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社会人のための”教育ってそうなってるのか!”講座

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教育改革の”キーマン”をどうやってつかめばいいのか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

私がキャリア教育コーディネーターとして活動をし始めて 最初に感じたことのひとつに、 なんらか学校・教育に関わろうとするのであれば、 「業界の生態系を知ることは必須」というのがあります。 教育といえば!で TVなどのメディアでよく名前を聞く人、 話題の本を書いた人など、 そこそこ読書もする方なので、 「知っているつもり」でいたのですが、 本もTVもメディアなので、 キャッチーに情報が編集されています。 そして意外と見えてこないのは、 学習指導要領など文部科学省の施策についてで

探究の課題は「困りごと」じゃないといけないのか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

この時期は、機会があればなるべく、 高校生の探究学習の発表に参加させてもらうようにしています。 どちらかというと学校外の発表の場ということもあり、 おそらく、学校の中でも積極的に活動しているであろう 高校生たちであるという、偏りはあるのですが、 探究学習の現状の一端が垣間見えてきます。  (あくまで一端でしかないのですが) 発表の場で出会う高校生たちのほとんどは、 行動力があって、 その場に出てくるくらいですから 他者とのコミュニケーション好きが多いです。 純粋に、ほんと

次期学習指導要領に向けての議論が始まりました【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

中央教育審議会に学習指導要領改訂の諮問がされた というニュースが年末に流れましたね。 中央教育審議会とは 文部科学大臣の諮問機関で、 国の教育施策に関する重要事項を決定する際に さまざまな専門家が議論を行う場です。  ※諮問とは専門家等に意見を求めること。 学習指導要領の改訂がニュースになるのは この「諮問」のタイミングと 「答申」(議論の結果の回答)のタイミングです。 ちなみに、中央教育審議会の開催情報や 配布資料はすべてWEBサイトで公開されていますので、 誰でも閲

「やりたいこと」は”仮決め”でいいし変わってもいい【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

「やりたいことがなくて困ってます」 進路を考える高校生や大学生からよく聞くセリフですよね。 キャリア教育やキャリアカウンセリングに関わり大人が   (私も含めて、ですが) キャリア教育の授業のアイデアを考えると、 必ずといっていいほど、 こんな活動テーマが出てきます。 「将来やりたいことを考えてみよう」 「いま興味のあることから将来を考えよう」 「やりたいことからバックキャスティングで計画しよう」 これ、アプローチとしては全く間違っていないんですが、 ではなぜ、冒

キャリア教育に関わりたい人のための参考資料【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

今回のメルマガのタイトルを 「参考書籍」ではなく「参考資料」にしたのには、 ちょっと理由があります。 キャリア教育の切り口で学校に関わろうとする方には 一般書籍だけでなく、 文部科学省の資料にあたっていただきたい、 と考えているからです。 もちろん一般書籍でも良書はあります。 というか、良い一般書籍ほど、 きちんと文部科学省が出している資料を 出典として扱っていることが多いのです。 そして、学校に関わろうとする方には、 学校の先生と同じものをみてほしい。 というわけで、

小さなチャレンジと失敗の機会を提供できるか【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

週末にゲームマーケットにカードゲームを出展していました。 自分が何者かがだんだんわからなくなってますが(笑) (なぜゲーム開発に至ったのかなどは、また別の機会に。) ゲームマーケットは大きな展示場で行われていますが、 いわゆるビジネスの展示会と違うのは、 趣味の人やサークル活動での出展者が多いという点です。 (もちろんいわゆる業者の出展もありますし、  印刷会社等の営業・売込みもありました。) 出展者がビジネスではない、ということは、 予算規模も売上規模も小さい、というこ

ゲスト講師をアサインすれば仕事は終わり?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

facebookでお友達限定でつぶやいたのですが、 「ゲスト講師の授業プログラムを評価・アドバイスするchatGPT」 ができないかなーと、あれこれやってみています。 キャリア教育コーディネーターの機能のひとつに 「プログラム・カリキュラム開発支援」というのがあります。 弊社で開講しているキャリア教育コーディネーター養成講座でも しっかり時間を割いて、かなりヘビーに取り組んでもらうのが 「ゲスト講師を呼ぶ授業のプログラム開発」です。 キャリア教育コーディネーターって何す

