広い会場で上手に演奏するコツ
イベントや催しで演奏するときって
いつもの練習会場よりも広かったり
残響が長く残ったりと勝手が違いますよね。
今回はそんな広い会場で演奏するときの
ちょっとしたコツをご紹介したいと思います。
■いつもより少しだけ輪郭をはっきりと吹く
広い会場で吹くと
大体の場合残響(余韻)が長く残ることが多いと思います。
すごく響くから上手になったような感覚さえありますが
音の輪郭がその分ぼやけるので
速い動きや短い音、小さい音などは
もごもごとしてしまいます。
これを軽減するために
少しだけタンギングで指向性があって、芯のある音で演奏すると
モゴモゴ感をある程度抑えることができます。
■”そば鳴り”では届かない
「そば鳴り」という言葉を耳にしたことはありますか?
自分では一生懸命大きく吹いているつもりだし
大きな音で聞こえるけど
少し距離が離れると全然聞こえてこない
こんな音のことを「そば鳴り」と言ったりします。
広い会場では
一番最後列のお客さんにも届くように吹くことがコツです。
たとえば
少し遠くの人に「お~い!」とか「すみません~!」声をかけるとき
どんな感じで声を出しますか?
隣同士でお話しするときとは少し意識が変わりませんか?
これに似た感じが
音を遠くへ飛ばそうとするときにはあります。
■音を遠くへ飛ばすとは?
上で出した例を参考に考えてみます。
遠くにいる人へ呼びかけるときの声って
その人に向けて通る声を出しますよね。
力任せに叫んでも
「何言ってるんだ?」って顔をされちゃうので
芯のある通る音質が理想です。
楽器もこれと大体同じで
力任せに楽器を鳴らしても体力を無駄に消耗するだけなんです。
もっと言えば
そんな出し方の音だと音楽に使える音ではありません。
・ボールを遠くへ投げる感覚に近い、かも。
体力測定でソフトボールをどこまで遠くへ投げられるか
みたいな測定科目…ありましたよね?
あの時のことを思い返してみてほしいのですが
ただ力任せに肩を回しても遠くに飛んでいかなくなかったですか?
ボールを離す瞬間、適度な脱力感があったと思います。
音を遠くへ飛ばすときも
この脱力感的なニュアンスがあるように思います(当社比)
■脱力=力を抜く≠フニャフニャ
「もうちょっと力を抜いてみよう」
なんてアドバイスをもらったことがある人も多いかもしれません。
でもこれは
ぐにゃんぐにゃんになって、て意味ではありません。
力を入れなくてもいい所の力を抜こう!
ということなのですが
具体的に言えば
口の周りの筋肉はしっかりと使っているし
お腹だってクっと力が入って支えています。
でも肩はどうですか?
グッと力が入って上がっちゃっていませんか?
腕もパンチの準備みたいに力をいれて縮こまっていませんか?
こんなかんじで
力を入れなくていい所でりきむと
脱力感がないという状態になってしまって
音が上手に飛んでいかない理由の1つになったりします。
■まとめ
広い会場って音が遅延して聞こえたり
隣の人の音が全然聞こえなくて
一人ぼっちで吹いているような感覚になったり
いろいろと勝手が違くて戸惑うことが多いですよね~
とにかく自分の音、周りの音が聴こえないような気がして
無駄に力いっぱい頑張っちゃいそうになるのですが
ここは少し冷静になって
音を非常口のピクトグラムさんにとどけよう!
と思って吹くと良いですよ◎
どんな時でも客観的に物事を見たり聴いたりすることの重要性を
こんなところでも感じたりしています。
次回(12/14配信予定)は
メロディーラインの受け渡しのコツについてお話ししようと思います。