354-355 朱の深まる朝と、夢の中の妹
*声と言葉に関するYouTubeチャンネル「五音十音(ごおんとん) -心とつながる声の咲くとき-」をはじめました。
【より良い影響力を発揮したい方ための統合的ボイスワーク】についてご紹介していきます。よかったらそちらものぞいていただけると嬉しいです。
354. 朱の深まる朝と、夢の中の妹
まだ暗いうちに目が覚めた。そう思うのは、空の色が変わっていくということを知っているからだ。時計を見るとちょうど6時。昨日は天気が悪いからこの時間まだ外が暗いのかと思っていたが、私が思うよりずっとはやく、季節は巡っているのだろう。6時よりさらに1時間ほど前に、南西の空が朱くなっていたのを見たように思う。昨日もそんな空を見た。夜明けよりも前に、朱が深まる時間というのがあるのだろうか。
今日も長いこと夢を見ていた。内容については細かく覚えていないが、今日気づいたのは、夢の中ではいつも妹が実家で暮らしているということだ。実際には妹は既に結婚し、小さな子どもが二人いる。それなのに、夢の中では妹は一人で実家にいるので、私は毎回、「子どもたちはどこにいるの?」と聞きたくなる。明晰夢を見るのが趣味?だというドイツ人の友人は「夢が夢である印(現実と違うところ)を見つけると、夢を見ているときにもそれが夢であると気づくようになる」と言っていた。これはまさに「夢が夢である印」だ。妹は出てくるけれども旦那さんや子どもたちが出てこないというのは、私の中で彼らに関して夢になるほどの記憶というのが蓄積されていないからだろうか。振り返れば私の夢は、高校のような建物の中で、中高の同級生(中高一貫の学校だったためほぼ同じ)が、少し大きくなった状態で登場することが多い。大人になってからの知り合いというのはほとんど登場しない。高校のような建物の中だが、「卒業できるか」ということを気にしていることも多く、それは大学のときの記憶や体験に紐づいているものだろう。
空はすっかり、明るくなった。キュキュキュキュとカモメが鳴き始めた。東の空はふんわりと赤い。今日は昨日よりは少しゆったりだが、比較的予定が入っているし、明日の午前中には隣街への滞在に向けて移動をするので、今日中に支度を済ませなければならない。明日は外出の前にセッションがある。その前に掃除機をかけるか、今日のうちにかけておくか…。
外に出るにあたって悩ましいのが洋服だ。今回は、アムステルダムをはじめとしたオランダ内のいくつかの街を訪れることになる。アムステルダムに行くいつもとハーグより気温が低く感じる。同様に、もっと北の街はもっと気温が低いはずだ。訪れる可能性のある都市の、最低気温と最高気温をチェックし、持っていく洋服を決めたい。数日間滞在するライデンの駅近くのホテルにはスパもあるため、サウナを出たときに羽織る、バスローブも持っていくことになる。寒くなるとその分衣類のかさが増えてしまう。と言っても、昨日、クローゼットからほとんど出すことのなかった夏の洋服の隙間に冬の洋服がほとんどないことに気づいたくらいなので、冬の服は選ぶほどは持っていないはずだ。それくらいがちょうどいい。
7時を知らせるアラームが鳴った。そろそろシャワーの水音が家の中に響いても、上下の部屋に迷惑ではないはずだろう。先ほどカモメの声が聞こえたが、今は中庭は静かだ。鳥たちも、目覚めの時間が遅く鳴っているのかもしれない。ゆっくりと、確実に、今日という日が始まっていく。2019.9.11 Wed 7:02 Den Haag
355. エネルギーの使い方の変化
ハッと気づけば、窓の外は真っ暗になっていた。19時すぎに夕食を摂ってから今まで、目の前のことによっぽど没頭していたようだ。その多くはYouTube用の動画の編集作業だったのだが、他の作業に比べて動画撮影や編集というのはどうも、没頭性が高いように感じる。何か、自分が手を加えて変化していく様子を見ることができたり、小さな完了感の繰り返しを感じられたりするからだろうか。日記を書くのとはまた違った行為だ。ここ数日、時期としてはYouTubeを始めたのと時を同じくしてなのだが、エネルギー流れが変わったように感じる。エネルギーの使い方が変わったのだろうか、それとも、生成と消費のメカニズムのようなものが更新されたのだろうか。
コーチングセッションで言うと、以前よりもさらに楽な状態でセッションができるようになってきた。楽な状態というか、これまではエネルギーを使う活動だったのがエネルギーが生成される活動になったように感じる。実際、セッションが終わったときには、始まったときよりも元気になっている。エネルギーを使ったという感じはほとんどない。もともと、「天職のような仕事だが、自分の時間とエネルギーが限られているから、提供できるセッションの時間は限られているなあ」と思っていたのだが、今は、時間に限りがあるというのは変わらないが、エネルギーは、尽きることないという感覚だ。「ゆっくり進むほどはやく進む」という『モモ』の中に出てくる話と同様、何もしないほどに何かが起こる。
8月までは、自分自身の心が従うことに活動を絞ろうと、色々なことを整理してきたが、その結果、自分が取り組むものごとが変わり、エネルギーの流れまでもが変わってきたということだろうか。この、「活動からエネルギーが生み出される」という現象については、これからも観察をしていきたい。2019.9.11 Wed 22:37 Den Haag
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