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AWESOME Choices Issue no.031 理工学部で学んだ力学や製図の知識を活かして、自ら手がけた製品で社会をより良くする夢を抱く理系女子大学生

なうさん

現在中央大学3年生、精密機械工学科で力学や製図の学習をしています。具体的には、機械力学、材料力学、流体力学、熱力学の四力の授業を基礎に、物理実験や製図の授業でそれを実践的に応用しています。この学科の魅力は、学んだ内容を実際にアウトプットする機会が多く、自分の理解が深まると同時に、ものづくりの「楽しさ」を実感できる点です。そのため、現在はものづくりに携わる設計・開発職に強い興味を持っており、将来は自分が手がけた製品で社会をより良くすることができたらと考えています。 趣味は野球観戦と写真撮影で、休日には家族と一緒に野球を観に行ったり、カメラを持って外へ撮影に出かけたりすることが多いです。

現在は理工学部の精密機械工学科で学ばれているとのことですが、子どものころはどんなことが好きでしたか?

子供の頃から、ものづくりが大好きでした。折り紙やレジン、裁縫が得意で、家族や友達に自分の作った作品を定期的にプレゼントしていたことをよく覚えています。その頃から、自分の手で作ったもので人を喜ばせることに大きな魅力を感じていました。また、絵を描くことも好きで、その延長で現在の製図の授業への興味に繋がっていると思います。さらに、大のテレビ好きで、特にクイズ番組やDIYが題材の番組は毎週欠かさずに見ていました。これらの番組を通じて多くのことに興味を持つ機会が増え、その経験が、今の私の好奇心旺盛な性格を育ててくれたように感じています。

子供の頃からものづくりが大好きで、作ったものを通して
人を喜ばせることに魅力を感じていたのですね。

高校で理系に進もうと思った理由について教えてもらえますか?

小学生の頃から算数が得意で、他の科目に比べて成績が良かったことから、自然と自分は理系なのだと感じていました。そして実は、中学生の進路選択の際に、当時ハマっていたアイドルが建築学科を卒業していたことがきっかけで、私も同じ大学の建築学科に進みたいと思い、理系に進むことを決心しました(笑)。不純な動機ではありましたが、その後も自分で計算して導いた答えが正しかった時の達成感から、数学と物理がどんどん好きになり、高校でも迷うことなく理系コースを選びました。理系科目が得意になったのは、父と兄の影響が大きかったと思います。二人とも機械工学を専攻しており、数学や物理でわからないことがあれば、私が理解できるまで丁寧に教えてくれました。おかげで成績も伸びたため、自分の時間を削って何時間もサポートしてくれた家族にはとても感謝しています。

推しが理系を選ぶきっかけとなったのですね。

では、大学で理工学部精密機械工学科を選んだ理由についても教えてください。

私は附属の高校に通っていたため、成績順で希望する学部・学科を上から選べる方式で大学の進路を決めました。数学と物理が得意で、国語と社会が苦手だったため、高校3年のコース選択では理系コースを選びました。このコースは理系科目が得意な生徒が集まることもあり、周囲の多くが理工学部を目指しており、私も自然と理工学部への進学をイメージするようになりました。父も兄も理系だったため、家族も私の理工学部進学を応援してくれました。
精密機械工学科を選んだ理由は、興味のあった製図や設計に関する学習ができると感じたからです。憧れていた建築学科がある大学は自宅から遠かったため、違う大学の附属高校に進学しましたが、図面を書いてものづくりをすることへの興味は変わらず持ち続けていました。そのため、似たような経験ができる学科として精密機械工学科を選びました。さらに、AIやロボットにも少し興味があったため、それらについても学べることを知り、私の興味と一致する最適な進路だと感じました。

家族の応援に加え、関心のあった「図面を書いてものづくりをする」という部分を大切にした結果、今の学科を選ばれたことがよくわかりました。

今の大学での授業・実習・プログラムのなかで、これは面白い!自慢できる!というものについて教えてください。

私の学科には「精密機械工学プロジェクト」というプログラムがあり、これをぜひおすすめしたいです。このプログラムは、

毎年担当する教授がローテーションで変わり、その教授の研究に基づいたものづくりを、6人のグループで4か月間行い、最後にコンテストが行われるものです。私たちの代では、材料力学を専門とする教授が担当し、「金属を使わず、木材とプログラミングのみで体重計を制作する」というテーマに取り組みました。

