【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】学校の「今」を知るための3冊〜これから教育に関わりたい方へ〜
1年前のいまごろ。
急に学校が休校になり、外出自粛・・・と、
大きく変わってしまった世の中に戸惑っていました。
メディアでの報道もありますが、
これから教育に関わりたいと考える方達には、
できる限り、生の情報に触れて欲しいと思っています。
今回ご紹介する3冊は、
そうした情報にたどり着くためのヒントになると思います。
●「学校が「止まった」日
ウィズ・コロナの学びを支える人々の挑戦」
中原先生監修の、学校休校〜その後の検証です。
いろいろなメディアで断片的な情報は聞いていると思いますが、
何が起きていたのかをデータで検証しているところがポイント。
コロナ禍を契機に、学校のICT化に拍車がかかりました。
今後は、ICTを効果的に活用しながらの学習コンテンツが
求められることにもなります。
そうしたコンテンツを考える際の「学習環境」を想定するための
情報源にもなると思います。
●「教育委員会が本気出したらスゴかった。
―コロナ禍に2週間でオンライン授業を実現した熊本市の奇跡ー」
小中学校での1人1台端末の整備が進みましたが、
「どうせ制約が多くて使えないんでしょ」という声も多く聞きます。
そんな先入観をくつがえす1冊かもしれません。
コロナ禍においてオンライン授業を実施した熊本市の事例ですが、
特徴は、ICT端末の導入にあたって「規制を設けなかった」点。
先生も子どもたちも、道具として自由に使える環境にすることが
成功の要因だったのではないかと考えられます。
現在の1人1台の整備にあたっても、
この発想をベースにしている教育委員会も多いのではないでしょうか。
ICT端末は学習のための道具であり、
大事なのは学習環境のデザインなんだと、
あらためて感じる1冊です。
●「高校教員のための探究学習入門
〜問いから始める7つのステップ〜」
こちらは、来年度から本格スタートとなる
高校の「総合的な探究の時間」に向けての一冊です。
これまでも、探究学習については、
SSHやSGHでの先進的な取り組み事例は紹介されていましたが、
どうしても「進学校だからできるのでは?」という疑念が
拭いきれませんでした。
この書籍では、書籍の薄さもちょうどいいということに加え、
ステップごとに何をしたらいいのかが
教員の声も交えて具体的に説明されており、
とてもわかりやすいものになっています。
特に高校では探究学習が重要なキーワードになってきます。
そのために外部からどんな支援が必要かを考えるヒントにもなりそうです。
3冊・・・なんですが、もう一冊。
教育に関わりたいが教育業界について全く知らない、
という方への入門書として、オススメしたいのがコチラ。
(手前味噌ですが)
●「キャリア教育コーディネーター公式テキスト」
キャリア教育をテーマにしていますが、
学校や教育委員会といった行政の仕組みや
国の施策がどうなっているのかといった基本事項を
おさえることができます。
「キャリア教育」についての基礎知識や
国の施策としての変遷も、コンパクトにまとまっています。
学校を取り巻く環境も急激に変化していっていますから、
外部にいる私たちもしっかり勉強していかないと、と思います。
松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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