている気持ちやその理由、理由の元となった体験を表現することができたらいいなと思っている。


「押しつけないし、正しいと言っているのではない。」
「あなたと同じ一人の人として私にも大事にしたいことがある。」と親も落ち着いて表現できたら、お互いの世界を共有した上で、何か新しいことややり方を創造できるのではないかと思うようになった。

どちらかが正しくて、どちらかが間違っているではなく。
どちらかが押しつけて、どちらかが我慢するのではなく。

お互いの気持ちや願いを安心して表現し、受け取ることができる関係を目指すことを大事にしたいと思っている。


傷や痛みがあるからまず安心したつながりをつくることが最優先

それには今までの関わりやお互いの傷や痛みなどがハードルになる。

①今までの関わりから相手の気持ちや言葉をありのまま受け取ることが難しい。

今までの関わりから息子たちが私の言葉を否定や強制と受け取ってしまうことで表現したことをそのまま受け取ってもらえないと感じることが多かった。

それは小さな頃からの関わりや学校に行けなくなった時の関わりからきていたと思う。

否定や強制と受け取らずに、ただ一つの意見として聞いて欲しいとわかってもらうまでにとっても時間がかかった。


②お互いの過去の傷や痛みから反応する

またそれぞれの話しを聞く時に相手のその時の言動からではなく、お互いの過去の体験から感じた傷や痛みが反応して、受け取れないことがあるんだと気づいていった。

1年以上前から息子たちと対話をしたいとトライして、上手くいかないことを何度も体験していく中で、何が上手くいかない原因なのか自分の感情の探求を始めた。

そこで自分の気持ちを紙に書き出していくうちに自分の傷や痛みの反応や、そこから生み出した傷や痛みを二度と感じないためのルールがあると気づいた。

感情が反応するポイントは2つあった。

それは今までの体験や見聞きしたこと、教えられたことからできている。

一つ目はでも自分が危険だと感じていることだった。

わかってもらえない。
聞いてもらえない。
大事にしてもらえない。
認めてもらえない

そんな風に感じて、感情的になって、そのまま聞くことができない事がとても多いんだとわかった。

しかもそれは今起こっていることではないことで反応することも多い。

相手はただ自分の気持ちを表現しているだけなのに、わかってもらえないんだと反応する。

過去の再生。フラッシュバックのようなものだとわかった。


二つ目は自分が体験や見聞きしたり、教えられたことで、自分が危険だとか、痛みや傷を感じて、それが二度と起きないように対処している信念(ルール)だった

こうあるべき
正しさ
常識
理想

それは人と話す時に表面的な言動で即座に評価や判断して、感情的になる原因だった。


その信念を守ることで自分を守れると信じてきたこと。
危険を感じ、自分に課していたこと。

でもそれが自分を縛っていたり、人の話しをありのまま聞くことを難しくさせていた。


自分の痛みや傷を理解して、寄り添うことが人と安心したつながりをつくる上でとても大事

自分の痛みや傷を理解し、受容すること。
子ども(相手)にも同じ痛みや傷があり、そこから反応することを理解し、受容すること。

そこでやっと子どもたちと安心して話すために何ができるのか、何を伝えたら、どんな風に聞いたら安心を感じられるのかを試行錯誤できるようになっていった。

上手くいかない時こそ、それぞれの傷や痛み、信念に気づけるチャンス

上手くいかない時も自分や子どもを否定するのではなく、そこにそれぞれどんな気持ちや受け止め方があるのかを丁寧に見ていくこと。

それはお互いやそれぞれが自分を今よりも深く理解するチャンスになると感じている。

誤解が生じたり、責められていると感じるのはなぜなのか。

内省したり、子どもたちと共有して、探求していくこと。
それが大きな力になり、とても貴重な体験なんだと感じている。

関わりや対話が上手くいかないのは自分や子どもがダメなのではない

だからまず恐れずに対話チャレンジをして欲しい。

上手くいかないことは自分が駄目なのでも、子どもたちが駄目なのでもない。

正しさや評価の中で必死に応えようとしてきたこと、できなくて傷ついたことが根っこにあることはとても多い。

今の関係性や関わりがダメなわけではない場合がとっても多い。

だから自分や子どもを責めず、そこに何が在るのか、どんな体験や思い込みや傷が在るのかを見て、自分や子どもに寄り添っていける。


人は本当はお互いに評価したり、責めたりなんてしたくない。

でもこうでなければいけない、危険だと思い込まされてきたことがとても多kて、即座に反応してしまう。

それだけ不安や恐怖の中、自分で何とかしようとしてきたんだ。

 不安や恐怖から反応することから抜け出すには正しさや評価、自己否定を手放し、ただそうだったんだと理解していくことが大事だと思う。


私たちはお互いに大事にしたいことを理解してから何ができるのかを共に創造することができる。

自分や子ども、相手の「力やのびのびしたエネルギー、自分を信じる気持ち」を奪わずに共にできることがあると確かめながら、今できる最大限をしていくこと。

それでもできないことは自分も相手も精一杯やっていると認め、受け入れること。

それがとても大切だと思う。

今はできなくても今の状態やそこにある気持ちや願いを聞いて、受容するとふとできるようになったり、変わることがある。

またお互いに何か新しいことやアイデアを考え出せるんだと息子たちの言動からも実感している。

自分の願いに自覚的になることで創造できることはとても多い。

だからじっくり聞いて、受容すること。
親が大事にしたいことも表現することがとても大事だ。

人が変容したり、新しいことを創造するのに大事なことは?

今の状態を良いと思っていなくても変えられないことはたくさんある。

ではどうしたら良いのか?

①まず相手の大事にしたいこと、自分の大事にしたいことが明確になっていてること。
そこに対して自分ができなくても非難されたり、無理強いされないこと

こんな時、人は何か変化できることを思いついたり、創造できる気がしてる。

納得していないのに、否定や強制で変わったとしても、それは長く続かないし、気づきや学びや創造性も育まれない。

だからすぐに解決しようとか、変えようではなくて、ただお互いの中に在ることを理解し、受け止めていくこと。

それが一番変化を創り出せるのではないかと感じている。