Forus『Lights』(2014)
フランスはBayonneで2006年に結成されたポストハードコア/テクニカルパンクバンドForus。
Michel Garcia (vocals、guitar)とRémi Lafargue (drums)が中心となり、Bastien Lamarque (guitar) 、Emmanuel Poutet (bass)を加えていくつかのEPをリリース、2010年にカナダのバンドBelvedereのトリビュートアルバム『We』に参加すると、テクニカルマニア達の目に留まり、ヨーロッパを中心に人気が沸騰し始め、特に地元フランスではハードコア•スケート•パンク界の大物として名を馳せる。
『Lights』はそんな彼らが2014年にリリースした、変態テクニック、変拍子の嵐、パンキッシュな勢いでガツガツ迫りくる最新アルバムで、フランス産のスキルフルな若者のエネルギーを感じられる一枚。
Protest the heroや、もしかしたらThe Dillinger Escape Planあたりが好きな人にお勧めできるかもしれない。
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* Michel Garcia - Vocals & Guitar
* Rémi Lafargue - Drums & Vocals
* Bastien Lamarque - Guitar & Vocals
* Arnaud Thoral - Bass
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■War's Not Over, I've Just Found The Flag
変拍子、高いトーンでハイテンション激唱、時折エモフレーズを挟みつつ、パンクのノリでまっしぐらに突き進む・・この展開まさにカナダのポストハードコアバンド、Protest The Heroだ!!!
■Air
のっけから前乗り2ビートモッシュ誘発型のパンクチューン。
中間部のピロピロギターからのエモコーラスへの流れは本場アメリカのパンクバンドも深く頷きすぎてヘドバンするレベル。
最後半、大スウィープもかましながら最高潮に盛り上げておいた割に終わり方が唐突すぎて「えっ」ってなる、がそれがいい。
■Radio Lives!
テンションMAX爆速で突き進むが、ちょうど半分あたりで完全無音になるブレイクを挟んで、リスナーのアテンションを一挙に集めるなかなかテクい構成。
後半はOffspringの香りがするサウンドで爽快に走り抜けていく。
■Movement
メタリックなギターソロ一発!から始まる高速チューン。途中からSkate punk的な展開に華麗に転化。
■If All Else Fails (Breathe In)
寂しげな語りから、徐々に盛り上げてくるドラムとピロいギターをバックに展開する。
■If All Else Fails (Breathe Out)
前曲から流れるように始まるテクニカルメロディックハードコアのお手本のような曲。
前のめりのリフに、ミュートの効いたバッキング、コーラスでのエモいシンガロングシャウトと華々しいフレーズを惜しげも無くつぎ込んでくる。
この二曲の流れは間違いなく本アルバムのハイライト。
■Beardy Crook
アコギにVoが一人で歌う展開にやっと一休み、とまったりしていると、0:53からの地を鳴らすバスドラと高速ギターリフでぶっ飛ばされる。
激しくなってからの展開はまるで嵐のようで、そのまま終わりまで疾駆する。
■Space, Time & monkeys
ベースタッピングでニヤニヤしてしまうパンキッシュな一曲。
変拍子スキーなメタラーの皆様は、後半の変拍子&グルーヴィーに疾る展開でご飯3杯はいける、いやフランスパン3本はいけると思います。
■Crisis Management Of The Special Kind
縦ノリビート、チャント、Djent的なギター、いろんなテクやサウンドを短めに詰め込めるだけ詰め込みました。一小節ごとに変化する忙しい曲。
この手のポストハードコアは長尺はご法度なので仕方ないところではあるが、もう少し1フレーズ1フレーズを長くやってほしいところ。
■No Mercy
パンク的な単純コード遷移から唸りをあげるギターが激しく主張するメタルな展開が嬉しい前半。
バスドラの雄々しいサウンドに乗ってMichel がシンガロングするミドルテンポで勇壮に閉幕していく。
総合満足度 83点(テクいスケートパンクという新鮮なジャンル)