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352-353 そこにある青に気づくとき
*声と言葉に関するYouTubeチャンネル「五音十音(ごおんとん) -心とつながる声の咲くとき-」をはじめました。
【より良い影響力を発揮したい方ための統合的ボイスワーク】についてご紹介していきます。よかったらそちらものぞいていただけると嬉しいです。
352. そこにある青に気づくとき
目覚めたときに青の混じった闇だった空が、今はもう白の混じった灰色になっている。夜の始まりと終わりにはこんなにも青が世界に広がっているのだということを、オランダに来るまで感じたことがなかったように思う。東京にいたときは、まだ暗い中出勤をし、オフィスで仕事をし、ふと顔を上げると、窓の外がまた真っ暗になっているという毎日だった。夜の始まりと終わりの頃に、窓の外に目を向ける余裕もなく、目を向けていたとしてもそこにある微細な色を見る心の余白がなかったのだろう。余白という白があるから、そこにある色を見ることができるのだ。東の空にかかる雲が真朱(まそお)に輝き出した。これも、1日の始まりに見ることができる一瞬の美しさなのだろう。
昨日庭の木々の手入れをオーナーのヤンさんがしたためか、庭がスカスカになり、寒々しく見える。ここにこのまま暮らし続けたら、この庭の様子が秋の始まりの印となっただろう。しかしもう、おそらく、この庭の秋の始まりを二度と見ることはない。ここに暮らすのは、あと3ヶ月ほどだろうか。その間、もう庭に新しい花が咲くことはないかもしれない。庭の真ん中にある大きな木に白い花が咲き、散り、そして実が成った。それがりんごの木だったということに気づいたのは、ごく最近だ。一期一会なのは人間だけではない。
今週、木曜からまた別の街に滞在をするため、今日・明日はいつもより少し予定が多い。予定として見渡すとそうだが、そこにある一つ一つが、今日ここにしかない時間だ。いつもより静かに、地と宙の間を通るエネルギーを借りながら、一瞬一瞬と向き合っていきたい。2019.9.10 Tue 7:19 Den Haag
353. エネルギーの消費から生成者へ
朝、日記を書いて以来、はじめて書斎に戻ってきた。書斎と言っても居室には数えられない小さなスペースだが、書棚と小さな机、クローゼット、さらには机の上にはベッドが備え付けられており、窓も暖房もあるので人一人がここで暮らすことができそうなくらいではある。今日はあまりにも寒く、寝室とリビングの暖房を入れたが、書斎の暖房は入れていなかったので、空気がひんやりとしている。空にはまだらな雲のシルエットが薄ぼんやりとしており、庭の木々は停止しているように見える、目を凝らすと見える葉っぱの先の揺れだけが、そこに風があることを教えてくれる。
今日は、私の中ではとてもエネルギッシュに活動ができた1日だった。今週・来週と外出予定が多いため、今日はいつもよりも予定を多く組んでいたが、予定を終えた後にYouTubeの撮影を行うこともできた。前回は静止画像を入れることを前提に音声のみの録画をしたが、今回は実際に声を出すワークを行ったため、画像つきの撮影をした。当初、ただでさえ話がまとまらないのに、画像つきだと余計にあたふたするだろうし、カットなどの編集もしづらくなり、大丈夫だろうか?という心配をしていたが、実際に身体を動かすワークという内容こともあったためか、思った以上に話を続けることができた。思い返してみると音声のみのときよりも、画像があったほうが「誰かに話しかける」という意識になり、自然と話が出てきたように思う。初回はスクリプトを作成し、その有効性は感じたものの、毎回これをやっていると大変な作業になるなとも思ったので、スクリプトなしで話ができるということは、今後動画作成の進み具合を後押ししてくれそうだ。
正直、当初は顔を出して動画を作成するということにも抵抗があった。先日、気温が下がり、少しあたたかい洋服を出そうとクローゼットを見たときに、この夏は持っている夏の洋服のほとんどを着ないまま、3着ぐらいのシャツのローテーションで済ませていたことに気づいた。半袖やノースリーブの服を着るほど暑い日が非常に限られていたこともあったが、それにしても、だいぶ減らしたと思った自分の荷物のほとんどが使わないものだと知り愕然とした。そんな限られたワードローブの中で生活をしている状態なので、動画の撮影となると、「毎回同じ服になってしまうなあ」という、本筋とは全く関係のない心配もしていたのだが、まあ、それはそれでいいだろう。ユニフォームというか仕事着というか、そういうものを決めておくというのは服を選ぶことに時間とエネルギーを使わなくていいのでとても楽だ。
などと、自分が心配していたことが杞憂であったことを知り、動画を撮ることに対する気持ちがとても楽になった。むしろ、今は1日セッションや動画撮影をしていたにも関わらずとても元気だ。創造的な活動をするのにエネルギーが必要だと思っていたが、どうやら創造的な活動をすると、むしろエネルギーが湧いてくるようだ。やっている活動の内容が自分自身の特性と気持ちに合ったことというのもあるだろう。エネルギーというのは、作るのと使うのが別物だと思っていたが、どうやらそうではないらしい。改めてこれは結構な発見だ。自分自身のエネルギーが内側から生成されるメカニズムというのは、動画をつくりながら観察してみたい。話が脱線してしまうことも多々あるが、それも含めて、まずは自分自身が楽しんでいければと思う。せっかくなので、今後、自然豊かな場所に滞在して、自然の中で行ったボイスワークなどの動画も作成していきたい。
深まる夜とともに、ほどよい疲れがやってきた。普段は、1日の中での活動を緩やかな波のように行うことを目指してきたが、何か、五感を使って思いっきり活動するという、メリハリのようなものをつけたほうがいいのかもしれない。ぐっすりと眠ること、そして新しい1日をはじめることが今からとても楽しみだ。2019.9.10 Tue 20:55 Den Haag
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