ふわりと白いものが降ってきた
差し伸べた手に乗ったのは
今年初めての雪だった
すぐに消えてしまったけど
柔らかい雪だった

触れたら消えてしまう雪
あの春の日に出会った
君のよう
少し胸が締めつけられる

あの日君に触れてしまったから
君は消えてしまったのだろうか
降り注ぐ白い花を見ながら
ぼんやりと考える

雪がとけたら春になる
君がいないなら
春になったって意味がない

濡れた足元を見て
白い息を吐き出す

「春、か…」

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