
君との1年
君を産んでからもう1年が経とうとしています。
成長を書き残しておきたいなんて思っていたのに、まあ忙しく毎日が過ぎ…もうすぐ私は仕事復帰、君は保育園に通い始めますね。君は幸い人見知りをあまりしないので、保育園も楽しめちゃうと思うけど、実のところママの方が寂しくなったりしています。
1年育休って長いよな〜なんて思っていたのに、毎日大変だ〜自分の時間が欲しい〜なんて嘆いていたのに!実際離れるとなるとこんな気持ちになるものなのかと自分でもびっくりしています。お腹の中で文字通り一緒にいたところから、少しずつ別の個体として離れていくんだね。でもそれは君が成長している証で、喜ばしいことだと考えるようにします。
…とは言っても。やっぱりちょっと、寂しい!!!ので、この機会に君との1年を振り返っておこうと思います。
誕生
君が生まれたのは夏の日の朝でした。君はのんびり屋で、予定日から1週間経っても全く出てくる気配がありませんでした。2週間すぎると流石に遅すぎるので、その前に入院して陣痛促進剤を打って出産しましょうね、と先生と話していたところ。君は入院予定の前日に、自力で出て行きますとサインをくれました。陣痛!初めて優勝旗が白河の関を越えようかという、世紀の甲子園決勝の日でした。私は歴史的な瞬間を病院の小さなテレビで見て、ガッツポーズをしました。
その頃はテレビを見る余裕があったのです。でも夕方からどんどんお腹が痛くなり、夜には痛過ぎて嘔吐するほど。何処かで「出産は腰を車に轢かれるようなもの」と読んだ気がするけれど、マジで交通事故だなと実感しました。鼻からスイカを出すっていう例えは想像できなすぎてあんまりピンとこなかったです。…なんてことを考える余裕は、全くありませんでした。とても痛かったのでした。
時間もかかって、ようやく破水したのは翌朝。間違いなく人生で一番長い夜でした。破水までがこの上なく痛かったし長かったので、最後産むのはラストスパートという感じ。破水してから程なく、君が出てきてくれました。
「顔を見た途端痛みなんて忘れちゃう」というお母さんたちの感想をたくさん目にしたけれど、正直そんなこもある?と思ってました。…世の中のお母さんたち、ごめんなさい。これは本当でした。痛みよりも君が出てきてくれたことが、本当に本当に嬉しくて。すごく感動したんだよ。あの泣き声を録音しておけばよかったなあと後悔しています。あれを聞けばママは大抵のことは乗り越えていけると思うんだ。
パパも立ち会えて、松岡修造スタイルで励ましてくれました。笑う余裕なかったけど、助産師さんたちはちょっと笑ってた。君が生まれた時はとても感動して喜んでくれたよ。後で立ち会いの感想を聞いたら、「人が青筋を立てて頑張っているのを初めてみた」って言ってました。ラストスパートでいきんでいるときにリアル青筋が浮き出ていたそうです。そこ?笑 まあ、そんなパパとママの元に、君は生まれてきてくれたのです。
1ヶ月
最初の1ヶ月、君は私の実家で過ごしました。私は初めての赤ちゃんである君を抱っこするのも怖かったし、おむつなんて変えたら足が取れちゃうんじゃないかとか、お湯なんて掛けたら泣いちゃうんじゃないかとか、一つ一つがとっても心配でした。夜寝てる間に息が止まっていたらどうしよう?と気が気じゃなかったです。それくらい、生まれたばかりの君は小さくてほやほやしていたんだよ。
ただ、ミルクを飲むのは最初から抜群に美味かった。吸い付かない赤ちゃんもいるらしいけど、君は非常に模範生。こんな食いつくんだ⁉︎とびっくりしました。君が生まれる日に病院に向かうとき、車の窓から見た緑の木々は、夏の太陽で生き生きと輝いて生命力に溢れてた。君からもそんなエネルギーを感じました。
1日に何回も泣くし夜中も起きるから、私とパパと、心配してくれたおばあちゃんも寝不足で、なかなかにハードな1ヶ月でした。パパとは大きな喧嘩もしちゃった。でも仲直りしました。寝不足は万物の敵だね。
2ヶ月
君は少しずつ長く眠れるようになりました。特に夜中の1時〜4時くらいに寝てくれるようになったことで、とっても助けれらたよ。
途中で私たちの家に戻りました。君はお腹の中にいた時住んでいたことを覚えていたのか、さすがの適応能力でした。車の長距離移動もよく寝てくれたね。
顔中真っ赤になってかわいそうだった脂漏性湿疹も落ち着き、つやんとした肌になってきました。最初使ってたオイルは合わなかったんだよね。友達に勧めてもらったフィルベビーにしたら、すっかりモチすべふわふわたまご肌に…。よく笑うようになって、ツヤツヤのお顔でにっこり笑うと「福!」って感じでしたね。笑いのツボは不明なことが多かったけど、目を合わせてにっこりしてくれるとそれだけで1日がハッピーになりました。
やっておけばよかったのがベビー枕。タオルの上とかに寝かせてたけど、向き癖がでてくるので気がつけば頭の形が変形してしまっていました。半年くらいずっと気にしていました…。結局お座りし始めたら気にならなくなったけど、初めから丸っとした形でいさせてあげられればよかったな。窒息には気をつける必要があるけど、寝返り前のこの時期こそ、枕大事。
3〜4ヶ月
君はいろんな声が出せるようになって、あうー、あぐーと話しかけてくれるように。顔を見るとニコッと笑ってくれることもあったよ!夜も24時ごろから朝方まで寝てくれるようになって、少しママにも時間ができてきました。
悩んだのは母乳のこと。君は生まれた時からとっても飲むのが上手で、母乳でもミルクでもしっかり完食するタイプでした。母乳だけでは足りないようで「フフー、フフー」と欲しがるので、ミルクを足して、混合で育てていました。だけど君はかなりせっかちなので、だんだんゆっくりしか出てこない母乳にイライラしてきてしまったみたい。なかなか飲んでくれなくなっちゃったんだよね。
別にミルクが悪いと思ってるわけじゃなかったんだけど、母乳を拒否されると結構悲しかった。なんだろうね、この気持ちは。授乳は大変だし疲れるんだけど、ごくごく飲んでるときの君の横顔を見ていると、なんとも幸せな気持ちになるのです。とても短い間しか見られない顔だとわかっているからなのかな、この時間がもう無くなるのか…と思うと寂しかった。そりゃいつかは訪れるものなんだけど、自分の心の準備ができていないのになくなっちゃうのが悲しかったのかもしれない。
搾乳したりとかいろいろやってみたけど、結局は君が大きくなってくれれば良いんだよなと思えて、離乳食が始まるタイミングでミルクだけにすることに決めました。飲んでくれてありがとう!
