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楽天証券でつなぎ売りをしたくなったら眺めるnote

  • 注意

    • 記事は、学びの中で追記していく予定です、たまに認識違いの所があるかもしれません。誤字脱字含め、見つけ次第訂正していきます。

    • 以降の記事で掲載された内容を利用することによって生じた不利益については、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。情報提供を目的としており、お読みいただいた皆さんが自己責任で情報を活用していただくことをお願いしています。

なぜ楽天証券でのつなぎ売りの解説をしようと思ったか?

どのサイト、どの証券会社も懇切丁寧に美しい図やグラフでつなぎ売り(優待クロス取引)の仕組みについて解説してくれるんですが、実際にやる側としての感覚、「いくらかかって、なんぼ儲かんのよ」が分かりにくいと感じたので、自分の学びの過程を文字起こしするついでに解説書にできたらなと思って作成し初めました。楽天証券の一般信用短期に絞って、

  • 何のコストがどれだけかかるか?

  • かかるコストを踏まえて何がどうなると儲かったことになるのか?

  • どの銘柄が素敵なのか?

について考えていくnoteの内容です。あとは自分が疑問に思った部分を一つずつ調べて行って得た解答や新しいアイディアのまとめ集的な位置づけでもあります。

つなぎ売りって何?

あえてここで解説する必要もないと思うので、楽天証券の解説サイトのリンクを張っておきます。

買建と同時に売りの建玉も別に建てて、株価の上下の動きをキャンセル(無視)させて、買いの建玉保有でもらえる優待の権利を得てしまおうというやり方です。

楽天証券でのつなぎ売りの仕方

これもあまり触れなくてもいいかなと思います。実際のアプリでの取引画面のスクショを用いて非常にわかりやすく解説されている方がいるので、そちらを参考にしてください。

本noteでは、楽天証券が貸株を提供する、「一般信用短期」でかつ手数料「ゼロコース」での取引が前提です。

個人的には「制度信用」取引しか選べない場面に遭遇したらアプリのそっ閉じ推奨です。何日保持するかにもよりますけど、いくらかかるかわからない逆日歩(ぎゃくひぶ)は個人的には気持ち悪い・・・。
ちょっと逆日歩もちゃんと予想できたり調べられたりできそうなんで場合によっては制度信用もありかも!って思い始めました (2024/03/15更新時)。

やっぱりどう考えても一般信用しか選択肢はありませんね、という結論になりました (2024/10/29更新時)。制度信用だとかかる税金が少し少ないので、もし逆日歩が少なければ確定申告時に税金分の差益を得られる、ということは理解したのですが(参考リンクはこちら)、まあ個人的にはそこまで考慮してやるくらいなら普通に株の譲渡益狙いで別のことを考えるかなと思いました(2024年12月31日現在)。

逆日歩は平たく言うと、証券会社が貸す株の玉数がたりなくなったので、他の所からより高いコストで借りてくる、みたいなイメージです。

上記踏まえ楽天証券のアプリで売買するときに取るべきパラメータをまとめたのが以下の表になります。

つなぎ売りにかかるコスト

いろんなコストのパターンがありますが、①楽天証券で、②ゼロコースを選択しているなら、つなぎ売りにかかるコストは以下となります。

一般信用取引短期の株価 vs 経過日数毎の「貸株料」

売建は証券会社から株を借りて取引するので、借りている間はその日数に応じて貸株料が発生します(こちらに賃率が書いてあります)。何日前から発注掛けたら損するのか得するのかを見積もる必要があります。下の表がその目安を計算したものになります(信用短期の賃率3.9%前提)。

金曜日に買ってしまうと土日も保持日数にカウントされてしまうことには要注意ですね!

貸株料も特別口座の損益に計算されるみたいです。これもはっきりと書いてなかったので楽天証券のチャットで確認しました。ほんの少し得した気分?あと、諸費用は信用の建玉を決済したタイミングで清算されるとのことでした!

