目を引くキャッチコピー
今日は仕事で少し出た話から。
大学時に在籍していた政策研究サークル(あえての表現)に在籍していた時、
「どうしたら自分の声に耳を傾けてもらえるのか」
ということなどを研究対象になったりしました。
その際は、「議論する=言葉を交わす=相手が目の前にいる」ことを前提として、どう足を止めてもらうのか、議論に巻き込んでいけるのか、という観点で頭を捻っていたことを覚えています。
これは、たまに見かける「政治家が街頭演説をしている風景」を思い出してもらえればイメージがつくと思います。
街ゆく人って当たり前だけど演説なんて聞いていません。興味がない、関係がない、そう思っているので。
それをどうやったら「あれ、なんか聞いてみたいかも」と思わせることが出来なければ、演説はただの独り言。無意味なものになってしまう。
「は?なにふざけたこと言ってんだよ!」という反応だっていい。
この言葉を思いついた人は天才ですね。
まさしくその通りで、驚きや怒り、呆れなんて感情だって「自分の言葉が相手の感情を動かす」ことには成功しているので、まず演説のファーストステップとしては成功です。
さて、本題に戻って。
では直接対面ではない相手に興味を持ってもらうにはどうしたら良いか。
紙で、データで、相手に自分の伝えたいことを伝える。むしろそれ以前に「見てもらう」ために使われる手法の最たるものが「キャッチコピー」でしょう。
安いクセして。 (西友)
一般消費財を扱う西友。
口語体なところやコピーの背景にある「(安いクセして)価値が高そう」な食材の画像も目をひきますね。
Eat Well,Live Well. (味の素)
食品製造の味の素。
直訳の「よく食べ、良く生きる」でもキャッチコピーは成り立ちそうですが、耳障りが良いですね。声に出してみたいヤツ。
やがて、いのちに変わるもの。 (ミツカン)
こちらも食品製造から。
このキャッチコピー、おそらく人生で一番好きです。
なんというか、CMを見たり、テキストで読むだけでちょっと涙出てくるくらい好きです。
お酢がどうとかではなく、口に入れる物を作っている責任やそれにかける想いなんかがギュッと詰まっている。それらをたった14文字で表現しています。
ミツカンもこのコピー=理念に熱い想いを持っているからか、理念単体の動画でまさかの9分30秒越えの動画なんて作っています。
DAKE JA NAI (帝人)
声に出して読みたいキャッチコピー部門(当社比)で長らく上位に君臨していた「だけじゃない!テイジン!」
最近は上白石さんがCMに出演していましたが、同世代はむしろ外国の女の子(カトリーヌ)が出てくる広告の方が馴染み深いのでは。
コーポレートブランド自体は「Human Chemistry, Human Solutions」というブランドステートメントを持っているものの、恐らく誰も知らない。
DAKE JA NAI!!が耳に残り過ぎています。
この帝人。
実は既にDAKE JA NAIというキャッチコピーは使っていません。
2023年3月31日をもって、ブランドキャッチコピーとしては終了しています。
テイジンさんはTwitterの公式企業アカウント界隈では有名で、日々「DAKE JA NAI」を言い続けていたので、ちょっとした騒ぎになりました。
※2023年5月現在。帝人さんのTwitterプロフィールなどに若干の名残を残しています。
これらのキャッチコピーは広告代理店とか、それ専門のクリエイティブな人たちが制作していることも多いと思いますが、「伝えるために何をしたらよいか」「まず見てもらう、知ってもらうためには何をしたら良いか」という問いに対する答え=手段として、自治体が政策を伝える、想いを伝える際にも積極的に考えていかないといけないことだと思っています。
さぁ、行っといで。 (南相馬市)
最後に、南相馬市の「巣立ち応援事業」のキャッチコピー
「さぁ、行っといで。」
これも熱いですよね(手前味噌感)
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