MALEVOLENCE『Malicious Intent』(2022)
UK発のメタル/ハードコアバンドMALEVOLENCEが2022年にNuclear Blast Recordsと自主レーベル MLVLTDより発表した『Malicious Intent』 。
タイトでモダン、それでいてどこかプリミティブさも感じるサウンドは本人達も影響を語るPANTERAやLamb Of God直系。
強烈なブレイクダウンやグロウルだけに頼らずクリーンなスクリームやDjent風のフレーズも織り交ぜながら突進する様はハードコアの歴史における最新形態ともいえる。
極悪なのは見た目だけじゃない。
いや、見た目がどのアー写をみてもとにかくワルそうなんだけど、
ともかくサウンドはさらに凶悪。
本作は収録曲は10曲37分と短いが、豚骨牛骨鶏肉を3日間煮詰めたようなガツンと濃厚で硬派な重低音が楽しめる一枚。
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Alex Taylor - Vocal
Josh Baines - Guitar
Konan Hall - Gitar
Wilkie Robinson - Bass
Charlie Thorpe - Guitar
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■Malicious Intent
激重リフとAlexの咆哮から始まるミドルテンポの曲。
短いながらもインパクトは抜群。
■Life Sentence
地を揺るがすツーバスと怪しげな旋律を奏でるギターが主張するヘビネスモダンハードコア。
2:15あたりから突如疾走を見せ、2:55あたりでは強烈なブレイクダウンをかまし、最後まで音圧の波を緩めることはない。
■On Broken Glass
重厚で激しい極上グルーヴで疾走しながらも、コーラスではVo のAlexの伸びやかなクリーン咆哮が美しく響き渡る。
ギターワークも何気にメロディアスでテクい。
■Still Waters Run Deep
疾走とビートダウンを繰り返しながらうねるようなグルーヴを捻り出していく。
全世界の重低音ヘヴィネス愛好家達がうれションしながら頭を振り続けるような曲。
■Higher Place
激音の荒れ狂う波の中で箸休め的な位置付けのクリーンボイスによる美しいバラード。
太くて深みのあるイイ声。
デス声やる人は大抵クリーンも上手い説(諸説あり)がこの曲でも立証されてしまったか
■Karma
跳ねるような高速リフに乗って徹頭徹尾モダンヘビネス上等で進む…と思いきや、突如としてブレーキをかけてクリーン咆哮を炸裂させる緩急の効いた曲。
■Above All Else (feat. Matt Honeycutt)
Matt Honeycutt(Kublai Khan)をフィーチャリングした曲。
前半のツーバス連打による疾走から、急激な極悪ダウンが強烈に決まり、メタラーをビートの底に突き落とす。
タフで無骨なハードコアのお手本がここにある。
■Do Or Die
メタルっぽいギターリフから始まる「Heavy」「Brutal」「Tight」の3拍子揃った強烈なハードコアチューン。
ヘドバン無しでは決して聞けない。
■Salvation (feat. Matthew K. Heafy)
Triviumのキイチ君参加の曲です。
オリエンタルな調べから単音リフで重々しく始まるミドルテンポチューン。
コーラスではメロディアスに歌いあげ、ギターソロにもTriviumっぽいエッセンスをぶち込んでくる。
■Armageddon
タイトなリズム隊による極悪な横ノリと、タフでソリッドなギターワークが織りなす激圧空間にグロウルが乗る。
KORN的な不穏さも時折見せつけて、ずっしりと存在感たっぷりの激重アルバムの幕が閉じられる。
総合満足度 83点(極悪さたっぷりの激重低音を骨の髄まで楽しめるレベル)
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