淡雪@詩詠み、字書き

井の中の蛙大海を知らず、されど空の蒼さを知る。

淡雪@詩詠み、字書き

井の中の蛙大海を知らず、されど空の蒼さを知る。

最近の記事

グルテンアレルギーになって変わったこと

半年ほど前のこと。突然、小麦製品が食べられなくなりました。 それまではコンビニの塩焼きそばとあんかけ焼きそばが好きで、よく食べていました。それがある日突然、食べたあとに呼吸が苦しくなったのです。 はじめはまさか小麦(グルテン)が原因だとは思わなかったのですが、何度か呼吸が苦しくなったとき、考えられる原因はグルテンでした。 お吸い物のお麩を食べたときはしぬんじゃないかと思うくらい息が出来ませんでした。 まさか自分が、食物アレルギー。それも小麦が食べられなくなるなんて、夢にも

    • 【詩】透明になる【ポエム】

      世界に溶け出して、 跡形も残らないままに 消えてしまうのではないかと思った。 忙しなく、判を押すような 同じような毎日を繰り返してく。 ふ、と空を見上げたとき、 誰にでも出来る仕事をしている自分が 酷く透明に思えた。 明日、突然この世界からいなくなっても 変わらずに回り続けるであろう世界。 虚しさが込み上げてきて、 どうして生きているのか分からなくなった。 他人と違うことが怖いくせに 違うところを見つけては安堵した。 誰かに必要とされたくて、 で

      • 花散れり

        桜が散った。 はらはらと吹雪いた。 街はみな、薄着になっていく。 暖かな風。 ひらり翻る裾。 心が踊る季節。 冷えた飲み物がほしくなる。 喉を通る冷たさが心地よい。 朝晩はまだ少し空気が冷たくて、 思いきり息を吸い込んだ。

        • 一度壊れたらもとには戻らない【ポエム、詩】

          私の心は、人並みに直ったんだと思ってた。 でも違った。 今にも崩れそうな心を、 テープでベタベタにくっつけて それで、大丈夫なんだって そう思ってた。 風が吹けば崩れてしまうような、 少しの衝撃でバラバラになるような そんな、足を踏み外しそうなところで 生きていくんだ。

        グルテンアレルギーになって変わったこと

          私の秘密基地。【詩、ポエム】

          暖かい紅茶の香りで肺が満たされる。 チョコレート菓子を手に取る。 キャンドルの明かりがゆらゆらと うごめく。 部屋を彩るクリスマスの置物たち。 好きな漫画。 好きな小説。 私を満たしてくれる空間。

          私の秘密基地。【詩、ポエム】

          秋の風が吹く【詩、ポエム】

          秋の風が吹く。 落ち葉が、 かさかさと風に揺れる。 空気が冷たい。 あたたかい食べ物が美味しい。 あたたかい紅茶を冷ます。 蝋燭の明かりが揺れる。 秋の色に包まれる。 秋の風が吹く。

          秋の風が吹く【詩、ポエム】

          冬が近づく【詩·ポエム】

          冷たい、澄んだ空気が頬を撫でる。 蛇口から出る見ずも冷えている。 上着を羽織ることが当たり前になった。 足の指先が冷える。 少し前まではあついと 口からこぼれていた言葉は、 今はさむいに変わっている。 きっと、もう少しすれば、 吐く息は白くなる。 ハロウィンが終われば、クリスマスで。 また、私の好きな季節が来る。

          冬が近づく【詩·ポエム】

          秋へと移り変わる空気【詩/ポエム】

          残暑も落ち着き、少しずつ冷える空気。 肺いっぱいに吸い込んで、吐き出した。 頭が冴えるような、冷えた空気が好きだ。 秋の匂い、秋の足音。 食べ物も美味しくなり、 冬への支度をしていく。 カーディガンを一枚はおる。 それだけで、夏が遠ざかっていく。 部屋の飾りも置き換えて、 あとは過ぎるを待つばかり。

          秋へと移り変わる空気【詩/ポエム】

          神に背いたわたしたち【詩/ポエム】

          君の影をみた。 学生の頃、まるで恋人のように手を繋ぎ、 寄り添っていた私たち。 それが普通の友情だって、 信じて疑わなかったけど、 きっと賢い君は違うのだと知っていた。 唇を重ねたりはしない。 ただ、寄り添って、笑いあって、 指を、絡めた。 制服から投げ出された白い四肢。 擦り寄せて、青い空を見上げた。 若さとは恐ろしかった。 知らないとは罪だった。 あのころの私たちは、 神に背いた何者かだった。

