アストロボット遊びました+前作の話
【前書き】
稀代の神ゲー、アストロボット(ASTRO BOT)を遊びました。
アソビました。
神ゲーなんて表現をすると途端に陳腐化してしまうことは重々承知。
けれどこれほど非の打ち所がないゲームを神ゲーと呼ぶ以外の表現方法を僕は知らないです。
ゲームの性質上その面白さは実際にプレイした人以外には100%伝わらないと思ってますし、僕自身伝えられるとも思ってないんで、紹介や記録を兼ねてつらつらと書いときます。
ちなみにストーリーやネタバレなんかはないに等しいんでその辺りの考慮は特にしないです。
むしろ人によっては登場キャラ/作品のことを先に知ってた方がいいぐらい。
各MAPの〆やエンディング周りについてはお楽しみ要素なんで触れないです。サルゲッチュだけはノーカン(もう知られすぎてるので)。
念のため先んじて言っておくと、可愛い見た目とは裏腹にアストロボットは決して子供向けゲームではありません。
かなり古いPSタイトルなどを取り扱っていることもあって、どちらかというと2.30年ゲームをプレイし続けている大人の方が刺さるゲームです。ゲーム老人の癒しスポット。
ただし必ずしも各タイトルを知っていないといけないわけでもないのでそこはご心配なく。
【アストロくんを見ろ】
見てくれてありがとう。
正面からの写真ばっかなところから写真撮影の下手さが垣間見える。
【前作『ASTRO's PLAYROOM』について】
「概要」
語るうえで欠かせない前作の存在。
前作と銘打っているが2作目にVR用ゲームを挟んでいるので厳密に言うと前々作の1作目となる。
ただし多くの場ではアストロボットが2作目として扱われており、当記事でも1作目を前作と呼称する。
ちなみに2作目のVR用ゲームは未プレイ。環境がない。
そんな前作にあたる『ASTRO's PLAYROOM』(以下プレイルーム)だが、本タイトルはPS5に内蔵されている無料のゲーム。
アストロボットをプレイするための環境であるPS5本体+ソフトを用意すれば誰でも前作をプレイできるというのがミソで、見方によってはアストロボットの高級体験版(?)とも言えよう。
操作キャラクターになるアストロくんはPS5の内部を拠点に機械のパーツ+PS1~PS4をかけ合わせたステージを巡り、"アーティファクト"と称された実在するPlaystation関係の機器を集めていく。
比較的新しいものから古いもの、もはや聞いたことすらないニッチなものなど様々な周辺機器が用意されていて遊び心に溢れている。
また、"スペシャルボット"という名でどことなく他所のPSゲームに登場するキャラクター……もとい、そのキャラをコスプレ模したボットたちが各地にいて、「〇〇がいる!」と驚けるような要素がチラホラと。
ゲームシステムとしては後に記載するPS5のコントローラーであるDualSenseの機能をふんだんに使い、これらがどのような機能なのか、そしてどのような体験をもたらしてくれるのかを教えてくれるいわばPS5のチュートリアルゲーム。
プレイ時間目安としては2~3時間。トロコンを視野に入れても4~5時間あれば十分。
上質なプレイ体験を感じながらアストロくんの可愛さに癒されつつ、人によっては昔触れたゲームハード等に思いを馳せられる。
今ならなんと……!ではなく、いつでも無料でサクっと遊べるゲームとしてもよくできており、世間の評判も非常に高い。
「DualSenseの機能紹介」
まずはじめに、PS5のコントローラーであるDualSenseには特徴的な機能が2点備わっている。
アストロシリーズの良さを各段に引き上げている要素でありながら触れたことがない人からすると意味不明な話が展開されてしまうので説明せざるを得ない。
・ハプティックフィードバック
→ゲームプレイの状況に合わせ細かく設定された振動を感じられる機能。
未だ触れたことのない方の多くは「ただの振動機能でしょ?」「振動なんて普段切ってるし」などと言われがちな本機能。
