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文学フリマで買った本の感想全部書く(東京38の巻)

5月19日、東京ビックサイトに向かう。スマホの画面にあるのは「文学フリマ」のページだ。国際展示場の駅を降り、屋根のある道を歩き入口で気づいた。

会場、間違えた。

Uターンして駅に戻って今度こそ会場へ。

そんなかんやで、今回は文学フリマに「買う側」として参加してきた。今回も、買った本の感想を全部書こうと思います。


エネオスは元々どのブランドだったのか(電車待ちに読むブログ)

自由ポータルZに書いているとき、自分とこんなにセンスが近い人がいるのか! とびっくりしたことがあった。その方が文学フリマに出店していたので話してみたい! とブースへ突撃した。話に盛り上がって文学フリマ行って良かった! ってなりました。

あのバズり倒したエネオスの話はもちろん、今はなきコンビニであったりかつて活躍したアシモであったりとツボをついた題材が並んでいる。と見せかけてモモを食べるだけで3000字も綴ったりと、幅広く書けてていいなと感心しながら読み進めた。

同じ調べもの好きとして、今後はどんなネタを見せてくれるのか楽しみだ。


ぶどうの沼に落ちる(少年B)

以前よりぶどうの同人誌を出しており、とんでもない情熱でぶどうを追っている少年Bさんのエッセイ集。今までの紹介本と違いぶどうについて自由に書いているぶん、ぶどうへの熱がダイレクトに伝わってくる。

ここまで好きだったのかと改めて圧倒される一冊だった。また、買うときに直接お聞きした内容もこの中身に負けず濃いものだったので、きっと書いてないエピソードがまだまだあるのだろう。

これだけ好きなものをいつか見つけたいものだ。


民俗学は好きですか?(ノンバズル企画)

以前も購入させていただいたシリーズ。今回は第10号と11号をゲットした。このシリーズのいいところは、読者が読んでくれるように徹底して考えて書かれているところにある。民俗学という硬くなりがちな題材を面白く伝えてやるぞという意気込みが本からあふれてきてするすると読み進んでいける。

僕も古いことを調べるのが好きなので、民俗学について断片的な知識がある。しかし、このシリーズを読むとその欠片が俯瞰的な視点で書かれていて、「そういうことだったのか!」と感心することもしばしばだ。

「天神囃子」の話が特にお気に入りです。


自ボ自キ(自分のボタン)

オモコロ杯金賞の自分のボタンさんが書いた日記本。狂気の混じった記事を書くイメージと、ブースで見た爽やかなイメージに反して、日記はやや暗さが入ったお話だった。

ただ、正直面白くてたまらないような本よりも人の後ろ向きな部分のほうが読んでいて頭に残る。さらに、こういうのって普通は読まれたくないものだ。それをきちんと形にして頒布している姿に拍手を送りたい。

どうか今年の後半は楽しくすごせていますように。

読み終わったあとにタイトルを見てうおー! ってなった。


月報街を歩く 2024年5月号(ゆまにすと刊)

石灯篭にひかれて購入。実は前回も買ったのだが、今回はさらにアカデミックな色合いが強くなっていて前半は論文集のようになっていた。

そうなると門外漢には知識不足でついていけず、しゅんとなったところがあった。ただ、読者層ではないのだからそれは仕方ない。

僕は理系に進みながらも歴史が好きだったりと中途半端な人間な自覚があり、こういう「本物」の人に触れると「やはり自分はどちらにも居場所がないのでは……」と沈んでしまうことがある。久々にその感情を思い出した。

花押とどぜうの章、面白かったです。


れっつぷれいぼーどげーむうぃずみー!(サファリ)

気づいたらボドゲの世界でヒットを飛ばしていた、オモコロ杯受賞者のサファリさん。ボドゲ入門の本があったので買ってきた。僕は協力系やパーティー系のボドゲがどちらかというと好きなので、なかなか参考になった。今度遊ぶ機会があったら探してみよう。

本を開いて感心したのは、デザインが素人離れしているところだ。写真や色合いやコマ割りが素人のレベルを超えている。僕はこういうセンスがいまいちなのでまぶしい。


はこんでころぶ(岡田悠)

作家として活動もされていて、オモコロとデイリーポータルZの両方で書くというつわものな岡田さんのエッセイ。当たり前だが、文章がとにかく面白い。

景色が浮かんでくる。感情が揺れる。これがプロってやつか。

妄想で入る物語もしっかり伏線が張られているし面白いし、読みながらひたすら感心することとなった。

さすがです。


お札ハンドブック/まちをたのしむ/(井口エリ)

お札について調べたことがなかったので、知らないことだらけでためになった。意外だったのが、お札は神社よりお寺寄りだというところ。安倍晴明は神社に祀られているので、てっきり逆かと。寺社に行く楽しみがまた一つ増えた。

もう一つの街歩き本は、割と普段考えているところと同じことが書いてあってわかるわかるぞ! と思いながら読み進めた。「神社は何かしら発見がある」は本当にその通りだと思う。


終わりに

以前買ったときも思ったのだが、こういうのを読むと面白いと同時に力をもらっている自分に気づく。

自分でも何か書こうかというモチベーションを上げてくれる。

ということで、次の文学フリマ東京は出品者側として参加しようと思っている。どんなものを出すかはまだ未定だが、自分にとって面白い、自分にしか作れない、そしてほかの人にとっても面白いものを作る予定だ。

よしやるぞ。

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