配当落調整金

概ね優待の権利を得るタイミングですと、同時に配当金の権利も得ることになります。「やった!配当ももらえるのか!」となりそうですが、つなぎ売りの場合は買建と同時に同じ価格で売建も行うので、「売建」のほうは逆に配当金分徴収されてしまいます。

これだけ聞くと、同じ額で相殺されそうですが、

買建から得られる配当金には20.315%の税金がかかり、徴収される方は減額がないので、

「配当金×20.315%」の金額がつなぎ売りのコストとして必要

になってきます。この金額は後から証券口座から引き落される、とのことなんですが、このコスト、特定口座の人は、年末の確定申告の報告書の「譲渡損益」の計算の中に含まれて損失として計上されるとのことでした(楽天証券のHPでその文言を探したのですがはっきりしたっ表現が見つからなかったので、チャット質問箱で相談したらそのような回答を頂けました)。

この「年末の確定申告の報告書の「譲渡損益」の計算の中に含まれて損失として計上される」が非常に大きなポイントとなります。なので次の項からは、確定申告する場合と確定申告しない場合に分けて損益分岐点の計算をやってみます。

損益分岐点の計算(確定申告しない人向け)

計算式で表すと、

優待評価額 > 配当落調整金 + 1日当たり貸株料×保持日数 (+取引手数料)

であれば儲け、左辺が大きければ大きいほど得です。ゼロコース前提であれば取引手数料がいらないので、

としたほうがわかりやすいですね。当然左辺が大きければ大きいほど儲けが大きいですね。取得価は取得時株価×株数、3.9%が楽天証券での信用短期の貸株賃率で、信用無期限の場合は1.1%になります。

【2024/12/30追記】損益分岐点の計算(確定申告する人向け)

Blueskyのフォロワーさんに教えていただいて新規に著者が会得したポイントとなります。先に説明した通り、つなぎ売りのコストは株の譲渡損益と通算されます。配当金どうしで相殺されるわけではありません。つまるところ、年間の株の譲渡損益が「+」である、もしくは配当金の利益がある人は確定申告するとつなぎ売りのコスト分が損出しされてその20.315%分の税金が戻るのです。つまるところ、以下の図のようになります。

コストが貸株料だけになってしまいました 笑。これだと、年間の評価損益+の人はつなぎ売りをすればするほど特になる勘定になります。配当から来るコストが無視出来て、貸株料だけしかかからないなら、つなぎ売りできる銘柄はかなり増えます。びっくりするくらい増えます!

確定申告をするけれども確定益が+ではなくてかつ配当金も潤沢に頂いていない場合は、払うべき税金が発生しない状態になります。するとコストのキャンセルができませんので、前項の損益分岐点の計算(確定申告しない人向け)のコスト計算を参照ください。

筆者の以前の投稿ではここの説明がなかったので、今回Blueskyで指摘いただいて学んだので、追記させていただきました。教えていただいてありがとうございました!

じゃあ、どんな銘柄がいいのよ!

上記のかかるコストを考えると、筆者が考えるよさげな優待銘柄は・・・、

「優待」利回りが高い

もう当たり前のことですね、お前はバカにしてんのか?と叱られそうです。ただ利回りが高いというよりは、100株当たりのリターンの絶対値が高い銘柄がお勧めになります。

つなぎ売りのコストはそこまで大きくないのですが、大きく取ろうとすると短期的には拘束資金が大きくなります。なぜなら、①優待を得るために現物分の資金、②その逆の信用分として現物の保有株化の30%分の信用金が必要になるからです(楽天証券の場合、2024年12月30日現在)。具体例として株価1000円100株の優待銘柄があると、13万円が権利落ち日まで拘束されます。1000円1000株の銘柄なら、130万円が拘束資金となります、短期的にでもそれだけ拘束されると痛い場合はあるかもしれません。なので優待利回り vs 拘束資金という考え方にすると効率よくリターンを得られるかもしれません。

「配当」利回りが低い

上記と逆です、配当落調整金がかかってくるしそれは配当金が高ければ高いほど大きいので、実は配当利回りが低い銘柄がおすすめになります。が、これは確定申告をしない人の場合の話になります。一般的な高優待を紹介するサイトだと配当利回りと一緒に利回り計算されているものが多いので、ここってちょっと探しにくいところかも知れません。

この銘柄がおすすめ!(2024/12/30更新)

ずっと工事中だったのですが、実際に著者が楽天証券でつなぎ売りに挑戦してみた銘柄を載せていくことにします。

権利確定月: 2月

  • ウエルシア(3141)

    • 優待内容: 100株以上で3000円相当のWAONかVポイント (2024/10/29現在)。かなり貸株量も豊富で優良銘柄です。拘束資金もそこまで大きくないので、楽天証券でつなぎ売りをやりやすい銘柄だと思います。

権利確定月: 10月

  • 神戸物産 (3038)