これは"歩く"という初歩的な一動作にすら設定がされていて、一言"歩く"と言っても地面、雪の上、金属の上、はたまた雲の上など歩く場所によって全て異なる振動を感じることができる。
上記のものはあくまでも一例。他にも風に吹かれた時や壁に衝突した時、ムービー内の演出中など様々な場所でここでしか味わえない体験を感じられる。
また、アストロシリーズではこれらの振動を用いたギミックも存在する。
中でも壁に手を当てた際に生じる振動の差異によって隠されたスイッチを発見するギミックには衝撃を受けたものだ。
PS5を通しゲームの進化を感じた大きな要因がこのハプティックフィードバック。(もう4年も前の話ではあるのだが)
こうして語っていても文章どころか画像、動画でも魅力を伝えられないのはハプティックフィードバックの致命的な欠点。
一般的なゲームが普通のシアターで見る映画で、この機能を使ってのゲームプレイは4DXみたいなものだとイメージしてくれればいいと思います。
これぐらいしか例えが思いつかない。
・アダプティブトリガー
→自身が行うアクションやモーションによってR2、L2の感度(重み)が変動する機能。
ハプティックフィードバックと比較すると使用されている箇所は少ないが、キャラクターと同様に自身も力をいれることになるのでこちらもまた没入感が増す機能。
更に適用箇所は減るもののゲームプレイに影響がある機能で、ゲームによってはトリガーの押し込み具合がアクションに反映される。
代表として『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』では、銃を撃つ際にトリガーを軽く押し込むことで対象のロックオン、完全に押し込むことで弾丸の発射という二段構えのアクションが作られていた。
トリガーの感度を変化させることで一動作では成立しないアクションをボタン1つ(トリガー)で可能にするというのは進化を感じた。(これも4年も前の話ではあるのだが)
総じてコントローラーを持ち、自身でゲームをプレイすることに焦点をあて、ゲーム体験向上に完全特化した機能。
プレイルームではこれらの機能を最大限用いて作られていて、僕含めプレイし感動した人は「とりあえずプレイルームやれ」と言う。
内蔵されてるゲームなんで誰でもできますしね。
これらはあくまでも追加機能扱い。強弱の設定やON/OFFも可能。
ただしアストロシリーズをプレイするうえでは必須機能なので強めに感じられる設定を推奨。
ついでにコントローラーに内蔵されているスピーカー機能もふんだんに使用しているので普段より音量を大きくすることも推奨。
「シンプルかつ面白いゲーム性」
機能はわかったけど実際ゲームとしてどうなん?って話。
単刀直入に言うとチュートリアルゲームながらしっかり面白いです。
ゲーム内容、システムとしては3Dマリオに近い感じ。これはアストロボットでも同様。
例として比較的伝わりやすいであろう3Dマリオを挙げたけれど、ソニー製ということもあって操作性の面で一番近いのは恐らくラチェット&クランク。
操作は攻撃、溜め攻撃(回転攻撃)、2段ジャンプぐらいで、そのほか各ステージ毎に用意されている装備等である程度変化。
見た目が変わっても操作自体はそのままか、ジャイロ操作のような丸っきり別の物に切り替わる形が多く比較的操作は簡単。スライドパッドを使うボールだけは許さない。
反面こういった簡単操作の中にこそアクション性は潜んでいるもので、厳密に言うとジャンプ距離を伸ばす大ジャンプや走る速度を上げる加速、接敵する前に攻撃を溜め始めたりジャンプで移動しつつ溜め開始などシンプルにアクションゲームとしても面白い要素も有り。
勿論普通にプレイする際も必須になる技巧ではない。
RTA in Japanに2度採用されてるタイトルなんでこの辺りはざっくり知ってる方もいるかと。
これはアストロボットの動画。丁度撮ってたとこあったんで雰囲気の参考に。