          神に背いたわたしたち【詩/ポエム】

          夏祭り。【詩/ポエム】

          夏の夜。 ざわざわとした人混み。 じっとりとした空気。 夜の匂い。 色とりどりの屋台からは、 お腹を減らす香りが漂う。 子供の声、女子の声。 浴衣姿がそこかしこに目に入る。 皆、浮かれた様子で、 笑いあっている。 それを横目に眺めて、 配られたうちわで口元を隠す。 いや。 私だって浮かれているか。 そう思案して、雑踏の中へとまた消える。

          夏祭り。【詩/ポエム】

          夏は深さを増して【詩/ポエム】

          じりじりと照りつける太陽が、 少しづつ肌を焼く。 蝉の声が聞こえて、 インドアな私には辛いと感じた。 最近始めた仕事は、 新しいことにおわれるばかりの日々で。 楽しいことも、目新しいことも無く、 淡々と日々をこなしていく。 白く曇った空を見上げて、 ぼんやりと眺めた。 じっとりとした空気が肌にまとわりついて、 なんだかやるせない気持ちになった。 大切な人もおらず、 なんの予定もない日々を過ごし、 このままゆっくりと朽ちていくのだろうか。 日差しが私を追い立てて、 夏は深さをま

          夏は深さを増して【詩/ポエム】

          鏡よ鏡。【詩/ポエム】

          鏡よ鏡、鏡さん。 今日も私は鏡に映る自分を眺める。 女の化粧はマナー。 そういう社会の空気を読んで、 私も化粧を身に纏う。 鏡に映る自分はいつだって、 冴えない顔をしている。 こんな私は世界で一番美しいなんて、 冗談でも鏡に問いかけられない。 冴えない顔した私は、 冴えない服を着て、 冴えない仕事に行くのだ。 でも私だって、 世界でいちばん、美しくなりたいのに。

          鏡よ鏡。【詩/ポエム】

          夏の夜の晩酌【詩/ポエム】

          夏の夜。 扇風機の風が涼しい。 少し遠くで聴こえるテレビの声。 虫の声が聞こえる気がする。 少しのつまみと汗をかいた酒の缶。 ほろ酔い感。 今日作ったニラだれをかけたブリのお刺身は、 思ったより美味しかった。 ちょっとだけ贅沢してしまったな、と 貧乏性な頭で考えてみたりして。 夏は暑くて、汗をかくし嫌いだけど、 こんな時間は悪くないなぁ、なんて、 ぼんやりと、考えたりする。

          夏の夜の晩酌【詩/ポエム】

          命短し、【詩/ポエム】

          今日も、可愛いお洋服に身を包んで、 赤シャドウで目を彩る。 アイラインは、はね上げで、 リップは毒々しいくらいの赤。 マスクは黒がマストで、 髪は緩く巻いておく。 街のショーウィンドウに移る自分を見て、 私の賞味期限はいつなんだろうと、 ふと考えてしまった。 命短し恋せよ乙女、 紅き唇あせぬ間に。 私の赤いリップは、 今日も誰かの唇に移る。

          命短し、【詩/ポエム】

          お昼を買いに。【詩/ポエム】

          比較的涼しい初夏の日。 網戸からふわりと心地よい風が舞い込む。 私は覚醒しきらない意識で ぼんやりと時計を眺めた。 時計はもう昼を指しており、 今日は何を食べようかと回らない頭で考える。 目をこすって、伸びをする。 半袖の寝間着からでた四肢を重たげに動かし、 適当に洋服を選んだ。 サラリと羽織れるワンピースを1枚。 歯を磨き、軽く化粧を施して。 いつも使っている鞄を手に取る。 サンダルをひっかけて、 扉がバタンと音を立てた。 日差しの元は少しだけ暑くて、 じわりと汗が吹き出し

          お昼を買いに。【詩/ポエム】

          恋愛不適合【詩/ポエム】

          恋愛をすること。 それに挑んでみたことがあった。 結果は惨敗。 私はその人を愛せなかった。 友人として、好きだった。 それ以上は、いらないと思ってた。 でも、それは私だけだったようで。 曖昧な空気が嫌で、 こちらから聞いた癖に、 私はあの人から、 連絡を取ることから逃げた。 私はおかしいのかとも思った。 それから色々調べて、 私は無性愛者では、と思い至った。 それが、ストンと心に落ちた。 息が、できた気がした。

          恋愛不適合【詩/ポエム】