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月下シリーズ

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⚠創作神様が出てきます。 月の神や使いの恋愛物語。 「月下で恋を歌う」「月下で恋を奏でる」の順に読んでいただけると嬉しいです。
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#学園

月下で恋を歌う 陸(終)

月下で恋を歌う 陸(終)

前回

誰も来ないところ…と考えてもやはり、屋上しか思いつかない。放課後に屋上なんてベタすぎるだろ。他に妙案はなかったから、結局屋上に呼び出すことにした。

直接言うのも気まずいっていうか、恥ずかしいから靴箱に手紙を忍ばせておく。いつも通りの授業がやけに長く感じたのは、気持ちが落ち着かないからか。恋愛なんてしないと思っていた俺が、まさかこうなるとはな。

授業も終わり、屋上のベンチで文庫本を読みつ

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月下で恋を歌う 肆

月下で恋を歌う 肆

前回

早くもリハーサルの日。ステージ発表は俺らだけではないため、他の部活生にも聴かれることになる。
いい練習になるだろう。演劇部、コーラス部に続いて軽音部だ。

例のごとくマイクの確認をして、光希に合図を送る。体育館は部室と音響が全然違う。何度も体感してきたことだが、改めてそれを感じる。心地よいギターの音に歌を合わせ、体育館に響き渡らせる。少しは緊張するものかと思ってたが、案外そうでもない。それ

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月下で恋を歌う 参

月下で恋を歌う 参

前回

やるとは言ったものの、文化祭まであと9日しかないんだよな。セトリやなんやらは任せるとして、あと何回合わせて練習ができるのかってのが重要か…。

「そうだ、この曲は聴いたことないんだけど、誰が演奏するんだ?」

手を挙げて答えたのは睦月だった。聴いてみないと歌えないしな。

「確か、動画サイトにあるんだっけ?」

横から声を出したのは光希。携帯でも聴けるやつか、つくづく便利な世の中だよな。制

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月下で恋を歌う 弍

月下で恋を歌う 弍

前回

翌日。
教室に入ると俺の席に誰かがいることに気がついた。カバンをロッカーに入れ、席につこうとすると待ってましたとでも言うように話しかけられた。

「星! 頼みがあるんだけど…」

彼は、如月 光希。俺と同じ月の使いの1人。
俺以外にもこの学校にいるとは聞いていたんだが、真逆隣のクラスだとは。しかも、俺のいわゆる幼馴染…いや、腐れ縁か?

「断る」

「まだ何も言ってないじゃん!」

此奴の

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月下で恋を歌う 壱

月下で恋を歌う 壱

コンコンと黒板を叩くチョークの音が、教師の声と混ざる。目だけで周りを見渡せば、真剣な眼差しで授業を受ける人、ガクンと船を漕ぐ人、机に突っ伏して寝息を立てる人。半分の人は寝ている気もするが、様々な人がいる。

そんな中俺は、外を眺めながらぼうっと考えていた。何故俺が生徒に扮しているのかを。遡ること1週間前、いつものように書類の整理をしていると上から呼び出された。

**

俺は元々人ではない。月に住

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