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ジブリ考察〜宮崎駿からのメッセージとは?〜
私はジブリ・ネイティブです。
※この先はネタバレ注意※
父親が姉にビデオを録画していたものを、一緒に寝転んでみていたのでしょう。あまり意味も分からず。
オタクな父の影響で、初期の映画作品をほぼすべて(ビデオで)見ています。
なぜ私がジブリ大好き人間じゃないかというと、ディズニーのせいだと思います。ディズニーを崇拝しています。
ジブリは、私が生まれた年あたりにナウシカやラピュタなどが公開されていました。
去年あたりか、宮崎駿(みやざき・はやお)監督が「君たちはどう生きるか」という新作を公開された。
アカデミー賞もとって話題になりましたよね。
金曜ロードショーやNHKのドキュメンタリー(プロフェッショナル)がやってたのを見ました。
ドキュメンタリーはとても感銘を受けました。
宮崎さんという方が本当はどういう方か、今まであまり知りませんでした。
人間性がさらけ出されていました。
そもそも、ジブリを見直したのは、3年前くらいに母が、ジブリのアニメーターの方と友達で、そのお仲間を呼んでホームパーティーをしたことです。
最期のテロップに名前が載る方がいらっしゃいました。
私は同席したものの、宮崎さんと一緒にお仕事をしていた方々とは知らなかったので、とても貴重なお話が聞けて良かったです。
ジブリはそれまであまり「大好き派」ではなかったですが、ぐっと身近になり、日本の宝だなと思いました。
できればこの技術で、クイーンの若き物語もアニメ化してほしいと思いました。
その時こんな質問をいただきました。
「ジブリで一番好きな作品は?」
私はこう答えました。
みみ「ぽんぽこです」
若いアニメーターの方に
「わかってる~」と言ってもらえましたが、
あとからよく考えるとこれは宮崎監督ではなく、高畑勲(たかはた・いさお)監督作でした。
私にとって、「平成狸合戦(へいせいたぬきがっせん)ぽんぽこ」はジブリの中でも一番好きでした。
1994年公開、見たのはちょうど小学生3年くらいだったと思います。
なんかとても腑に落ちる感じでした。
環境問題、自然破壊などに関心があり、恐怖していた私は、答えをもらった感じでした。
また、百鬼夜行やタヌキの変化(へんげ)、世紀末の宗教思想(念仏)など、日本古来の様子が描かれていたのも新鮮でした。
社会で勉強させられていたものが実際にタヌキで具現化されていました。
日本じゃないものに囲まれた生活をしている現代人にとって、何が日本のオリジナルなのか、アイデンティティーを失いかけていました。
何か「本物」の感じがしました。
映画公開の1994年の後は、阪神淡路大震災が起こったり(1995年1月17日)、ジブリに関わりのある庵野秀明監督の「新世紀エヴァンゲリヲン」が放送されたり(95年10月)したそうです。
私はぽんぽこのビデオがいつの時点で入手され、何歳の時に見たのかは正確にはわかりません。
アニメーターの方に質問されて初めて、私は「ぽんぽこ」が一番好きだと自覚しました。
1、2才のころに証城寺の狸囃子(ショ、ショ、ショジョジ♪)が好きだったせいかもしれません。記憶はありませんが。
前置きが長くなりなりましたが、
私にとってジブリを見る目が変わりました。
見る目が変わってから観ると
金曜ロードショーでやるたびにみては、最後のテロップに名前が載っているのを拝見して一人興奮していました。
80年代から言うと、
ラピュタ、ナウシカなど人気作は、なぜか所々、どうでもないようなシーンで号泣してしまいました。
子供のころ理解できなかったものをもう一度確認する旅となりました。
ほっこり系東西のトトロ、魔女宅。
ファンタジー大作から、日本アニメーション時代のほっこり系(パンダコパンダとか赤毛のアンとか)が復活した感じです。
90年代は、世間ではTVアニメ、ドラゴンボールやセラムンなどが漫画からキッズ中心にヒット。
30年経った今でも、年代国籍問わず人気です。
95年はエヴァ(庵野監督とジブリメンバーは友達のようだ、どちらも三鷹周辺にいる)が大人にヒット。
ジブリはその間は、故・高畑氏のぽんぽこや、故・近藤監督の少女漫画原作の耳すまなどを経て、
一転。
急にグロ系の
もののけ姫(97)、千と千尋(01)、ハウル(03?)、など。
(2000年はハリポタ・ブーム)。
こんなまとめ方ができました。
それではジブリの私なりの見解を述べたいと思います。
