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テニスを惰性で続けなかったら今の人生はなかった—光の大学生編—
大学入学。新しい世界に新しい友達。そして研究の基礎を身につけ将来の道を決めていく場所。テニスを惰性で続けてしまった中高生時代。引退後本気で受験勉強に取り組み、なんとか納得のいく大学に入ることができた。今回はテニスの話の後編です。
大学でもテニスを続けるか
大学に入った。入学式に出ると左右にいるわいるわサークル勧誘の人々。歩くだけで手の中はチラシの山。当然その中にはテニスもある。せっかくテニスはある程度できるし行ってみるか。ちょうど仲良くなった友人でテニスに興味がある人もいたので、一緒に体験に行ってみることにした。
最初に来たのは硬式庭球部。なぜかあれだけ嫌ってきた体育会に来てしまった。やってみると意外と楽しい。「テニス自体は好きなんだな」と今更ながら気づいた。でも活動後の飲み会でスケジュールを聞くと、「夏休みで活動がないのは3日」と返答が。やめとこう。毎日の部活でもあんなモチベーションだったので、大学ではさすがにそこまでしたくない。
サークルに入部する
今度はサークルに行ってみた。テニスサークルというと「チャラい」イメージがある。でも、この大学にはサークルが二つあり、一つはチャラくなかった。その代わりめちゃくちゃゆるいっぽい。普段の練習は参加しない人も多く、みんなが集まるのは合宿と文化祭ぐらいだとか。これなら良さそうだ。こっちに入ることにした。
サークルはゆるいだけはあり、僕は中の上ぐらいの実力だった。ちょうどいい。こうして気が向いたときだけ参加する気ままなテニス生活が始まった。無理して行く必要はない。すばらしい。
研究室に配属される
大学3年生。研究室配属が始まった。一番興味のある研究室は先生とうまくいく気がしなかったので、何となく気になる先生に面談予約を入れる。面談してみると先生も学生時代にテニスをしていたらしい。学生時代に僕の出身校と試合したことがあるらしく盛り上がった。この研究室にしよう。
研究室ではテーマを自分で決めることができた。いきなりテーマを自分で考えるのは難しい。どうしても自分でできるか考えて、簡単すぎるものを提案してしまう。
そのとき先輩がゴルフを使ったテーマを提案した。先生もゴルフ経験者なのでゴーサインが出たらしい。ひらめいた。これのテニス版をしたらいいのでは。こうして大学の研究テーマがまさかのテニスに決まった。
テニスの研究を始める
研究を進めるにあたり、テニスの上達方法を調べることになった。『テニス教本』を読む。すると体の使いかたや回転のかけかたなど、深い世界が広がっていた。今まで教わったまま何となくこなしていたフォームの理由がここにあった。テニスってこんなに奥深いものだったのか。ようやくテニスの魅力がわかってきた。
研究といえば学会。「テニスの恰好で発表すれば目立つよ」笑顔で先生が恐ろしいことを言ってきた。しかも何回も。真面目な性格なので真に受けた僕はテニスの恰好を検討し……やっぱ恥ずかしい。どうすればいいか。
ひらめいた。「テニスラケットを指示棒として使う」これだ。これなら発表のとき以外は目立たない。このアピールのおかげか賞をいただくこともできた。テニスラケットを持って笑顔で撮った学会の記念写真を今も持っている。いい思い出ができた。
就活が始まる
大学生が避けては通れない就活。その前の夏にインターンがある。インターンも直感で選ぶ。インターン先ではテニスの研究で使った技術が役に立ち、自分で納得のいく結果を出すことができた。
このご縁のおかげで、そのまま就職まで進むことができた。
そして今
社会人になってテニスをやめるかと思いきや、何となくまだ続いている。会社のメンバーで1ヶ月に数回、そして高校時代の友人(部活のイケイケのメンバーではない)と一緒に月1回。たまにやると面白い。なによりテニスの理論を自分で考えるのが面白い。
最近『理系のテニス』という本を買った。これを読んで試行錯誤するのが楽しい。さらにテニスラケットを新しくした。おかげでここ数年でちょっとずつ上達できている感覚がある。惰性で続けてきたテニスだが、ようやく自分なりの楽しさがわかってきた。
最近コロナでテニスができていないのは残念だが、テニスは生涯スポーツ。またできるようにはなるでしょう。焦らずにマイペースで続けていこうと思う。