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AI時代に能動的な学ぶ力を磨く『ちょい掘り』のすすめ
能動的に調べることの大切さ
かつてインターネットの匿名掲示板が流行していた頃、
「ggr(ググれ)」という言葉が流行しました。
これは「人に聞かず自分でGoogleで検索して調べて」という意味です。
インターネットが発達し、「ggr」が死語となってしまっても、
その言葉の指す本質は変わりません。
その本質は単に「自分で調べて検索する」ことではなく、
「自分で能動的に情報を探すことの有用性」だったのだと思います。
私たちは昔から、テレビやインターネットを通じて、
受け身で情報を受け取る生活を送っています。
AIが発展した今はそれが加速しています。
AIが表示するコンテンツは、
自分の好みや関連性が高そうな情報が表示され、
偶然知ったかのように感じられることもあります。
しかし、それは全てが統計やデータに基づいて設計されたものです。
つまり、どんなに魅力的に見える情報も、
私たちは基本的に「受け身」で接していることになります。
これは、「消費する立場」から抜け出せないことと繋がっているのです。
灘校の伝説の授業
名門校の灘高校では、
小説『銀の匙』を、
1年間かけてじっくりと読み解く授業が行われていました。
本1冊に1年の時間をかけるなんて、どういう授業をしていたのでしょうか?
「脱線」は起こるのが前提だったようです。
ストーリーを追うだけでなく、
登場する言葉や背景について逐次深く掘り下げます。
授業は座学だけでなく、
小説に登場する駄菓子を実際に食べてみるなどの実体験も交えています。
このようなアプローチが、
灘高校を一流の進学校になった一つの側面と考えられます。
このエピソードから学べるのは、「深掘り力」の重要性です。
「深掘り力」を身につけることで、
単に記憶するだけでなく、知識と知識の間にリンクを作り、
多角的な視点で考えられるようになります。
これにより、新たな疑問が生まれ、
それが「自分自身の意見」や「独自の発想」に繋がっていくのです。
能動的に学ぶことができる人は、「自分らしさ」を表現しやすくなり、
他者や世界との豊かな相互作用を通じて、
より広がりのある人生を送ることができるでしょう。
受動的な情報消費とそのリスク
とはいえ、日常生活では多くの時間を受動的な情報に費やしています。
それ自体にはメリットもあります。
例えば、筆者自身、
疲れているときは読書ができなくなりますが、
TikTokの動画を観るとリラックスできます。
これは「何も考えずに済む時間」を持つことで、
ストレスを和らげています。
全ての受動的な時間が悪いわけではないと考えます。
しかし、受動的な姿勢が極端に偏ると、
「社会と商業システム」に操られることがあります。
情報に溢れた日々を過ごしているのに、日常に変化が起きず、
同じような毎日を送ってしまうことがあるでしょう。
それの理由の一つとして、
SNSの過剰な利用や、動画を延々と見続ける中毒的行動があります。
それは、プラットフォームがそう設計されているからです。
結果として、
「自分は消費ばかりしている」、
「代り映えしない日常には価値がない」と感じてしまい、
行動を起こす力が失われてしまいます。
「ちょい掘り」のすすめ
では、どうすればこの受動的なサイクルから抜け出せるのでしょうか?
一つの方法は、AIが提供する情報を「ちょい掘り」することです。
AIがおすすめしてきた情報をただ受け取るだけでなく、その理由を考えてみましょう。
なぜこの情報が表示されたのか?
どういう感情を引き起こす情報なのか?
流行しているからか?
私の好みをAIが判断したのか?
この情報の本質はどこなのか?
を問いかけてみます。
こうした疑問を持つことで、自己理解にも繋がります。
さらに、この問いかけをしてわからない部分や、
情報と関連する背景を調べることで、
情報の深さが増し、より有意義な学びが得られるでしょう。
例えば、スマホのニュースアプリで気になったものがあったら、
すぐに次へと無限スクロールをする代わりに、
「○○について小学生でも分かるように詳しく教えてほしい」と
ChatGPTに尋ねてみましょう。
そして、得られた回答の気になるキーワードを、
さらに自分で調べてみましょう。
これが「ちょい掘り」の第一歩です。
競争の激しい分野では、質と量の両方が重要になりますが、
日常生活においては、少し掘り下げるだけでも、
生活に変化を起こせる情報に触れられることが多いのです。
今では「検索」から「探索」へと移行しつつあり、
これはユーザーにとってより満足度の高い体験を提供しています。
生成AIの進化により、検索機能がますます充実しています。
PerplexityやFelo、GenSpark、Morphicといった新しいツールは、
今までの「調べ物」の習慣を大きく変えてくれるでしょう。
最後に、このような「ちょい掘り」の姿勢は、AIに頼り切ることとは違います。それは、自分で能動的に調べ、考えることなのです。
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