個別最適な学びとは”公正”であること【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

令和5年に閣議決定された第4期教育振興基本計画 わかりやすいパンフレットも公開されていますが、 この中でも、キーワードのひとつとして 「個別最適な学び」があげられます。 個別最適な学びとは 「指導の個別化」と「学習の個別化」で 説明がされています。 「指導の個別化」とは、 ひとりひとりに合わせた異なる方法で、ということ。 「学習の個別化」とは、 ひとりひとりの興味関心という 異なる目標に向けて、ということです。 ひとりひとりの目標と学び方は違うというのが 「個別最適な学

中学生の職場体験、「5日間」と言われるワケ【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

小中高のキャリア教育実践基礎講習、集合研修が終了しました。 3日目は現役の先生にも登場していただいたのですが、 その中で「5日間の職場体験」の話が出てきており、 そういえば、とあらためて整理してみることにしました。 5日間の職場体験といえば、 平成18年の「キャリアスタートウィーク」でしょうか。 当時の先進事例としては 兵庫県の「地域に学 ぶ「トライやる・ウィーク」」と 富山県の「社会に学ぶ『14歳の挑戦』」が紹介されています。 ここで「なぜ5日間なのか」について、 こ

親世代の”教育の常識”、もう古いんです。【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

キャリア教育支援人材養成講座、 集合研修がスタートしました。 この講座をやっていていつも思うことなのですが、 「教育のこと」って、誰にとっても身近なように見えて、 実はわかりにくいことがけっこう多いということ。 どれだけわかりやすく伝えることができるかも、 キャリア教育コーディネーターの重要な役割だと 思っています。 こと、いままさに進んでいる教育改革は、 私も含めた親世代の知っている学校・教育とは、 その価値観も全く違うものだったりしていて、 大人の常識のアップデートが必

「探究」と「キャリア教育」の関係を読み解く【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

学習指導要領の改訂により、 高校の「総合的な学習の時間」が 「総合的な探究の時間」になったことをご存知でしょうか。 名前が変わっただけ?と思われるかもしれませんが、 高校ではこの「探究」がまさに キャリア教育そのものになっています。 「探究」と「キャリア教育」の関係を読み解くヒントとして、 まず、「総合的な学習の時間」と「総合的な探究の時間」の 何が違うのかについて確認したいと思います。 学習指導要領の解説に「課題と生徒の関係イメージ」として 次のような説明があります。

コーディネーター的機能がなぜ必要なのか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

8月の1週目、博物館実習に行っていました。   (学芸員資格の取り直しのためです) 実習テーマのひとつに「博物館教育」がありまして、 博物館が収蔵する資料(文化財など)を活用した 教育プログラムを考えるワークもありました。 博物館も学校外資源。 学校外資源を活用した教育プログラムの開発は、 キャリア教育コーディネーターの仕事・・・ なので、学芸員も似たような動きをするんだな、 と思うのと同時に、 学芸員という非常に専門性の高い人たちが この動きをするのは、厳しいのではない

学校教育への関わり方はいろいろあります【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

私が開講するキャリア教育コーディネーター養成講座では、 学校教育への関わり方はいろいろあること、 できれば、ご自身の得意を活かして ワクワクする方法で関わってほしいことを 繰り返しお伝えしてきています。 その中でも、学校教育への関わり方については、 以下の2軸でご紹介しています。 (1)子どもたちと直接関わりたいのか、     または、しくみづくりで関わりたいのか (2)地域密着型で活動したいのか、または、     地域は関係なく専門性を持って関わりたいのか 上記の図に

3年以内離職は本当に問題なのか?【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】

今回は、キャリア教育がなぜ必要なのか、 ということについて考えてみたいと思います。 キャリア教育という言葉が日本で登場したのは1999年。 中央教育審議会答申 「今後の初等中等教育と高等教育の接続の改善について」でした。 キャリア教育が求められる背景として、 ニート・フリーター問題に加えて、 早期離職者の問題が挙げられています。 具体的な数字としては新規学卒者の就職後3年以内の離職。 この当時は、 「学校から社会・職業への移行が円滑に進んでいないこと」が その要因と考えら