ひとまずつぶやきからのリハビリ。

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  • 異類戀愛譚

    かみさまがむすびつけてくださった。しあわせかどうかは、ぼくらがきめる。

  • 夕暮れみたいな恋

    (ひとくくりの自由詩たち) 輪郭がぼやけるような。静けさに包まれていくような。まどろむような。とけて消え行くような。

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詩:ぼくはミュージシャンにはならない

どこにもいけない音楽を口の中で転がして 飴玉みたいに消えるのを待っている だれかの音楽を聴いていても満たされる 音楽に寄り添えれば生きていける 音楽の真ん中では生き方を忘れてしまう きみを大切にしたいんだ ときどき味をもつ飴玉を分け合いたくてキスをする クスクス笑うからこれ以上正しいことはないね ぼくはミュージシャンにはならない 誰も知らない音楽をあなたの耳元に降らせる ピロートークはへたくそだけど上手に眠らせてあげる いつだって穏やかな沈黙が僕らに無いのは きみが名付

    • 梅雨が去って、昼間が暑くて、家の中を通る風は涼やかで、電気をつけないくらいの明るさが心地良い。もうそろそろお休みさせてあげないとな、という気持ちで、こたつを片付ける日。洗濯機をたくさんまわす日。洗濯物がよく乾く日。夏を覚悟する。

      • 家中真っ暗にして、一番涼しい風が入る窓の下に座って、お風呂が沸くまでのボイラーの音を聞く。遠くに鳴くカエルの声も聞く。風になびくカーテンの音も聞こえる。昼間楽しそうに話していたあのこの声も、脳内に響く。いい夜だ。

        • ウシガエルの鳴き声は「モォ〜〜」ではなく「ブモォ、ブモォ」である。より正確にすれば「ブモ"ォ、ブモ"ォ」である。大学の駐車場裏、水っぽい草むらで朝に夕に鳴いている。お姿を見せずにいてくれさえすれば「あら今日もお元気そうで」と思える。このくらいの距離感で居続けたい。

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        詩:ぼくはミュージシャンにはならない

        • 梅雨が去って、昼間が暑くて、家の中を通る風は涼やかで、電気をつけないくらいの明るさが心地良い。もうそろそろお休みさせてあげないとな、という気持ちで、こたつを片付ける日。洗濯機をたくさんまわす日。洗濯物がよく乾く日。夏を覚悟する。

        • 家中真っ暗にして、一番涼しい風が入る窓の下に座って、お風呂が沸くまでのボイラーの音を聞く。遠くに鳴くカエルの声も聞く。風になびくカーテンの音も聞こえる。昼間楽しそうに話していたあのこの声も、脳内に響く。いい夜だ。

        • ウシガエルの鳴き声は「モォ〜〜」ではなく「ブモォ、ブモォ」である。より正確にすれば「ブモ"ォ、ブモ"ォ」である。大学の駐車場裏、水っぽい草むらで朝に夕に鳴いている。お姿を見せずにいてくれさえすれば「あら今日もお元気そうで」と思える。このくらいの距離感で居続けたい。

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        • 異類戀愛譚
          6本
        • 夕暮れみたいな恋
          2本

        記事

          今日のお昼は、セブンで買ったそうめんと、わさびめしのおにぎりと、お好み焼きパン。わさびめしが、香りがいいのとちゃんと辛いのとで爽やかおいしい。お好み焼きパンは大好きだったから復活嬉しい。幸せなお昼どき。

          今日のお昼は、セブンで買ったそうめんと、わさびめしのおにぎりと、お好み焼きパン。わさびめしが、香りがいいのとちゃんと辛いのとで爽やかおいしい。お好み焼きパンは大好きだったから復活嬉しい。幸せなお昼どき。

          ここが小さな獣たちの通り道だと知っていながら、夏の盛りの草刈りが嫌で、除草剤を撒く夕暮れ。きみたちが隠れられるくらいの背の高い草が茂るはずのただなんでもない場所を、薬まみれの枯れ地にしてごめんね。それにしてもスギナのしぶとさたるや!

          ここが小さな獣たちの通り道だと知っていながら、夏の盛りの草刈りが嫌で、除草剤を撒く夕暮れ。きみたちが隠れられるくらいの背の高い草が茂るはずのただなんでもない場所を、薬まみれの枯れ地にしてごめんね。それにしてもスギナのしぶとさたるや!

          夏と梅雨が重なっている今時分は、グレーのネイルがよく似合う。心地よい憂鬱のなかだから、黄緑や橙の差し色。暑ささえなければ、こんなにいい季節はないよな。

          夏と梅雨が重なっている今時分は、グレーのネイルがよく似合う。心地よい憂鬱のなかだから、黄緑や橙の差し色。暑ささえなければ、こんなにいい季節はないよな。

          祖父が会いに来てくれた。蛍になって。美しくて悲しかった。寂しさになるにはまだもう少し時間が必要。でも、さよならだ。

          祖父が会いに来てくれた。蛍になって。美しくて悲しかった。寂しさになるにはまだもう少し時間が必要。でも、さよならだ。

          急に寒い。でもまあそんなものよね、とおもう自分もいる。ストーブをつけるけれど温まりすぎてしまって、こたつをつけて落ち着く。結局、梅雨の時期もなんだかんだ寒くて、だからもうここ何年かは7月までずっとこたつが出ている。そして9月にはこたつを整える。休みが短くて申し訳ないな……

