熊野三山と伊勢詣歩き旅 2日目
前回からの続きです。
朝5時。まだ真っ暗な扇ヶ浜の波音を聴き、いよいよ熊野古道・中辺路を歩きます。
今日の予定は、進捗状況を見ながら歩きとバスを併用し、日没前に熊野本宮大社を参拝することです。
こちらでダウンロードしたマップを参考に、時折Googleマップで現在地を確認しながら進みました。
序盤はまだ標識が少なめで、いわゆる見どころも多くはありません。
紙の地図を読むセンスが壊滅的で(2025年の課題かもしれない)、複雑なコースでもないのに進捗が悪く、バスの始発を待って行動開始したほうがよかったと早々に後悔しました。
でも、素晴らしい朝焼けには出会えました。
熊野古道中辺路ルートの41か所に設置されているスタンプの押印帳、事前に購入しそびれたので押印できず。
押印帳は、この日の宿地・川湯温泉の売店で購入したため、次回以降にリベンジしようと思います。
紀伊田辺〜滝尻王子までは比較的平坦で、峠を回避して舗装路中心に歩くこともできます。
富田川の美しさに触れ、こちらは普通のスニーカーで問題ない程度のほどよい自然を感じながら未舗装路を気持ちよく進みます。
どうせ迷うので頑張って歩くのはやめて、自分自身にとって「歩く」とはなにかを問う内観モードに潜り込んでいきました。
滝尻王子からいよいよ本格的に入山するのですが、
一度入るとバス移動に切り替えづらくなるため、まだ早いですが無理せずにここ滝尻から発心門王子までバスに乗ることに決めます。
年末年始は熊野古道館もお休み。ここまでほぼ人と遭遇しません。
風がやや冷たいものの、澄んだ水面を見つめながら川辺でぼんやりと3、40分バス待ちしていました。
この風景を独り占めしているのはなんだか不思議。
バスで約100分。こうして眺める山や温泉街もよいものだとのんびり揺られていましたが、途中で車酔いしてぐったり。
(歩き出すと少しずつ調子がよくなってきました。)
熊野本宮大社の神域の入口とされる別格の『発心門王子』から熊野本宮大社への道のりは、ゆるやかな坂で歩きやすく、中辺路のゴールデンルートとも呼ばれる人気コースです。
とはいえ、年末ということもあるのか観光客の姿は多くなく、ゆったりと歩いて回ることができました。
景観がよく楽しいのですが、観光地として整備された場所という印象が強く「熊野の聖域に足を踏み入れたわりには、神秘的な空気を感じにくい」と思ったのが正直なところです。
苦難を乗り越えてたどり着いたわけではなく、バスでショートカットしてしまったので尚更かもしれませんが。
石畳の坂を抜けると、熊野本宮大社です。
お疲れさまでした。
檜皮葺の立派な社殿が、古式ゆかしい雰囲気を漂わせています。
参考までに、参拝の順番はこちら。
この旅の無事を祈り、お神籤を引いたりお土産を購入したりしたあとは、本日の宿である『川湯温泉』まで歩きます。
川湯温泉は、熊野本宮温泉郷のひとつで、川原を掘れば湯が湧きだす珍しい温泉です。
冬季には、日本一大きな露天風呂『仙人風呂』も楽しめます。
個人的には大浴場がそこまで好きではないのですが、温泉街の雰囲気はいいですね。何年ぶりだろう。
温泉に浸かってゆっくり過ごしたあと、あたたかいおでんと熊野名物・めはり寿司をいただきました。
切れ味が鋭く、お神籤の内容がとてもいい。
「努力の積み重ねのない者はこの際あきらめて出直せ」
2025年は、こちらを肝に銘じて歩こうと思いますw
さて、次回は残り2社の熊野速玉大社・熊野那智大社をめぐり、熊野三山を踏破します。
3日目のみすべて徒歩だったので、今回の旅の中でもっとも達成感のある日でした。