ガンつけニキを心配するセンクス

ガンをつけるとは悪意を持って相手を睨むことだ
ガンを飛ばすともガンをたれるともいうらしいが
ガンは顔ではなく眼からきているらしい
つまり千里眼である

ゲート式コインパーキングを出る時に
見通しが悪く車を少し前に出した時
細い道をすごい勢いで車が走ってくる

それは型落ちのレクサスに乗ったニキだ
何にしても出ちゃった場合は陳謝すべきなので
ニキに会釈しようとした瞬間
親を殺されたんじゃないかくらいの殺意で
こちらをニッキーミナージュしている

いや半分も出しちゃったならばわかるが
先っちょだけ出しちゃってるわけで
ちょっと避けてくれれば通れるレベルだ
決して道を占拠しているわけではない

ミスターセンクスの眼差しは
ニキの眼差しに釘付けになり
高性能な追従フォーカスのように
ニキの目を追従していく

5秒とも10秒とも言えない時間
センクスとニキは見つめあったのだが
二人の状況は完全に異なっている
精子じゃなくて静止して見ているセンクス
運転しながら見ているニキ

おいおいニキよ
10秒もよそ見運転してたら
事故りますよ？

その時のミスターセンクスは
足元がお留守ですよとお上品になる
フリーザのごとく冷徹であった

ガンつけてもいいけど
よそ見運転は危ないから
気もつけてね！！！