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スナック社会科presentsゆさカルツアーin金沢、開催のお知らせ

 3月17日(日)石川県金沢市の石引パブリックで開催します!
チケットなど詳細は上記↑peatixへ。
 上記イベントページにも書きましたが、昨年の計画当初はまさか元旦に震災が来るとはつゆ知らず。開催できることも、皆さんにお会いできることも、生きてることも全部奇跡。

 企画内容としては、昨年末刊行されました「ゆさぶるカルチュラル・スタディーズ(以下ゆさカル)」刊行記念として、編著者の稲垣健志さん、著者のおひとりである山本浩貴さん、そして読み解きのゲストにライターのJaewon Kim(ヂェウォン・キム)さんに司会サトマキで、ゆさカルとお二人が書かれた章を軸にあれやこれや話して行きたいと思います。

編著者:稲垣健志さん

ゆさカル、稲垣健志さん執筆章
第8章 「黒い暴動」:移民たちはなぜ踊り始めたのか
第12章 文化の「遺産化・財化」に抗う文化実践:「内灘闘争――風と砂の記憶――」展をめぐって
第13章 「カルスタ」を逆なでに読む:カルチュラル・スタディーズをゆさぶるために

著者のおひとり:山本浩貴さん

ゆさカル、山本浩貴さん執筆章
第11章 人と歴史をつなげる現代アート:現代在日コリアン美術を例に

 ゆさカル自体が「カルチュラル・スタディーズの入門書」ということもあり、著者(研究者)ごとに様々な文化を切り口に、それをどう研究として深堀りして行くか、カルチュラル・スタディーズとして掘り返して行くか、という論考に溢れているので、どこから読んでも面白い1冊ではあるのですが、今回ご出演いただく稲垣健志さんと山本浩貴さんの章は普段の研究テーマも、呼応することや交差することがあるな、と思ったのと(その辺は以前読書日記に書いたので良かったらお読み下さい)、

 ここにJaewonさんが入ったら、またどのように交差するかな、という期待。かつ、皆さん金沢にいらっしゃるということで私が身一つで行けばいいんじゃない?という勢いで無事ここまで来ることが出来ました。Jaewonさんは前からちょいちょいスナック社会科に絡んでいただいているのですが、そもそも彼がいなかったら金沢、ひいては石川県という土地にここまで興味が湧くことも無かったので、連れてきてもらったという気持ちです。
 初めて知る方は売り切れてしまったZINEのうち一篇(100円)や、PDF版(350円)などが購入できますのでこちらも是非。

 そして、ゆさカルを読む前に読んだ稲垣健志さんの論文に打たれて、友人に論文PDFを送りつけたり、飲みの席で熱く語ったり、と迷惑極まりないテンションになったのですが、この論文で知ったA.Sivanandan(アンバラヴァネル・シヴァナンダン)とイギリスの人種関係協会については、別途とある計画を仕込んでいるので、そちらもお楽しみに。論文のリンクと感想はこちらの日記に記載しています↓。

 みなさん金沢にいる。お二人は同じ大学で働いている。とは言っても、研究対象や興味の範囲、スタンスやポジショナリティは交差するところもあるだろうけど、三者三様なわけで。ただ御三方の書いたものを読んだり、お話を聞いたりしていて、過去(歴史)をしっかり掘り下げて、ただ掘り下げて開陳するだけでなく、その掘り下げた深い穴から現在までも照射するような強い力を感じるところが共通しているので、面で見ると色々ありすぎて絶望の種に事欠かないこの毎日でも、線や点や穴から見ることで、また新しい視点や光を得たり、落ちた肩にちょっと力を入れられるのではないか、と思っています。
 毎回思っていますが、今回もよくぞ皆さんオファーにOKしてくれたなーとという気持ちと、アカデミアの人だよどうしよう??という気持ちでビビりまくりですが、そこはきっとスナック社会科なので私の緊張とは裏腹にゆるいものになるのだろうなあと思います。なので、皆様も気張らずご参加いただけましたら。

 また、このゆさカルは同じ北樹出版のふれしゃか(ふれる社会学)のきょうだい本でもあり、ふれしゃか刊行時はふれしゃかフェスと銘打った主に書店でのイベントが続きましたが、このゆさカルではゆさカルツアーと銘打って、今後いろいろな土地に出向いていくとのこと。今回は金沢でこのメンバーですが、また違う著者、違う土地、違う会場で、全く違ったものになって行くのだと思います。そちらも楽しみです。
 ゆさカルについてはまた当日までぽつぽつnoteに書いていきたいと思います。

 そして、皆さまもご存知のとおり、本書(ゆさカル)はケイン樹里安さんが最後の論考を寄せた書籍となっております。同時期に執筆されていた「プラットフォーム資本主義を解読する」の方は最後の編著書となります。ふれしゃかープラ解ーゆさカル、という読み方もケイン樹里安さんが訴えたかったこと、研究したかったことがひと繋がりに刺さってくるので(個人的には雑誌になるけどここに「対抗言論2号」のケインさんの論考も挟みたい)、この差別と排除の嵐が吹き荒れる「社会」をサヴァイブしていくためにもケインさんを軸にその遺した言葉を辿って読んでみるのも良いかと思います。

 すっかり長くなってしまいましたが、この辺で。
では来月、会場と配信でお会いしましょう!
 


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