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詩∶3㎜

詩:やがて雪で隠すのだ

詩:あきめく

家中真っ暗にして、一番涼しい風が入る窓の下に座って、お風呂が沸くまでのボイラーの音を聞く。遠くに鳴くカエルの声も聞く。風になびくカーテンの音も聞こえる。昼間楽しそうに話していたあのこの声も、脳内に響く。いい夜だ。

夏と梅雨が重なっている今時分は、グレーのネイルがよく似合う。心地よい憂鬱のなかだから、黄緑や橙の差し色。暑ささえなければ、こんなにいい季節はないよな。

祖父が会いに来てくれた。蛍になって。美しくて悲しかった。寂しさになるにはまだもう少し時間が必要。でも、さよならだ。

  • 異類戀愛譚

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  • 夕暮れみたいな恋

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