旧正月にて 2018.2.20
中国から帰ってきているHから連絡きたので Sも誘い 十条で会う Hからは途中20分遅れると連絡あって Sと先に十条銀座を散策する 「初めて来た」とSが言うので 惣菜屋等見る 「歩いてるだけで 太るよ」といいながら 揚げ物に反応する こないだ高円寺で見た 向井秀徳の弾き語りについて話しながら 行列のできている総菜屋隣の文房具屋に入り なぜか Sはハサミを買っている 「こんなとこまできて なんで ハサミ買ってんの?」 「わかんないけど 試しに訊いたら 欲しいのがあったから」 という 回転焼を土産に買うとSは言い 2個買っている 「こんだけ 惣菜あるなら 自分で作らなくなるな」と言いながら Hを駅に迎えに行く Hと合流し もつ焼き屋に入る 夕方16時前なのに カウンターは満席で2階の席に行く ホッピー ハイボール 梅酒をそれぞれ頼み もつ焼きを頼む 「いつ 帰ってきたの?」 「2週間前かな」 「どっか行ったりした」 「どこも行ってないよ ひとにも 日本帰ってから 会うの 今日だけ」 「実家にも 帰んないの」 「今回は 帰らない」 「一軒家 どお?」 「寒いね」 Sからブラジル土産の菓子をもらう ジップロックになんかわからん甘そうな菓子入れてくれている Sは狭山茶のきんつばを一個づつくれる 「どうしたん これ?」 「近所のスーパー銭湯で買った」 「ありがとう」 もつ焼きはうまい 繁盛するのもわかる 「いつも 行く定食屋があるから そこ行こう」と 会計し 店を出る 定食屋の座敷の方で Sとじぶんだけ酒を頼む ガラスケースを見て サラダ 山かけ ナポリタン アジフライを注文 「今日さ 常盤台から歩いたから ここまで30分かかったよ」 「え 歩いてきたん」 「交通費がさ もったいないから 歩いたよ」 「それで 遅くなったん?」 「まぁ そんなとこ」 フィギュアの再放送の中継見ながら 近況話す Sは介助の仕事のこと 親の介護のこと 妄想かるたのこと Hは中国での生活 来期も同じ大学で教えることになったこと 「認知症は 進んできてるよ」 Hのとこはと訊くと 「家は 父親の方が 少し認知症あるかな 母親が みてるよ」 「それも 大変やね」 20年 三人で 定期的に会っては 飲むけど ここ最近は 介護の話とかも出る 「先は無いよ」とSが言う 「家は 早く亡くなったから そういうのは 無いけどさ 生活は いつも ぎりぎりやね」 「まだ やってんの?」 「やってるよ」 それからSとじぶんで 今 読んでて面白い 本を見せ合った 「晶文社の 韓国の作家の出してるシリーズがあってさ それ おもしろいよ」 Sはまた 推理小説で おもしろいのを 教えてくれる Hが飲まないので そこも会計し 場所を移す 店のひとに 「いつも ありがとね」と言われる 「仕事帰りに ひとりで寄るとこなんよ」 その後S酒場に行き じぶんは瓶ビール Sは熱燗を飲み 肉とうふ しいたけ煮をつまみに 話す 「いつも ここ店の前に ひと並んでるから 入らないんだけどね」 「あいそないメニューなのに ひと来るね」 にぎわっている店内を 見て楽しみ 外に出る「二人が 食べないからな」とSに言われる 「Hが 飲むほうじゃないしね」 喫茶店で閉めるかと 喫茶店に行き 珈琲とHは紅茶を頼み 話す 「小説書いてんだよ」とHが言う 「私小説?」 Hが頷き すかさず 「ナルシストに私小説は 無理だよ」とSが言う 「Kが書けばいいんだよ Hをモデルにして」 「いやだよ こんなやつに 書かれんの」 「そうか」 「書いたら 訴えるよ」 「Hのこと よう知らんからな」それからいくつかHに質問した 店を出て ブックオフに案内し そのあいだ Sと すこし 散策する 気になるもの見つけたというので 道路を渡り その場所に行くと クルド料理の店だった Hも誘い 店内を覗く ヨーグルトドリンクと Sだけ酒を飲み そして 十条駅で解散した Hはまた常盤台まで 歩くというので Sもじぶんも Hと握手して 別れる Hはいつもながら あほやなという表情で手を振る で 途中まで Sと一緒に帰る で じぶんにしては 食べ過ぎたせいか 腹こわして 寝床につく