途中途中でリスタートポイントがある変わりに落下したり攻撃を一度でも受けたら即死で防止策もないオワタ式でステージによってはなかなか歯ごたえがある場所も。
上のはチャレンジステージ的な場所でリスタートポイントが一切なく、一度でも落下・被弾したら最初からやり直し。
今では修正が入ったやばいステージもありました(遠い目)
「数々のPSゲームを内包したお祭りゲーム」
アストロシリーズはソニーが作ったお祭りゲームの側面もあり、数々の作品のキャラクターを模したスペシャルボットたちが様々なところに散りばめられている。
扱われている作品は2.3年前のものから40年近く前のレトロゲームまで幅広く、特に昔からPlayStationを通しゲームを遊んでいる人は懐かしい面々がいること間違いなし。
大半は"そのキャラクターを模したボット"なのでそのまま登場するわけではないが、そんなコスプレをしたボットたちの見た目がまた愛くるしく、これもまたアストロシリーズの醍醐味。
中にはミニキャラ風になってそのまま登場するキャラクターもいる。
彼らは一体どういう存在なのかは考えてはいけない。
「アストロボットへ続くファンサ」
アストロボットの発売日である9/6に向けて6/7~何度かに分けて無料アップデートもしていたプレイルーム。
エリアが追加され次回作を作っているような部屋からそのままStoreの購入ページへ飛べる面白要素や、一部エリアにアストロボットの体験版とも言えるような謎解き&スペシャルボットボットが追加されていたり。
プレイルームでスペシャルボットを助けるとアストロボット側の拠点に現れるという連動要素もあって誰でも遊べるシリーズものであることを存分に活かしていた。
ちなみに発売日前日にはゲーム内でカウントダウンイベントも行われてお祭り騒ぎだったとか。
オフラインゲームでもこういったことをリアルタイムで行えるのはプレイルームがハードに内蔵された誰でも触れられるゲームだからこそ成し得た試みではないだろうか。
ちなみに僕はどっちも知らずアストロボット発売後話題になったあとに知った愚かな人間です。
後々発売直前になって楽しそうにカウントダウンを行うボットたちが映る映像を見てハンカチを噛みしめるなどした。悔しい。
次回作の発売に合わせ4年前にもなる前作でこうした試みがなされるのはなかなか珍しい光景ですよね。おかげで気づきませんでした。
「プレイルームもまた神ゲー」
僕自身物凄い評価しているゲームでもあり、実際に評価の高いゲームである理由はシンプルにゲームとして面白いから。
だけでなく、極単純かつ大きな理由としてDualSenseの機能をフル活用したゲームがアストロシリーズしか存在しない。
ゆえにアストロプレイルーム、アストロボットは唯一無二のゲームとも言え、これがまたシリーズの評価の高さに繋がっている。
そんなわけで各機能を用いた面白さを味わえるゲームとしてはPS5発売当初から頂点に君臨しており、他の追随を許さなかったのがプレイルーム。
そんな短時間で終わる無料のチュートリアルゲームだったものが1タイトルとして発売されたのがアストロボット。
プレイルームでアストロシリーズの面白さがどこにあるかを知っている人からするとアストロボット発売決定告知時点で神ゲーになることがほぼ確定していた。
そう言えるほどにプレイルームでのプレイ体験は強烈で、なおかつそのプレイ体験を真似できたゲームが今まで一度たりとも世に出てこなかった。
なお期待以上のものがお出しされたのである意味予想が覆された模様。
【進化したプレイルーム、アストロボット】
アストロボットのことを一言で表現するならば
「全てが進化したプレイルーム」
プレイルームの良さであるアストロくんの可愛さ、ハプティックフィードバックのフル活用、PSお祭りゲー、とっつきやすい面白さ、アクションゲームとしてのアクション性などなどあらゆる要素が余すことなく進化していて、元々評価の高かったプレイルームと比較しても劣っている面が特になかった。
