電気自動車の電池は劣化するから8年後はゴミになる・・・という思い込み
2014年5月に三菱自動車のミニキャブMiEVトラックをリースにて導入し、先日2022年4月に車検を通しました。8年乗ったことになります。
電気自動車の蓄電池は毎日の充電放電を繰り返すので、
バッテリーが劣化して使い物にならないゴミになる。
「だからエコじゃないよね。」
という、電気自動車を否定的にとらえるときの説明があります。
では、どのくらい劣化するのかについて、三菱自動車では明確なバッテリー劣化保障の目安があります。
現在の新型アウトランダーのバッテリー保証は8年以内かつ16万km走行になっていて、
2021年以降型のアウトランダーPHEVの駆動用バッテリー保証
この期間内に駆動用バッテリー容量の66%を下回った場合、無償で修理・交換を実施してもらえます。
これが初期型のアウトランダーや私のミニキャブMiEVトラックの場合は
初度登録後8年以内
(但し走行16万km以内)で駆動用バッテリー容量の70%を下回った場合、無償で修理・交換を実施
という風に、4%ほど現在は交換までの低下状況が下がったのですが、
ここで言う初年度登録とは
※初度登録:新車を登録(届出)した日
なので、今年2022年の場合は2014年に購入した方が、この保証のギリギリになりますので、車検証を確認しないと2014年モデルだから12月まで大丈夫だろう!なんとのんきに構えていると登録日を過ぎていてアウトになります。
このEV軽トラ、今回がその保証期間の最終月になりますので、車検の際に容量測定も行ってもらいました。
すると
電池容量残存率105%
計測前の状態より、残存率は良くなって、100%を超えました。
もともと電気自動車の走行用に使える部分は10kWhめいっぱいを使っているわけではなくて、余裕がある部分があるそうで、そんなわけで、うちのEV軽トラは8年間走行距離49793km走って、駆動用バッテリー容量は105%残で、劣化どころか、容量増えちゃいました。
このEV軽トラであるミニキャブMiEVトラックは10kWhモデルしか販売されなかったのですが、これに使われているバッテリーは
東芝製のSCiB電池、
特徴は、「安全性」「長寿命」「低温性能」「急速充電」「高入出力」「広い実効SOCレンジ」に優れた電池
欠点は「航続距離」エネルギー密度が低いため、同じ体積の電池を積んだとしても1回の充電で走行できる航続距離が短くなってしまう。
だから10kWhを超える電池容量の車ではこのバッテリーは採用されませんでした。現在もこの仕組みの電池は、マイルドハイブリッド用の蓄電池に採用されております。三菱のekクロスに搭載されているハイブリッドシステムのリチウムイオン電池もこのSCIB電池ですね。
この航続距離が短い10KWhしか電池を積まない電池自動車が8年後の現在どうなっているかというと
中古車相場で高騰!
なんと、ミニキャブMiEVの中古車の世界では、同年式の1.6倍も電池容量の多い16kWhモデルよりも10kWhの方が値段が高いという、電気自動車を乗ったことの無い方から見ると誠に不思議な現象が起きています。
我が電トラは中古車市場にはめったに出回りませんが基本ミニキャブMiEVより高値取引されております。
これは、卒FIT後に、電気自動車を蓄電池代わりに使おうという流れが起きてきて、維持費も安くスペースも小型な軽のSCiB電池搭載車の価格が同じ10kWhクラスの蓄電池より安く購入できることも理由なのですが
とにかく、
8年たっても電池容量が変わらない、電気自動車は存在してます。
だから、一部の電気自動車の結果だけを見て、
電気自動車の電池は持たないからゴミを生産しているようなもの
みたいな思い込みはやめてもらいたいです。
バッテリーの進化と共に、電池容量の劣化を抑える方法も進化しています。
新型アウトランダーは、バッテリーの発熱による劣化を抑えるために、バッテリーセルをエアコンの冷媒を用いて直接冷却するヒートシンク式冷却システムがついています。
さらに寒冷時の劣化を抑えるために、バッテリーセル温度が下がりすぎた場合には発熱させて温める工夫もしています。
このように、
今後の電気自動車の購入の際には
容量が多く航続距離が長い
モーター出力が大きく加速が素晴らしい
振動や雑音が少なく静か
などの基準軸以上に。
バッテリーセルの劣化を抑える工夫、バッテリーの特性
なんかも大事になってくるという事ですね。
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