見出し画像

第1話「DidotとBodoni」【フォントについてのほんとの話〜書体への招待〜】

【フォントについてのほんとの話〜書体への招待〜】へ、ようこそ。

ここでは、デザインのために身につけておきたいフォントの基礎知識を楽しく、(できるだけ)わかりやすくお伝えします。
ひとくちにフォントといっても、似ているものや全然違うものなど数え切れないほど種類があります。そして今も次々と新しいフォントが生まれています。
ほんの少しのフォントの違いでも、デザインの質を左右してしまうことがあります。
より良いデザインのため、あるいは雑学として、フォントについての正しい知識を身につけましょう。

*ご注意*
タイトルに「ほんとの話」とありますが、筆者の感覚や妄想による記述も結構あります。ご了承ください。(個人の見解の場合は注をつけます)

第1話「DidotとBodoni」

初回の今日はDidot(ディド)とBodoni(ボドニ)という2つのフォントをご紹介します。サムネイルの画像を見ていただけるとわかりますが、どちらもシュッとしていて、おしゃれなフォントですよね。(もちろん、「Didot」はDidotで、「Bodoni」はBodoniで書かれています)
パッと見似ていますが、そのキャラクターには少し違いも。それぞれ見ていきましょう。


Didot(ディド)

画像1

Didot 基本情報発祥の国:フランス
製作年:1991年
デザイナー:アドリアン・フルティガー/ラノタイプ社(フィルマン・ディドが作った書体を元に)

Didotは主にパリで活動していた書体デザイナー アドリアン・フルティガー(この人自身はフランス人ではなくスイス人)が1991年にデザインしたフォントです。1810年代にフィルマン・ディド(印刷所や出版社を経営していた人のようです)が作った書体を元に作られたとのこと。

縦線の太さと横線の細さのコントラストが、特徴的。これは、フィルマン・ディドがDidotの原型を作った当時の印刷技術の進化の証でもあります。当時はまだプリンターなどなく、活字というハンコのようなものを並べてそこにインクをつけて印刷をしていました。技術改良のおかげで、より細かい表現が可能になったおかげで、Didotのような細い線も印刷できるようになったのです。

画像2

Didotは、ファッション雑誌「VOGUE(ヴォーグ)」のロゴに使われていることでも有名です。

画像3

本物のロゴは字間や線の太さを細かく調整していますが、Didotを元にしているとみて間違いないはずです。(ブランドロゴでは、既存書体をそのまま使うのではなく、調整をして美しく見せることが多いです)
ちなみに本物がこちら↓
https://www.vogue.co.jp(VOGUE JAPAN公式サイト)

ファッションブランド「ZARA(ザラ)」のロゴにもよく似ていますよね。
https://www.zara.com/jp/(ZARA公式サイト)

Didotはこうした、ファッション・美容の分野で使われることが多いです。

Bodoni(ボドニ)

ここから先は

2,024字 / 6画像

¥ 100

期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?