中学時代に見つけた「最強のシャープペン」
中学生になったとき、うれしかったことの一つが「シャープペンが使える!」ことだった。
最初に買ってもらったシャーペンはパイロットの「2020(フレフレ)」。いわゆる「フリシャー」機能がついた安いモデルだ。とても使いやすいがどこか物足りない気がする。もっと機能が面白くて高級感のあるものが欲しい!
シャープペンを探しにユザワヤへ
答えを見つけにユザワヤに来た。僕の中では面白いものがそろっている店といえばユザワヤ。品薄のベイブレードを目指して戦ったのもユザワヤだし、中学受験用にHi-uniの鉛筆を買ってもらったのもユザワヤだ。屋上でラジコンカーを眺めるのも好きだった。つまり、ユザワヤに行けば何かがある。
文房具コーナーに着くと圧倒的に目立つのはパイロットの「ドクターグリップ」。人間工学に基づいて生まれた、当時は画期的な太さで売れに売れているシャープペンだ。ドクターグリップの座を虎視眈々と狙っているのがユニの「アルファゲル」。卵を落としても割れないゲルを用いることで疲れづらいシャーペンを実現した。
出会い
でもどこか物足りない。そう、機能性と珍しさだ。どちらも魅力的だが、メカニックな部分は割と普通だ。みんな使っているし珍しさもない。何かいいのがないだろうか。探していると頭に電撃が走った。そこにはめちゃんこスタイリッシュなシャープペンが鎮座していた。プラチナの「ゼロシン」だ。
(写真はプラチナ公式HPより)
落ち着いたダークブルーとプラチナ色の見事なコントラスト。グリップの控えめなふくらみとくぼみがまたセクシー。
一目ぼれだった。手に取ってみる。ちょうど手にフィットする。ペン上部にシールが貼ってある。そこには「残り芯わずか1mm」の文字。残り芯1mm!? 驚いた。「最後まで使えるシャープペン」のインパクトたるや。人間工学、グリップに工夫、そうじゃない。僕が求めていたのはこれだ。
驚くのはこれだけじゃなかった。消しゴム部分を見てほしい。よく見ると消しゴムが見えていない。どういうことなんだろう。試してみるとわかった。これは「繰り出し式」だ。回すことで消しゴムが出てくる。まさか芯以外にも機能があるとは。これは買うしかない。
と思ったが固まった。こういうのはたいてい高い。中学生は金がない。1000円とかになったらもう買えない。恐る恐る値札を見てみる。
「税抜き500円」
金属が使われ高級感のあるデザイン。最後まで使える機構。繰り出し式の消しゴム。これだけいい特徴をつめこみながら価格は500円。正直値段のつけ間違えかと思った。とんでもないものを見つけてしまった。
ゼロシンはいいぞ
ゼロシン、素晴らしい商品を手に入れた。使ってみても大した不満はなく、中高で一番お世話になったシャープペンは間違いなくゼロシンだ。
ただ一つだけ弱点がある。それは「グリップが劣化する」ことだ。ただこれはシャープペン全般の弱点だと思う。劣化するたびに買い替え、結局3本以上は買ったと思う。大学に入り筆箱を落として以来使わなくなってしまったが、母親にプレゼントしたゼロシンは我が家でいまだに現役だ。
ゼロシンが最も優れたシャープペンだという思いは今でも変わっていない。今でも売ってるらしいので、ぜひ文房具屋で見つけたら手に取ってほしい。ゼロシンはいいぞ。
(昔の筆箱をいじったらゼロシン用にとっておいた短い芯が出てきた。)
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