          急に寒い。でもまあそんなものよね、とおもう自分もいる。ストーブをつけるけれど温まりすぎてしまって、こたつをつけて落ち着く。結局、梅雨の時期もなんだかんだ寒くて、だからもうここ何年かは7月までずっとこたつが出ている。そして9月にはこたつを整える。休みが短くて申し訳ないな……

          3月、餞に頂いた。ニョロニョロを探して写真を撮ったら、まだ袋の中にいるそいつもこちらを見ていた。可愛い。スナフキンの頰杖、可愛い。角砂糖でジャグリングするミィ、可愛い。実はスナフキンの向こうでムーミンが上目に商品名を見ながら食事をしている。可愛い。箱推し。愛故に美味しく食べる。

          3月、餞に頂いた。ニョロニョロを探して写真を撮ったら、まだ袋の中にいるそいつもこちらを見ていた。可愛い。スナフキンの頰杖、可愛い。角砂糖でジャグリングするミィ、可愛い。実はスナフキンの向こうでムーミンが上目に商品名を見ながら食事をしている。可愛い。箱推し。愛故に美味しく食べる。

          「可視化」すること。言外に含ませたり、背景に滲ませたり、遠回しに表現したりなどして(あるいは無意識的に含ませたり滲ませたり婉曲してしまったりなどして)形成されたヒドゥンメッセージが、時として明確な表出よりもはっきりとみえるようにしてしまう。隠したってみえる。みえないものもみえる。

          「可視化」すること。言外に含ませたり、背景に滲ませたり、遠回しに表現したりなどして(あるいは無意識的に含ませたり滲ませたり婉曲してしまったりなどして)形成されたヒドゥンメッセージが、時として明確な表出よりもはっきりとみえるようにしてしまう。隠したってみえる。みえないものもみえる。

          「桜って散るんだな」と感じ入った朝。高速道路のインターを降りてすぐの交差点、信号を待つ間に小ぶりの桜の街路樹を見ていたら、ひらひらと花びらを散らした。風は無かった。咲き切ったんだな、とおもった。木や枝は離れていく花びらに見向きもせず、花びら側も未練もなさそうだった。春だった。

          「桜って散るんだな」と感じ入った朝。高速道路のインターを降りてすぐの交差点、信号を待つ間に小ぶりの桜の街路樹を見ていたら、ひらひらと花びらを散らした。風は無かった。咲き切ったんだな、とおもった。木や枝は離れていく花びらに見向きもせず、花びら側も未練もなさそうだった。春だった。

          昨日、真夜中眠りにつこうとするとき。ベット脇の窓に月光のフレームがかかるのに見惚れた。カーテンで遮られて、けれど明るすぎて、ぼんやりと青く、空間を縫って入り込んだ月明かり。月と夜が生み出す、あのなんともいえない青の数々は、ただ世界は美しいという事実を呑み込ませる力がある気がする。

          昨日、真夜中眠りにつこうとするとき。ベット脇の窓に月光のフレームがかかるのに見惚れた。カーテンで遮られて、けれど明るすぎて、ぼんやりと青く、空間を縫って入り込んだ月明かり。月と夜が生み出す、あのなんともいえない青の数々は、ただ世界は美しいという事実を呑み込ませる力がある気がする。

          テレビからニュースを流しながら、膝の上で丸くなる猫を撫でる左手、スマホをいじる右手。花見日和のお天気のなか、この1週間のうちにほとほと人に疲れてしまって、出かける気なんかおきない。片割れみたいなひとと、可愛いねこと、うららかなサンルームでのんびりすると決めてる。極上の土曜日。

          テレビからニュースを流しながら、膝の上で丸くなる猫を撫でる左手、スマホをいじる右手。花見日和のお天気のなか、この1週間のうちにほとほと人に疲れてしまって、出かける気なんかおきない。片割れみたいなひとと、可愛いねこと、うららかなサンルームでのんびりすると決めてる。極上の土曜日。

          人見知りである。関係構築が苦手である。1人は平気である。だから随分前に「友人をつくろう!」という意志をもって振る舞うことをやめた。そんなことをしたら空回って1人反省会を繰り返すだけだと嫌というほど学んだから。無理のない範囲で、必要最低限で、いざというときは頑張れる自分でよかった。

          人見知りである。関係構築が苦手である。1人は平気である。だから随分前に「友人をつくろう!」という意志をもって振る舞うことをやめた。そんなことをしたら空回って1人反省会を繰り返すだけだと嫌というほど学んだから。無理のない範囲で、必要最低限で、いざというときは頑張れる自分でよかった。

          まだ少し雪が降るのを心配する町から桜盛りの街まで、毎日行き来する生活。40分高速道路を走る間に、冬終わりから春の始まりまで季節が流れているらしい。まだ残っている雪がだんだん見えなくなって、まだ咲いていないはずの桜の色が少しずつ広がっていく。楽しいね、とおもう。シンプルな気持ち。

          まだ少し雪が降るのを心配する町から桜盛りの街まで、毎日行き来する生活。40分高速道路を走る間に、冬終わりから春の始まりまで季節が流れているらしい。まだ残っている雪がだんだん見えなくなって、まだ咲いていないはずの桜の色が少しずつ広がっていく。楽しいね、とおもう。シンプルな気持ち。