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「やりたいこと」は”仮決め”でいいし変わってもいい【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】
「やりたいことがなくて困ってます」
進路を考える高校生や大学生からよく聞くセリフですよね。
キャリア教育やキャリアカウンセリングに関わり大人が
(私も含めて、ですが)
キャリア教育の授業のアイデアを考えると、
必ずといっていいほど、
こんな活動テーマが出てきます。
「将来やりたいことを考えてみよう」
「いま興味のあることから将来を考えよう」
「やりたいことからバックキャスティングで計画しよう」
これ、アプローチとしては全く間違っていないんですが、
ではなぜ、冒頭のような「困っている」につながるのか。
キャリア教育コーディネーターが授業を企画する上では、
この点を無視することはできません。
子どもたちの視点に立てなければ、
「必要だから有無を言わさずやらせる」という
強制にしかならないからです。
なぜ「困る」のでしょうか?
単純に言って、
「先のことなんて、わからないから」
なんじゃないでしょうか。
子どもたちは経験も少なければできることも少ない。
「決めろ」と言われても、決められないのです。
自分の15歳や18歳当時を思い出してみたら、
きっと自分もそうだったなと、納得できるはず。
「やりたいことをはっきり持てている方がいい」
という風潮も、苦しく感じてしまう要因だと思います。
では、なぜ、
それでも「将来やりたいことを考える」をするのでしょうか?
わからないことがわかるようにするには、
何かをやってみるしかない、と思っています。
新しい世界に飛び込んでみたら、
できることが増えたり、わかることが増えたり、
そこから「次の何か」がみつかるからです。
先日、最終回を迎えたNHKドラマ「宙わたる教室」の
原作(小説)には、こんな言葉が出てきます。
正解の扉などというものは、たぶんありません。
入った部屋で偶然に誰かと出会い、
あれこれ手を動かしてみて、
次の扉をえいやと選ぶだけです。
やってみないと次の扉は見えてこない。
「将来やりたいことを考える」は、
そのための、きっかけをつくるための行動、
スイッチのようなものなんじゃないかと思っています。
なので、ここで描く「将来やりたいこと」は
仮決めでいいし、
あとから変わることだって全然ありうるのです。
大人の私たちが自分のこれまでをふりかえってみたら、
きっとそうだったんじゃないでしょうか?
仮決めでいいし、変わってもいい。
そう言われたら気持ちが楽になる子どもたち、
きっといると思います。
松倉由紀
キャリア教育コーディネーター・教育研修プランナー。1975年長野県上田市生まれ。静岡大学人文学部卒業。地元での就職に失敗(4か月めで退職届!)ののち、大手通信教育会社、人材派遣会社、コンサルティングファームを経て現職。キャリア教育の領域で教育プログラム開発と「しくみ作り」をする「企画屋」「クリエイター」であり「風呂敷たたみ屋」。2016年4月個人事業主から法人成り(株)ax-factory(https://ax-factory.wixsite.com/corporate)を設立。2020年京都造形芸術大学通信教育部(グラフィックデザイン)を卒業。デザインで学びをおもしろくします。
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