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AWESOME Choices Issue no.04「リケジョから製薬企業を経てヘルスケアベンチャー」というキャリア


あやこさん


現在転職して2年目、ヘルスケアベンチャーの事業開発職で新規事業の企画やプロジェクト推進を担当しています。具体的には、ユーザーや関係者にインタビューをしながら新しいサービスを考えたり、調査したり、プロトタイプを作ったりしています。 この仕事の面白さは、未だ解決方法のない課題を見つけて、解決方法を考えていけることです。 現職の前は、製薬企業で研究の仕事をしていました。学生時代は、地方国立大学の大学院(薬学修士)で難治がんの研究をしていました。

現在ヘルスケアベンチャーの事業開発職で活躍中とのことですが、学生時代に理系の道に進もうと思った理由について教えてください

私は文系科目の方が得意だったのですが、得意なことを更に学んでいくより、苦手でも興味のある科目を学べる理系に進んだ方が、単純に面白そうだと思ったためです。

当時、私は絵を描くことが大好きで中学時代はイラストレーターになりたいと思っていましたが、プロになれるほどの才能ではないな…と自覚しつつあった高校時代、これといって将来やりたいことが見つかっていませんでした。両親から「女の子は手に職!」と言われていたこともあり、どちらかというと消極的な選択(やりたくない・向いていなさそうな学部を外す)で、理系科目の中で好きだった化学や生物をより学べる薬学部を選びました。

「得意よりも興味を大切にする」は、とても参考になる選択方法の1つだと思います。そして、やりたいことがはっきりしない中でもご自身で最終的に薬学部の道を選ばれたということですね。

では、今のお仕事を選ばれた理由を教えてください

消極的選択で薬学部に入学し、なんとなく薬剤師になるのかな、と思っていた私でしたが、大学院時代(当時、薬学部は4年間で薬剤師免許が取れる時代でした)に薬剤師として9ヶ月間の臨床研修をさせていただいたときに、難病で入院されている患者さんに多く接したことから、「私は、健康に関して困っている人に対して、それを解決できる人になりたいのだ」と感じ、進路希望を薬剤師から製薬企業に変えました。

念願が叶って新卒で製薬企業に就職し、10年以上がんや難病に対する新薬の研究に邁進しました。その間、二人の子供に恵まれたものの、核家族での育児と仕事の両立はなかなか難しく非常に悩みました。そこで、二人目の育休中に仕事と育児の両立をするには仲間との支え合いが必要だと考え、社内でワーキングペアレンツのコミュニティを立ち上げたり、社外でもワーキングマザーが集まるコミュニティに参加したりしました。

これまで研究一筋で社外の人との交流が少なかった私でしたが、起業家も含め多様な働き方に挑戦している方に刺激を受け、上の子供が小学生になるのを機に、柔軟な働き方をしながらヘルスケア分野での企画の仕事を続けたい、更に、新しい分野の課題解決にも取り組んでみたいヘルスケアベンチャーの事業開発職(フルリモート勤務)に転職しました。

大学で学ぶ中でやりたいことを見つけることができたことや、子育ての中で悩まれたことがきっかけで、新しいキャリアへの挑戦につながったのですね。

では、今のお仕事の中で「理系で学んだことが活かされているな」と感じられることはありますか?

新規事業を企画するには、徹底的かつ地道な調査が必要になりますが、データベースを用いた網羅的な調査や、効率的に情報を集められるようなアンケートやインタビュー設計を楽しみながら行っています。
調査データを分析するときも、どこに共通点があってどこにクリティカルな課題があるのだろうといった本質を探す姿勢に、理系で学んだことが活かされていると思います。

理系で培ったスキルはどんな場面でも活かされているということがよくわかりました。

ご自身にとって「理系で学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば、教えてもらえますか?

私の場合は、理系を選んだことで、自分の興味があることを学べて、興味があることを仕事にできました。また自分と気が合うタイプの方とも多く出会うことができました。 一方で大学時代には、「女のくせに、意見を主張して生意気だ」と陰で言われ傷ついたこともありました。
良いことも悪いこともありましたが、自分に合う環境を選んだことには後悔はありません。

「後悔はない」と断言されているところが、自らのキャリアをこれまでChoice(選択)してこられた証ですね。

最後にこれからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします。

私は転職してから、インタビューやアンケート設計、音源編集、などこれまで10年以上の研究職としてのキャリアの中で全く触れたこともないことばかりに取り組んでいます。やったことのないことに取り組んでみることで、新しい適性が見つかったり、やりがいを発見したりすることも多いです。 進路に迷うことは多くあると思いますが、もし可能ならインターンシップに参加したり、実際にその職業で働いている人のお話を聞きに行ったりするなど、リアルな場を体験するのが最も自分の適性がわかると思います。あー、間違っていたなと思ったらその時に進路変更をすれば大丈夫です
(私も、薬剤師ではない道に進もう、とやってみて初めて気付くことができました)。
周りの意見やデータだけでなく、自分の感覚も重視して、自分で決めることで、後悔のない選択ができると思います。

最後に

お話を通して、リアルな理系選択の裏側やどのようにして卒業後のキャリアを見つけて行ったか、その後の悩みがきっかけとなり新しいキャリアのチャプターが始まったことなど、参考になるだけでなく、とても勇気づけられました。 貴重なお話ありがとうございました。あやこさんの更なる活躍を応援しています!
(こちらからあやこさんのnote記事をご覧いただくことができます。)

あとがき

いかがでしたか?
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