結婚式の手紙 後編
前編はこちら
披露宴後、控室に置かれていた1通の手紙。
手紙の差出人は先ほどまで隣にいた新郎、つまり我が夫からだった。
誕生日に私から手紙を渡したことはあったけれど、夫から手紙をもらうのは初めてだった。
5年間一緒にいて初めてもらった手紙が、結婚式。
私たちは結婚式前に入籍していたから、すでに一緒に住んでいた。
こんなのいつ書いてたんだろ。
驚き・嬉しさ・そして何よりしてやられた感。
しばらくしてニヤニヤ顔で部屋に入ってきた夫の顔をみて、「悔しいー」と笑いながら夫の肩を小突いた。
そこで涙を流して喜ぶような、可愛い女になれないのが私の残念なところ。
◇◇
結婚式の後は二次会。
夫の友人が幹事を務めてくれ、お互いの友人たちがお洒落なダイニングバーに集う。
結婚式でほとんど食事がとれなかった私は、緊張から解放されたのもあり、とにかく食べまくった 笑♫
憧れのシャンパンタワーをしたのも良い思い出☆
そして、その後この日1番のサプライズが私たち夫婦を待っていた。
それはなんと、それぞれの母からの手紙。
夫の友人たちが私たち夫婦には内緒で、母親と連絡をとり、手紙を預かってくれていた。
それをそれぞれの親友が代読してくれた。
夫の母からは、
お互いの良いところは両目を大きく開けて見ましょう。
悪いところは片目をつぶって見ましょう。
末永く仲良くね!
と書かれていた。
私の母からは、
周りの人に心配かけないように我慢する私の性格に触れ、
これからは夫くんに少し甘えて、でも甘えすぎずに頼ってください。
と書かれていた。
親からの手紙は流石にグッとくるものがあったが、私が泣く前に親友が大号泣し、またもや涙は引っ込んだ 笑
◇◇
涙のない笑顔の結婚式。
それから数年経って、私は日々母達の言葉の重みを実感している。
長年一緒にいるからこそ、短所ではなく長所に目を向けること、そして心を許せる関係だからこそ甘えすぎない。
言葉で言うのは簡単だけれど、なかなか難しいと感じる。
その後、夫から手紙をもらったことはない。
私も親に手紙を書いていないし、逆も然り。
結婚式だからこそできた手紙という形での心のやりとり。
楽しかった思い出と共に、この大切な手紙はこれから先もずっと私の宝物だ。
結婚式では泣けなかった私だが、母になってから改めて母達の手紙を読み返すと、涙が止まらない、、
これは全米が泣く!
正直、娘目線よりも母目線で読んだ方が泣けるのだ。
数年経って受け取り方が変わるのも、手紙の面白いところだなと思う。
今、私に毎日のように手紙をくれるのはまもなく5歳になる娘。
可愛いイラストとつたない文字で「ママだいすき」と嬉しい言葉をくれる。
もしもいつか、娘にもその時がきたら、、
私も2人の母からの言葉を贈りたいと密かに企んでいる。
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