UMF × CHEHON『韻波句党』DUB 全文解説
公開後、YoutubeやTikTokで多くの反響をいただいたレゲエアーティストであるCHEHONさんとつくったこのDUB plate。
(DUB Plateについてはこちらの記事をご参照ください)
今回はこのDUBに込められた想いの部分について書いていきたいと思う。
まず、このコラボは一般社団法人UMFが仕掛ける、選挙の投票を行うと無料で楽しめる#vote_forプロジェクトがもとになっている。
「投票にいこう!」と言われるとなんだか堅苦しく感じるが、"音楽フェスに行くついでに投票をする"くらいハードルが低いものになり、選挙というものがお祭りのような「つい、参加したくなる」ものになることで新しいカルチャーがつくれるのではないかという想いが込められたプロジェクトだ。
そんな政治・選挙とエンタメ、特にレゲエの組み合わせというのは今まででも類を見ないものなのではないだろうか?
そんなこともあり、多くの反響をいただいた本作品。もちろんCHEHONさんのバイブスがあってこそだが、リリック(歌詞)にもぜひ注目していただきたい。
All de massive & crew what you gonna do?
understand mi no like babylon burn
4 season don’t stop run tune soon rock you so evryting good
またはじまる これ味がある そこに愛があるから神がかる
鳴り止まぬからあしからず 勝ち上がるたびに 価値上がる
頭からつま先までの 衝撃のイナズマ
俺たちの耳をくすぐる音のイタズラ
実りに実った禁断の果実の味覚が
うまければ うまいほどそれはやばくなるんや
ここの部分はあえて原曲そのままの歌詞にしている。できるだけ曲の良さを残しつつ、攻めるところを際立たせたいためでもある。(が、やはり完璧すぎるリリックであって手のかけようがないのも理由だ)
husha go like a thunder volt 選挙を変えるために今アクション
ヤガ yaw 12345 beatと連動する心拍音
難問ばかりのダンジョンみたいな関門ぬければ感動
折れない心を持つのが must UMF韻波句徒
(※以後、サビで繰り返し)
ここは曲中に何度も出てくるいわゆるサビのフレーズ。「選挙をお祭りに変える」といっても誰もやったことのない無理難題だ。でも、だからこそそれが形になった時にとんでもない感動が生み出せる。そんなことを思ってアクションを起こしてるUMFの想いをまさしく代弁したフレーズになっている。
mr.C pon de mic これは選挙を変える男の話
最近増えた子供だましに邪魔させない為立ち上がり
just come real rider 参上 乗りこなして行くいかしたversion
こだわってやってきたhard core つらぬき初めて掴める栄光
バースに入ってストーリー仕立てに進んでいくのだが、まずプロジェクトを始める前の経緯として、いろんな選挙啓発に関わってきた中で自分たちが「心からおもしろい!」と思えるプロジェクトはなかったということがある。
それは他のプロジェクトが悪いというものではなくて、自分たちの属性にバシッと当てはまるものがなかったということであって、じゃあ自分たちで理想をつくろうぜということを表している。
来てみりゃわかる いきなりはまる
お金もかからんし 気持ちもあがる
たまに笑かす 下手すりゃ泣かす
中身が無いのは役立たず 普通じゃ感じぬものがある
何が普通か逆に分かる
眠っていたものを呼び覚ます 選挙かえる使命はたす
原曲と一番違うのは「お金かかる分」というリリックが「お金もかからんし」になっていることで投票することで無料で楽しめるというUMFの取り組みを対比して表している。
そしてその楽しかった1日を選挙というお祭りを通して体験することでいろんな気づきや満足感が得られる1日になるんだよってことをここでは伝えようとしている。
(※繰り返し)
学校では学べない親に聞いても話せない
物知りだけしかわからない てなことこれからもう言わせない
ハードだが決してなまけない あなどれないレゲエのアドレナリン
バビロンシステムにはやられない俺らの持つエナジー
政治のことは学校でもよくわからないし、親に聞いても教えてくれなかったり、そもそもそんな話をする雰囲気にならなかったりする。だからこそ一部の賢い人たちが画面の向こうで話していてすごく遠い存在のものに感じる。
それでいいのか?それが正解なのか?と考えた時に違うんじゃないか?と疑問を投げかけているのがこのプロジェクトであって、それにエンタメで立ち向かっていくことこそUMFができることだと感じている。
ハードルが高い程かき立てられる衝動
年寄りから若い者 一人残らずshow me a motion
つれてくで深いとこ POSITIVEにさせる効能
未だかつてないほど ひっくり返せる選挙の投票
正直、政治の要素を加えるのは世間的には間違いだろう。楽しい雰囲気に余計なものが含まれると去っていく人もいる。しかし、その表面上だけの楽しさだけではエンタメのよさを活かしきれていないのではないだろうかという疑問もあって、このプロジェクトを始めた経緯もあり、エンタメだからこそ、音楽だからこそ一人も取り残さず楽しめるような仕組みを作りたいと考えてこのプロジェクトに至っている。
(※繰り返し)
出会いは重低音の胸騒ぎ
発信元はナニワ大阪Japan
人生は一回きりのつなわたり
罠ばかりをこえ出口をぬければアンダーグランド
ここで出てくる「罠」というのは「それっぽいことをすること」だというのがここ最近で意味づけされた。選挙に関心を持ってもらおうとして音楽フェスをどう楽しくするかを見過ごしがちになってしまうことがよくある。手段を目的にしてしまうそんな罠が潜んでいるから気をつけろよという自戒を込めた一文でもある。
これは洗脳じゃなく耳を占領
でもそれだけじゃ選挙は変わらない現状
俺たちに必要なのは熱狂
力を見せつけろ いけ韻波句徒
UMFから世界への挑戦状
さあ火をつけろ
(※繰り返し)
UMFが一番カタチにしたいこと。それはまず、エンタメで熱狂を生み出すことであって、投票に行くように仕向ける洗脳ではないというスタンスをはっきりと書いている。カッコつけたいわけではないが、前人未到の挑戦でハードルはもはや見えないくらい高い。でもそんなバカな挑戦だからこそ社会に大きなインパクトを与えるチャレンジになるかもしれない。