5〜6ヶ月
離乳食がスタート!まずはおもゆから。今までミルクしか飲んでないところに、お米を食べさせるのは結構ドキドキしたよ…。でも予想通りというか、ミルクを上手に飲む君は、おもゆもペロリと完食!もっとないの?と言いたげで笑ってしまいました。
離乳食づくりは、食材を切ったり茹でたりしてからペーストして、氷のトレーに入れて一食分ずつ冷凍して…と、少しずつ食材を増やしたりストックを常備したりするのが結構大変。最初は量が少なすぎて、解凍したらなくなっちゃったりと、いろいろありましたね…。でも君は、にんじん、じゃがいも、ほうれん草、さつまいも、などなど新しい食材にチャレンジしても、見事たいらげてくれて作り甲斐がありました。
この頃は、頻繁にベビーカーでお散歩に繰り出していたな…。乗っている間はすやすや寝てくれることが多かったので、よく寝てほしくていろんなところをぐるぐるぐるぐる…。おかげさまで、自宅と実家、義実家の周りにはだいぶ詳しくなったよ(笑)首も座ってしっかりしてきて、ものを掴むのも上手になりました。
7~8ヶ月
君はお座りは上手だったんだけど、なかなか寝返りをしないのでいつできるかな?とどきどきしていました。でもこの頃になると寝たまま自分の足を持ってコロコロするようになって、ある日ついに…!ころん!!!寝返りに成功しました!!!自分でもびっくりしたみたいな顔をした後に、すごく嬉しそうにぱあっと笑った、あの顔は忘れられません。君の世界が広がったんだなって思ったよ。大きくなる過程でこうやって少しずつ、新しい世界を獲得していくんだね。できることが増えるピカピカの喜びに気づかせてもらいました。
寝返りができたら、はいはいも上手くなってきたんだよね。子育て支援センターに遊びに行っていたので、お友達に感化されたのもあったのか徐々に進み始めました。歯が生えたのもこの頃かな…。小さくて白いものがこんにち歯しているのを見た時はやっぱり感動したよ。
いろんなところに遊びにも行くように。ネモフィラや藤を見に行ったり、まさかのグランピングをしたり…。初めて電車にも乗ったかな。大体君は寝てたんだけど(笑)、ママ的には一緒にいろんな思い出ができて嬉しかったです。
それから8ヶ月を迎えた頃かなあ、「マンマ…!」的な声を出してくれるようになったのです!!!ママ歓喜!しかし、食に貪欲な君のことなので、ママではなくご飯である可能性も捨てきれず…笑 どちらかわからないけれど、呼んでくれる声を聞けて嬉しかったです。
9〜10ヶ月
ここまでくるとつかまり立ちをしたり、手づかみ食べをしたりといろんなことができるようになってきました。初めて新幹線に乗ってひいおばあちゃんにも会いに行きましたね。
「いただきます」のとき手を合わせるのを教えてたら、ある時拍手し始めてかわいかったなあ。美味しいなのかもっとなのかはわからなかったけど、よくパチパチしてました。
伝い歩きもお手のものになって、得意げにニコニコして移動。追いかけっこするとキャーっと声をあげて逃げる君。反応が良くて私もパパもよくやっていました。ベビーゲートまでやって来て、ママらしき声で呼んで抱っこをせがむ顔はとっても可愛くて、役得でした。
11ヶ月
そして11ヶ月…。君は慣らし保育へ通い始めました。薄々そうじゃないかなと思ってたけど、拍子抜けするほどあっさり先生に抱っこされに行ってて…(笑)逆に私が寂しい反面「さすがだな」と思ったよ。小さい頃からおばあちゃんおじいちゃんはじめいろんな大人に会ってきたからかな、だったら嬉しいなと思います。
これからあたらしい世界で、あたらしくいろんな体験をしていろんなものを獲得していくんだと思う。
ある統計によると、母親が子どもと過ごせる時間は生涯を通して約7年6ヶ月なんだって。そのうちの1年が過ぎていってしまったのかと思うとびっくりするし、これからいろんな初めてを見逃すこともあるかもしれないと思うとすでに寂しいです。
でもふにゃふにゃしていた君が自分の力で歩いていく、そのための子育てなんだよね。こんなに抱っこをせがんできたことが嘘のように、うるせーなんて言うのでしょう。ママ悲しみ。でもそうやって、元気に大きくなっていってください。
君が大人になっていく、それまでの毎日を、大事にしていきたいと思います。怒っちゃうこともあったし、これからも大いにあると思うけど、引き続きどうぞよろしくお願いします。
かしこ
ママより