ジブリ分析
ジブリとの類似性で言うと、
ディズニーがあげられます。
ディズニーは1920年代からアニメを作っていて、
1931年の長編アニメーション「白雪姫Snow White And Seven Dwarfs」
が絶賛されます。
漫画の神様「手塚治虫」氏(1929年生まれ)もディズニーアニメに魅了されます。
手塚氏はアニメを作りたくて、結果的に「ストーリー漫画」を生み出されました。
悲願だったアニメの手塚氏の意向を汲んだのが、宮崎氏かもしれません。
ディズニーとジブリとの共通点といえば、
女の子が主人公が多いということ。
私の父も、姉と私のためにか、良質なアニメであるジブリとディズニーを大量にダビングし、家にいつもありました。
そして、最近気が付いたほかの共通点。
この二つの本質は絵(漫画)のうまさや躍動的なアニメやせりふ回しだけでなく、
音楽が重要であること。
ディズニーは、ジャズのスタンダードナンバー「星に願いを」や、
故フランク・チャーチル、
シャーマン兄弟、
ウォルト亡き後も新ディズニー体制のレジェンド、アラン・メンケン(故ハワード・シュルツ氏とのコンビ)
など、力を入れて音楽を生み出してきました。
音楽や歌に並々ならぬ思いがあるようです。
ジブリでいえば、カリオストロの城の
次の作品である、
「風の谷のナウシカ」からジブリとコンビを組み続けている
久石譲さん。
こう言った関係は、ハリウッド映画でも見られます。
スピルバーグ監督とジョン・ウイリアムズ(ジョーズ、インディ、ET、ジュラシックパークなど)のコンビ。ジョンはハリポや、ルーカスのスター・ウォーズ、ホーム・アローンなど、数々の印象的な曲を書いています。
映画と音楽は切り離せません。
ニーノ・ロータ(ゴッドファーザーやロミジュリ、太陽がいっぱい)やエンニオ・モリコーネ(ニューシネマパラダイス、マカロニウエスタン系)、
昨年記事にしたハンス・ジマー
など。
手塚氏も「ジャングル大帝」などアニメ化にあたって、いい作曲家を探しましたが、これはという人物にあたらなかったようです。
(ちなみに、ジャングル大帝はバンビに、そしてジャングル大帝自身はライオンキングに似ています。何かが受け継がれている)
とにかく、この久石さんとのコンビが良かったのではないかと思います。
カリオストロ、ナウシカに続く宮崎氏3つ目の大作「天空の城ラピュタ」において、
エンディングでは、宮崎さんの作詞で歌がのせられます(君をのせて)。
これは、コンビだった、故・高畑勲氏のアイディアだったらしいです。
トトロ以降も楽しい歌がつき、小学校などでも歌われます。
雨降りバス停で出会ったのはずぶぬれお化けではなく、高畑さんだったと、宮崎さんはお葬式で泣きながら述べました。
ドキュメンタリーによると、宮崎さんは高畑さんが大好きだったようです。
好きすぎてむしろ憎むところまでいってたようです。
「君たちはどう生きるか」は、
宮崎さんの生き方が描かれているのかな、と思いました(映画はまだ見ていません、地上波放送を待つ)。
大叔父(オーオジ)は、故・高畑さん、
青サギは(詐欺師?)鈴木敏夫さん。
故・保田知世さんはキリコ、など。
母を失いゆく主人公は、本人なのか。
ドキュメンタリーでは、鈴木さんが、「宮さんは自分の話がやりたいんでしょ」とそっけない感じ。宮崎さんは映画病みたいなことも。
鈴木さんはクイーン史で言うところの、ブライアン・メイ。
宮崎さんは覚えてられない。
鈴木さんに「覚えておいてよ」、といったらしい。
正確な事柄を嘘偽りなく主観を置いて理論的に語り継ぐ。
それでいて秘密厳守。
こうして伝説は続いていくのかもしれない。
まとめ
とりとめもなくなっていったが、まとめです。
ジブリとは、日本の宝である。
文学という芸術の足跡の一つとして、今ここに存在するに過ぎない。
天才演出家・高畑氏、
ヒットさせてしまう物を作る天才・宮崎氏、
作曲家「久石譲」。
鈴木敏夫さん。
これらの人々が出会ったことも奇跡である。
のらくろの田川水泡(たがわすいほう)、弟子の長谷川町子(サザエさん)、
手塚治虫氏のストーリー漫画の開発、
アニメの発達、
後輩のドラえもん、
そしてジブリやエヴァなど、
綿々と続く、漫画、アニメ史。
もしかしたらゴッホに影響した葛飾北斎から漫画は始まるのかもしれない。
浮世絵はやがて芸術の都パリにジャポニズムの旋風を巻き起こす。
これはひとつの文学・藝術として追っていきたい。
漫画大好き!
ここまでお読みくださりありがとうございました。