あえて捻りだすとしたらプレイルームが2.3時間で遊び切れる無料で手軽なゲームな一方、アストロボットは有料なうえ遊びきるのに数十時間かかってしまう点ぐらい。
正直こんなバカバカしいこじつけしか出てこない。もしこれを減点1点とするなら加点が100万点以上ある。
基本システムはそのままにプレイルームの良さを更にブラッシュアップし、お祭りゲーの側面を強くしたことでとても楽しいゲームに仕上がっていた。本当に楽しかった。
前作ではニヤリとできる要素として散らばっていたスペシャルボットへの触れ方を"ステージ上を探索して救出する"という形にしてゲームプレイの中に組み込んだのは本当に本当に天才。
【プレイタイム、トロコン時間とか】
クリアまで:28時間※
トロコンまで:29時間(+1時間)
なぜか28時間も遊んでたらしいけれど実際のプレイ時間は恐らく20時間弱。
コントローラー置いて思い出に浸ってたり、動画撮りながらキャッキャしてた時間が相当長かったせいでかなり長めになってるはず。
さすがにプレイルームほどではないとはいえアストロボットもサクッと遊べるゲームです。
画面に広がる光景を見てコントローラーを置き浸ってしまうような人は僕みたいにプレイ時間が伸びます。多分。
トロフィーはクリア時点で33/44。
気づかなかっただけで簡単なものが多く、ググったら爆速で終わりました。
プラチナトロフィーの獲得率も2024/10/15時点で15%以上とそう見かけないほどの高さで簡単なことが伺える。
【魅力的なスペシャルボットたち】
脳内に溢れだす20年間ぐらいの青い春。
アストロボットの大まかなストーリーとしては、故障してしまった宇宙船を直すパーツを探しつつ各惑星に散らばってしまった仲間(ボット)たちを助けにいく物語。
その仲間たちの中に各作品のキャラクターを模したスペシャルボットがおり、様々な場所に様々な形で配置されている。
ステージを進める毎にどこか覚えのあるキャラクターの面影がチラつくゲームプレイがあまりにも美しい。
各スペシャルボットがいるステージの雰囲気や場所なども各々のキャラに合わせて作られていてとんでもない熱量を感じた。(Bloodborneの狩人が薄暗い地下にいるなど)
旅の過程でボットたちを救出すると拠点に居ついてくれていつでも会える。かわいい。
そして特筆すべきは個別に用意されているモーション。
デフォルトのモーションと叩かれた時のモーションの2種類が全ボットに用意されていてGood。
代表的な原作ネタだったり、奇抜なネタを用いたものであったりと多種多様でファンサービス精神に溢れている。
叩かないとモーションが見れないのはアストボットの数少ない減点要素かもしれない。なぜネコチャンも叩かねばならぬのだ。
果たして上でドラミングしてたゴリラと感情を共有できた人間がどれだけいるかはわからないが、スペシャルボットは169体+αもいる。(4体はプレイルームからの引継ぎ分)
こんなにも大量の作品を内包しているのだから反応できる回数に差はあれど見知った作品、気に入っている作品がいくつかあるはず。
もし見た目でピンと来なくともやはりボットたちの愛らしさは変わらない。知らないゲームを知るきっかけにもなりうる。
しかしながらアストロボットを通し新たなゲームを知ったとしても満足にプレイできる環境にあるタイトルがそう多くないのは惜しい……知ることができただけでもヨシということにしておこう。
【伝わらないハプティックフィードバック】
伝わらないんだよなぁ………
これはね、無理です。上で書いた通り文章でも動画でも伝わんないです。
上の動画を例に頑張って説明して見ると
まずチェーンソーのエンジンをかけるために何度も引く動作があって、エンジンがかかった際にはそれ相応の振動がある。
そしてチェーンソーで氷を切断する時、金属を切断する時でこれもまた違う振動がある。
