常若
常若
とこわか、と言う言葉がある。
西欧は熟成や歴史に価値を置き、熟成された年代物ほど価値があるとされている。
マドモアゼルよりもマダムが魅力を持つ。
日本は若いほど価値を置き、新製品ほど良いとされている。
オバさんよりも若い娘が魅力を持つ。
20代30代位まで、微笑みながら声をかければ、男性はほとんどの人が嬉しそうな笑顔になり、とても親切にしてくれた。
でも、40の声が聞こえ始めた頃から、男性の反応が変わった。普通の対応になってしまった。
私は童顔だったから、子どもみたいだから優しくしてもらえていただけかもしれないけれど、その時の私は、やはり女性は若さにしか価値がないのかなと悲しく感じていた。
若いほど良い。
本当に日本の文化はそうなのだろうか。
常若と言う言葉には、甦りという意味合いもある。
伊勢の式年遷宮が20年ごとに行われるのも、伝統文化を繋ぐための意味合いがある。
技術が受け継がれて何度も何度も甦る。
日本人は若い娘に価値があるというよりは、本当は年配のものが若い人に様々なことを繋いでいくために、若い人を大事に育ててきたのではないか。
それが現代に歪んだ捉えられ方をして残ってしまっているのかもしれない。
と、熟成されたものに価値があるフランスのスイーツ文化と、若いものに価値がある日本のお茶の文化のマリアージュをいただきなごら、ふとそんなことを思った。