中学生の職場体験、「5日間」と言われるワケ【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】
小中高のキャリア教育実践基礎講習、集合研修が終了しました。
3日目は現役の先生にも登場していただいたのですが、
その中で「5日間の職場体験」の話が出てきており、
そういえば、とあらためて整理してみることにしました。
5日間の職場体験といえば、
平成18年の「キャリアスタートウィーク」でしょうか。
当時の先進事例としては
兵庫県の「地域に学 ぶ「トライやる・ウィーク」」と
富山県の「社会に学ぶ『14歳の挑戦』」が紹介されています。
ここで「なぜ5日間なのか」について、
こんな言葉が紹介されています。
兵庫県や富山県の先進事例を通して見えてきた
子どもたちの成長・変容に必要な「時間の長さ」
ということだと考えられます。
その後に出された
中学校でのキャリア教育推進のためのパンフレットでも
具体的な5日間の職場体験の例と
生徒の変容について解説されています。
こうしてみていると、
職場体験という形で
家庭・学校以外の地域の大人と関わることで
どんな変容が期待できるのかがわかりますし、
時間がかかることも納得できます。
では、この「5日間」が現在どうなっているのか。
中学校の職場体験・高等学校のインターンシップに関しては、
国立教育政策研究所が
「職場体験・インターンシップ実施状況等結果」を公開しています。
新型コロナウィルス感染症拡大前の令和元年度のデータだと、
公立中学校の88%が職場体験を実施しており、
「5日以上」の実施は実施校の13.2%です。
多くは2日間・3日間程度です。
感染症の拡大で職場体験ができなかった時期もあり、
その後、どこまで元に戻ったのかも
注視すべきポイントかもしれません。
いずれにしても「5日間」の実施はむずかしい、
という現状は押さえておく必要があります。
また、この現状の一方で、
中学校のキャリア教育といえば職場体験、
というイメージにとどまってしまっている現状も
改善が必要だといえます。
職場体験も、その「日数」も
キャリア教育の手段のひとつにすぎません。
キャリア教育を通して
子どもたちのどんな成長の姿をめざすのか、
すべては「ねがい」を中心にして
組み立てるべきものではないでしょうか。
コロナ禍はこうした現状を見直す
「きっかけ」にもなったように思います。
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