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大学無償化制度の当事者(保護者)のつもりになってみた話

子どもがいないと、こういう領域はどうも縁遠くなってしまいます。「大学の無償化」、正確には「高等教育の修学支援新制度」

5人の女子の母という私とは正反対の妹から「来年から子どもが3人以上の世帯は大学無償化らしいんだけど、うちって対象になるのかな?手続きとかどうすればいい?」という質問をされたので(←なぜか姉に聞けばいいと思っているらしい笑)、調べてみました。

しかし、何を調べるべきなのか、制度の正式名称がわからないと欲しい情報にはなかなかたどり着けなかったりして、これはなかなかハードルが高い話だなと思いました。私が縁遠かっただけで、必要な人は情報を手にいれることができていたんでしょうか・・・? 

そんなことを思いながら、大学生・高校生の保護者気分を少し味わってみました。


●特設ページが文部科学省サイトにある

実はこの質問をされた段階では検索しても情報がほとんどなくて、公明党のサイトにそれらしい情報がある程度でした。内容はシンプルでわりとわかりやすいです。

現時点では、文部科学省のサイトに7/5段階で「令和7年度からの多子世帯の大学等授業料等無償化の概要を公表」とあります。

該当のページは以下。

令和2年(2020年)から始まっている制度で、大学等の授業料等減免と給付型奨学金が受けられる制度です。世帯収入によって支援を受けられる金額が変わってくるのですが、来年度からは、子どもが3人以上の世帯は所得制限なしに対象になるという点が変更点です。7/5に公表された情報がこちら。

https://www.mext.go.jp/content/20240704-mxt_gakushi_100001505_2.pdf

支援の対象となる学校かどうかを確認する必要があり、文部科学省サイトで検索できるようです。特設ページにも検索機能があり、おそらくこれも同じなのだと思いますが、とはいえ現行制度のものなのでちょっと不安になります

●扶養からはずれると対象外になる

「うちって対象になるの?」に関しては、「扶養されている間」というところがポイントになるようです。FAQではこんな図も掲載されています。

https://www.mext.go.jp/content/20240426-mxt_gakushi_100001505_2.pdf

子どもが何人いても、就職するなどして扶養からはずれてしまっている場合はカウントされなくなるということです。妹一家の場合は、来年、大学3年生になる2号と、大学入学予定の3号がいますので、この2人は対象になりそう。3号が大学を就職して扶養から外れるまでは(4号・5号がいるので)対象ということですね。3歳差までのきょうだいがいる家庭の大学授業料の負担軽減には大きい話です。一方で多子世帯でも4歳以上離れてしまうと対象にならない可能性が高くなりますね。


●日本学生支援機構の奨学金と手続きと同じ?

では、手続きは何をしたらいいのか。どこに申請するのかとか、必要な書類はなんなのかとか、いつまでに?なんていうのも、めちゃくちゃ気になりますよね。

いつから?に関しては、上記の図にもあるように「令和7年度入学後に」ということのようです。どこに?に関しては、現行制度の「日本学生支援機構」の減額制度・給付型奨学金制度の仕組みをそのまま踏襲するのだと思われます。(ということが、明確には理解しづらいのは私の理解力の問題なのだろうか・・・?)


●手続きは入学後に確実に

ここからは現行制度の手続きがどうなっているかに従うなら、ですが。現行制度の特設サイトには以下のように書かれています。

給付型奨学金の申込みは、年2回、毎年の春と秋に、在学中の大学等を通じて日本学生支援機構に申し込みます。
この時、併せて、在学中の大学等に授業料等減免の申込みをしていただくことになりますが、その受付期間は学校によって異なりますので、学校の窓口などに確認しましょう。

https://www.mext.go.jp/kyufu/student/daigaku.html

在学中の大学等を通じて日本学生支援機構に申し込みですね。年に2回というのは、4月に申込→7月ごろ決定、9月ごろ申込→12月ごろ決定、というサイクルだと案内されています。いずれにしても入学金・前期授業料は納入はしないといけないので、家計の資金繰りは考えておかねばなりませんね。

書類はどこで手に入れるの?も気になりますが、こちらのページで給付型奨学金の手続きについて確認してみると‥

「在学している学校で受け取ることができます」と。学校に書類を提出後、インターネットて申込手続きをし、マイナンバーが必要になったりと、確実な手続きが必要になりそうです。現行制度を踏襲する前提で考えると、これらの手続きを学生本人が確実にやらないといけない、ということのようです。大学も面倒見てくれたりするんだろうか? いずれにしても本人のリテラシーが試されますね。


私の学生時代と比較すると国公立大でも授業料が1.5倍くらいにあがっている感覚ですが、一方で、親世代と比較すると年収は全くあがっていません。そうした現状への施策なのだと思いますが、いかんせん、情報へのアクセスのしずらさが気になります。

松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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