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濱地健三郎の呪える事件簿/有栖川有栖
■ 感想
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「濱地健三郎の呪える事件簿」有栖川有栖(角川書店)P296
第三弾はコロナ禍で起きた事件簿となり、緊急事態宣言中は助手のユリエもリモートワークに。
現実とは別ではなくコロナを物語に取り込んでくれたことであの頃の異様な光景や恐怖が蘇り、細かいことは忘れてしまうものだなあと改めて実感したので、こうしてフィクションの世界にもあの大きな出来事が刻まれることで経験した現代人だけでなく、ずっと未来の読者たちに新聞や資料では分からないニュアンスも知ってもらえる意義深いことではないかと思った。
コロナで人々が自粛をしていようとも、怪異は待ったなしで依頼は途切れることを知らない。今回は民俗学をベースとした記事を書くライターさんも登場するので、今後また彼が登場して妖怪や土着に根付いた案件の話が出てきてほしい。
都市伝説の中でも大ヒロイン的「口裂け女」の話などもあり、都市伝説は誰かの作り話ばかりではなく、通俗的な話にしてしまうことで恐怖を擦り切れさせ消し去ってしまうという対処もたしかにあるのかもしれないと、また新たな面白味を発見させてくれた。
■ 漂流読書
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■ペスト/カミュ
人類が克服できた感染症は天然痘だけという恐ろしい現実。
現代に於いてもあれだけの混乱を生じさせた感染症の恐ろしさを過去の人達はどう乗り越えてきたのか、コロナを体験した今こそ読みたい。