    • 貸株量豊富、1000株でJCBギフトカードが10000円まであがるのでこちらの方が優待絶対額が大きくて素敵です。が1000株の資金拘束は、株価4000円のケースで400万円超になるので、現金比率たっぷりの方じゃないと難しいです。

権利確定月: 12月

  • すかいらーく(3197)

    • 言わずと知れたファミレスの雄ですね。半期に1000株あたり17000円の優待券を頂けます。1000株ですと今年自分が抜いた時の時価で240万円程度の資金拘束が必要でした。100株から優待はあるので資金拘束がきつい場合はもっと少なく入れることも可能。最近は長期保有の方にしか優待を提供しない銘柄が多い中、つなぎ売りでの一回ぽっきりの保有でも優待をくれる優良銘柄です(2024/12/25現在)。

    • ちょっと反省点があって、自分がオーダーかけようとしたタイミングだと一般信用無期限の在庫が0になってしまっていたことです。1週間前なら無期限の在庫がまだあったので、コストもそっちの方が安かったです。大手のせいか一般信用無期限の在庫がかなり多いの印象だったので、早めに無期限でエントリーしたほうがつなぎ売りコストは安いです。来年からは貸株の在庫にも要注意ですね。2024年、私の場合は下の表のとおり、10日前に短期信用で抜いて、2579円の貸株料で17000円の優待、差し引き14421円を頂きました。

    • 12月確定銘柄なので、次年度の確定益から配当落調整金が通算されますので忘れず確定益を作るようにしたいです。

  • 物語コーポレーション(3097)

    • 名前を知らない銘柄だったのですが調べて納得、「焼肉きんぐ」を経営する飲食系の銘柄ですね。うちの近くにも店舗があったのでエントリーしました。100株で3500円の食事券を頂けます、しかも半期で3500円なので年に2回チャンスが来ます。

    • 人気がないのか、わりに貸株在庫はぎりぎりのタイミングまでありました。2024年、私の場合は権利落ち日3日前にオーダーして113円のコストで3500円の優待、差し引き3387円を頂きました。

おまけ

以下は実際取引していて感じたよもやま話を列挙したものです。

つなぎ売りの利回り・・・?の計算方法

つなぎ売りは基本的には株を保有しないで、コストを払って株主優待の権利だけ得る方法です。とすると優待利回りを通常計算するときの分母は取得株価、もしくは時価の株価になりますけど、つなぎ売りの場合は×コストに対して得られるリターンとするべきなのかなと思うのでした。すなわち分子が「優待評価額 - つなぎ売りコスト」で分母が「つなぎ売りコスト」の割り算ですね。これを利回りと言っていいのかはよくわかりません 笑。これがマイナスにならなければ意味のあるつなぎ売りだったといえるのでしょう。

人気の株の一般信用の貸株はすぐなくなる・・・

権利付き最終日の前日夜に仕込んだんじゃ遅いんだなぁ・・・と実感。私的には貸株料が1‐2日分かかっても早めに取引しておいた方がいいように思います。まあ優待利回りによりますが。

クロス取引は禁止・・・が原則

場合によっては取引停止のリスクもありだそうで・・・。相場操縦になるほどの注文は建てれられないよなぁ・・・、と思いつつ、法に抵触することがないように取引したいものです。楽天証券はアプリ上の操作で抵触しないように工夫がしてあるのでまあ安心してやっています。

つなぎ売りのちょっと特殊な使い方案(Just an idea)

  • もし15時以降の決算発表がいまいち・・・などの理由で翌日の寄付で思いっきり株価下げそう

  • でも配当利回りはいい感じで前から欲しかった

的な銘柄に対して、「配当が確定しない日」を使ってつなぎ売りして、下げたところで拾うみたいなやり方あるのかななんて思いました。んで、

  • 寄付より下げたら、

    • 信用売建分を利確してしまって懐へ。含み損は出るけど前から欲しかった銘柄はそのまま保持。

    • 気に入らなければそのまま貸株料一日だけ払って現渡。

  • 寄付より上げたら、

    • 信用売建分を損切してしまって忘れる。含み益とともに前から欲しかった銘柄はそのまま保持。

    • 気に入らなければそのまま貸株料一日だけ払って現渡。

要は成り行きでさげたポジションで拾ったものが気に食わなければ、貸株料だけ払ってポジション解消してしまおう的な考え方。正直やっていいことなのかどうかはよくわかりません!だめなら消すだけ。著者はまだやってないです。いい銘柄がまだみつかってない。


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