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淡雪
2019年7月17日 20:39
前回紅と出会ってから、俺は毎日のように神社を通った。彼女と話したり、最近は神社の掃除をしている。気がつくと季節は梅雨に移っていた。「うえぇ…また雨か…」木を傘代わりにしつつ、呟く。唸る俺を見て彼女は言った。『雨、嫌いなの?』雨…嫌いじゃないけど、好きとも言えないな。蒸し暑いし、濡れるし。今も靴下が雨を吸っていて、気持ちがいいものじゃない。『私は好きだけどな、雨。雨音とか心地
2019年7月16日 22:23
桜が舞う季節。やわらかい風が時折吹いては、春の訪れを伝える。冬の凍える寒さはどこへ行ったのやら。 先週から新学期が始まった。四月は出会いの季節って言う通り、新しい友人にも恵まれた。俺…如月光希にとって人と関わるのは最も重要なことだからな。 元々俺は月に住んでいた。月の神、月夜様の使いとして。"使い"なんて言ってるが、まぁ部下みたいなものだ。昔から人は、月に神が宿っていると伝えてきた。