
視点をずらす魔法の言葉「まぁ、いっか!」
あ、塩入れすぎちゃった!
あっ、野菜切ってたら床に落としちゃった!
あっ、服にお茶こぼしちゃった!
そんなとき、いつも私の作業を楽しそうに横で見ている息子が、
「かっか、まぁ、いっか!って言って〜♪」
とニヤニヤしながら言う。
30歳の誕生日に、脱ガサツ!を掲げたものの、まもなく34歳になろうという現在も一向にガサツなところが抜けない私が、無意識でよく言っているらしい。
息子に言われるまで意識にも上がらなかった。
でも、余裕のないとき、気がせっているときには、こんなガサツな私でさえ、「まぁ、いっか!」が出てこず、余計にせかせかしたり、まったくもう!なんてぷりぷりと思っている。
そんなとき、息子がふと言ってくれる
「まぁ、いっか!って言って〜」に、とてもとても、救われるのだ。
これくらいのこと、なんのその。
肩の力を抜いていこうじゃないか。
そんな風に言ってもらった気がするのだ。
彼は、ドジをしでかす母をただただ面白がっている&「まぁ、いっか」の言葉の響きが面白いと思っているのだろうけれど。
こんな母ちゃんのことも、ニヤニヤと笑いながら面白がってくれてありがとう。
いつもいつも、視点をずらしてくれる存在がいることは、ひとりで生きるよりも、私の世界が、ほんの少し広がりを見せる。
息子に気付かせてもらってからは、
一人でドジをやらかした時も、一人でせかせかぷりぷりしてしまうときも、「まぁ、いっかって言って~」と息子がにやにやと笑いながら言っているような気がして、ひとりで「まぁ、いっか!」と唱えると、いつのまにか強張っていた肩の力が抜けていくのを感じる。
私のとって「まぁ、いっか」は、固まった視点をほんの少しずらして緩める魔法の言葉になった。
この世に生まれてたった2年と4か月のわが子に今日も教えられる。