アナログ計測として目視での計測方法と、デジタル計測としてプログラミングを駆使してひずみ具合を測定する方法の2パターンの仕様を取り込んだ体重計を制作するという条件で、より精度の高い形状を班で考案し、一から図面を描いて制作しました。材料調達のために、ホームセンターや秋葉原に授業中に足を運ぶこともあり、グループ内の交流も深まりました。木材の加工や電子基板の組み立ても学生のみで行い、研究室を訪れて工具を使わせてもらうことで、研究室内の雰囲気や先輩方の様子を感じることができたのも貴重な経験でした。最終的に、私たちの班はコンテストで決勝まで進み、5位入賞を果たしました。この経験を通じて、ものづくりの楽しさや成果が出た時の喜びを班員と分かち合うことができ、とても充実感を得ました。普段学んでいる知識を活かしながら、ゼロから自分たちの手で作品を作り上げる貴重な体験ができる、このプログラムは非常に有意義だと感じています。

大学で学んだことを実際に自分たちの力で
アウトプットしていく体験はとても貴重だと思います。

日々の生活の中でご自身が「理系が出ているな」と感じることなどはありますか?

会話の中に割合や数字を使うことが多いことだと感じます。例えば、「最近外食の7割がラーメン」「このテスト20%しか自信ない!」など。これが理系だからなのかはわかりませんが...(笑)あとは友達とドライブに行った時に、車のナンバープレートの4つの数字を四則演算を使って10にする遊びを暇つぶしでやった時は理系を感じました。

自分の気持ちや程度をつい%で示してしまうのは理系らしい部分ですね。

「理系を学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば、教えてもらえますか?

まず、理系分野を学ぶことの魅力は、自分で問題を解決する力を身につけられる点だと感じます。特に数学や物理のような科目では、複雑な問題を論理的に解き明かしていく過程で、達成感を得られることが多いです。ものづくりや実験を通じて、学んだ知識を実践に結びつけられるというのも、理系ならではの楽しさだと感じています。また、将来的にはその知識を活かして、新しい技術や製品を開発できる可能性があるのも、モチベーションを高めてくれます。

「リケジョ」という言葉については、ある意味では女性が理系分野で活躍することへの関心を高める良い側面があると感じますが、一方で「リケジョ」という特別なカテゴリーに分けられることで、これが貴重なものだと強調する面もあると思います。理系に進む女性が特別ではなく、普通のこととして認識される社会が理想的です。性別に関係なく、誰でも自分の興味や能力に基づいて進路を選び、それをサポートする環境が整っていくことが重要だと考えています。

自分自身の経験からも、理系の女性としての道を選んだからこそ出会えた知識や人々、チャレンジがたくさんあり、それらはすべて私の成長に繋がっていると実感しています。

性別に関係なく、誰でも自分の興味や能力に基づいて
進路を選んでいける環境は本当に大切ですね。

これからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします。

「自分の興味や好奇心を大切にして、勇気を持って挑戦してください!」

理系分野は、まだ女性の先輩が少なく入りづらい分野であったり、時に難しそうに見えたりするかもしれませんが、分からないことを探求して答えを見つける楽しさは、本当にかけがえのないものです。学んだ知識や技術が、社会の中で形となって役立つ瞬間は、理系ならではの大きなやりがいに繋がると感じます。

まずは興味を持ったことに素直に向き合い、自分のペースで進んでみてください。今の時代、性別に関係なく誰でも活躍できるフィールドが広がっているので、自分の力を信じて、理系の道で得られる多くの経験を楽しんでほしいです。周囲のサポートや仲間の存在も大切にしながら、一歩ずつ前進してみてください!

最後に

子供の頃から大好きだったものづくりが原点となり、自ら手がけた製品で社会をよりよくしていくために、現在大学で学びを深めていらっしゃるということがとてもよくわかりました。近い将来、なうさんが関わった製品を目にすることが今からとても楽しみです!なうさんの更なる活躍を応援しています!貴重なお話、ありがとうございました。

あとがき

AWESOMEでは、理系で培ってきた強みを活かして、さまざまな業種や職種で活躍する女性の「選択(Choices)」から見えてきたストーリーを紹介していきます。
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