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スナック社会科vol.8「『なぜガザなのか』なのかを早尾貴紀さんに聞く」を開催します

 改めまして告知noteです。短い間ですが、また開催までにぽつぽつ書いていこうと思います。その前段として、打合せに行った際のnoteはこちら。

 チケットを既にお買い上げの方には、事前資料として共有ドライブのリンクがライトハウスから送られていると思いますが、早尾貴紀さんのパレスチナ、及びイスラエルとの関わりは長く、『なぜガザなのか』の前巻となる『ホロコーストからガザへ』の元となった当時、東京大学「共生のための国際哲学研究センター」(UTCP)研究員であった早尾さんが発起人となり、サラ・ロイさんを招聘した来日講演は実に15年前になるのでした。

 当時、全く知りもかすりもしない私は15年の時を経て、今年に入りこの二冊を読んだわけですが、この時に既に相当な危機感がサラ・ロイさんと共同翻訳チームには(ゲスト登壇者として招かれた徐京植さん含む)共有されていたことに驚きます。
 そして、パレスチナのことは1993年のオスロ合意から翌年のアラファト議長のノーベル平和賞受賞あたりでアップデートされないままの人も多いのではないかと思います。私もそうでした。
 今回、早尾さんをお招きすることになったのも前回の山本浩貴さんをお招きした回からのご縁というのもあるのですが、

 また、その山本さんをお呼びするきっかけとなった山本さんのTokyo Art Beatでの緊急寄稿にあったこの一文(以下引用)に背中を押されて、前回終了の数日後にあった早尾さんの講演会に伺った際、お礼と初めましての挨拶とともに「スナック社会科にお誘いすることは可能でしょうか?」と口をついて出ていたのでした。

 大きな不安のなか、この連載はスタートした。最終回を迎えて振り返ると、その不安は自身の専門とは離れた(と当初は考えていた)領域について論じることに起因していた。本連載が全体的に意義あるものだったかは、読者の批判的検証に委ねたい。だが少なくとも、ぼくにとっては大事な機会となった。「2023年10月7日から——あるいは、もっと以前より、そして、この瞬間も——ガザで起きていること」は、専門家しか——あるいは、専門家ですら容易に——理解することのできない極度に複雑な事象ではないとわかったから。しばしば誤解されるように、現行のガザ問題は紀元前に至る時を遡行する長大な歴史的射程を有するものではない。そのことは、本連載の2回目に説明した通りだ。当然ながら複雑な問題であり、慎重に検討すべき事象ではある。しかし、専門家でなければまったく手出しや口出しができないような性質のものではない。自分なりに学ぶことを通して、そのことがわかったのは重大な収穫だった。知ることの重要性。ここまでも紹介してきたように、この問題について多角的に知るための良質な本は日本語でも数多く入手可能だ。

ガザ、文化に対する挑戦としての。2024年3月11日に国立西洋美術館で起きたこと、2023年10月7日から——あるいは、もっと以前より、そして、この瞬間も——ガザで起きていること #4(文:山本浩貴)より

 「しかし、専門家でなければまったく手出しや口出しができないような性質のものではない。」
 これは、スナック社会科も回を重ねてつくづく思うのですが、「専門家でなければまったく手出しや口出しができない」と思って外においてきた(見ないようにしていた)ものごとは多いと思うし、まさにパレスチナやイスラエルのことは「中東は複雑だから」「あれは宗教戦争だから」等などの言葉で外に置き続けてきた結果の今なのだと思いました。
 そして今回取り上げる『なぜガザなのか』(及び『ホロコーストからガザへ』)を読めば、私を含む多くの人々の間で終わったと思っていた「パレスチナ問題」※が、その間どのような状況になって、イスラエルはどのように粛々と今に至る計画を遂行してきたかが分かるものとなっています。そして、日本がどのように関わっている(いた)のかも。
 もっと知らなければいけないし、恐れず話していかなくてはいけない、その場所は小さくてもきっと多ければ多いほど良い。そして当日も、話しながら私が間違えたり、無知にぶつかることもあると思うけれど、早尾さんはそれを指摘や注意をしてくれる人であるだろうし、そういう事が出来る場もまた必要ではないのかと思っています。
 『なぜガザなのか』の書籍を中心にお話していく流れとなると思いますが、今さら聞けない…どこからどう知れば…と思っている方も気後れせず参加していただけたら嬉しいなと思います(書籍つきチケットもございます)。
 どうぞ宜しくお願い致します。

※「パレスチナ問題」
大体が「〜問題」と言われる言葉はその対象に問題があるわけではないことが多く、本当は何が問題であるかを覆い隠す言葉になり、注意が必要だと思っています。

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