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もらい湯(もらいゆ)
もらい湯(もらいゆ)
意味
風呂の設備がない家が、近所や親戚など他の家庭の風呂を借りて入浴すること。昔の日本では、自宅に風呂がない家も多く、地域内でお互いに助け合う習慣の一つだった。
使用例
・うちにお風呂がなかった頃、隣の家でよくもらい湯させてもらったものだ。
・子どもの頃は、もらい湯の後、縁側で涼みながらみんなでお茶を飲んで話したなぁ
類義語
もらい風呂
湯分け
ご近所風呂
エピソード
昭和初期から中期にかけて、日本の多くの家庭にはお風呂がなく、近所や共同浴場での入浴が一般的だった。もらい湯は生活の知恵であり、自然な助け合いの精神が日常に根付いていた。家族や地域のつながりが強かった時代、人々はお互いに支え合い、分かち合う生活を送っていた。
「そのころ、お風呂があるのは近所ではうちだけ。だから、毎晩、近所の人が入りに来ました。お風呂の後は、縁側で涼みながらお茶を飲んで、世間話をするのが習慣だったんです。」(大正12年生まれの男性の証言)