詩:ぼくはミュージシャンにはならない
どこにもいけない音楽を口の中で転がして
飴玉みたいに消えるのを待っている
だれかの音楽を聴いていても満たされる
音楽に寄り添えれば生きていける
音楽の真ん中では生き方を忘れてしまう
きみを大切にしたいんだ
ときどき味をもつ飴玉を分け合いたくてキスをする
クスクス笑うからこれ以上正しいことはないね
ぼくはミュージシャンにはならない
誰も知らない音楽をあなたの耳元に降らせる
ピロートークはへたくそだけど上手に眠らせてあげる
いつだって穏やかな沈黙が僕らに無いのは
きみが名付けたメロディをハミングするからだ
きみのためだけの音楽を口の中で転がして
飴玉みたいに消えてもきみがいればそれでいい
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