上記が"伝わった感覚が大きかったもの"で、細かく話すとそもそも左右のアームを動かしている時点で微細な振動が発生している。
例に挙げたぐらいここのチェーンソーが一番のお気に入り。物を切断する感覚がきちんと伝わって来た。
もしこれがR18で人…………ここから先はやめておきましょう。
こっちも伝わらないやつなんで一緒に取り扱ってしまおう。
ハプティックフィードバックだけでなくコントローラーのスピーカーをも活用しているのがアストロボット。
なんか1月前の誰かが必死に説明してるんであれが全てです。
直撮りで動画撮影すればギリギリ伝わるのかな……無理そう……
ステージ上をうろうろしてる間にコントローラーから流れてくるBGMの音量が変化していってこれはどこからの何の音なのかを探るのも楽しかった。
その後にクソデカ時計(自分が小さいだけだが)の針の上に乗ってた時はデカ時計のゴォーーンという音と共に振動もビリビリ伝わってきてすごかった(小並)
上記のスピーカー活用もハプティックフィードバックも特定のステージ特有のものではなくアストロボットというゲーム全てに適用されている仕様。
これにどれだけの手間がかかったのか考えたくもない。
ちなみにチェーンソーを扱う場面ではエンジン音や切断音がコントローラーから聞こえてきました。
臨場感や没入感を出すうえで"音"もまた大事な要素であるとこのゲームは語っている。
【目を見張るグラフィック】
現行機で出せる超高品質なグラフィック。
グラフィックがいいゲームというとリアル調なものが多くアニメ調の方が少ないがアストロボットはその内の1つ。
草木や建物、細かいところまで綺麗で、よく指標にされる水のグラフィックはとんでもないクオリティ。
リアル調特有のグラフィックが進化したことによる弊害(虫やグロ描写等)もなくただ可愛いいものがそのまま綺麗に見える。
【可愛らしくデフォルメされた様々なモノ】
動物や魚、しまいには三角コーンや監視カメラのような無機物までデフォルメされた姿になっているのもアストロシリーズの特徴。
どれもアストロくんのように機械の姿ながらも可愛らしい見た目をしていて各ステージいる子たちを眺めるのもまた一興。
特別意味のあるものではないが凄い種類のモブ?たちがいて癒される。
【ワクワクする演出と良質なBGM】
ステージ上の演出がこれまたいい。
そしてBGMも追加でドン。
現代の街のような場所から雲の上、砂漠に水中など挙げたらキリがないくらいとにかくロケーションが豊富。
そしてロケーションごとに違った演出や景色、その場に合ったBGMがお出迎え。
どこもかしこも凝っていて進める度に幼少期に戻ったような感覚に陥ったのは僕だけじゃないはず。
こんなものを遊んでいてワクワクしないはずもない。
BGMは明るくポップで元気いっぱいといった感じ。とても良い。
遊び心としてステージ上のギミック起動後やボス戦など、状況が大きく変わった際にはBGMもアレンジされたものに変化する。
1つ目のツイの3つ目、2つ目のツイの2つ目が動画がまさにそれ。
ステージによっては3段階のアレンジが用意されていたりしてこちらもまた凝ったものが多かった。
【直感的で遊んでいて楽しいギミック】
ステージ毎に用意された楽しいギミックたち。
グローブのようなものを身に付けたり、ネズミ姿に変身したり、ステージに配置されてる装備品を取得すると見た目と操作が変化しそれぞれに対応したギミックを解けるようになるド定番なシステム。
様子が変わっても操作感はシンプルなままで直感的。
困って立ち止まっていると画面左上にしれっとチュートリアル動画が流れるのも親切設計。
最初の内は1ステージ毎に装備品が変わっていって「まずはチュートリアル的な感じで一通り試すのかな?」と思いながらプレイしていたら予想以上に多種多様でかなり驚いた。
当然1ステージ限りではなく何か所で同じものを使う機会はあったが、装備品が同じでもプレイや魅せ方を変える工夫をしっかり考えて作られていたのが印象深い。
同じものを使うのは言ってしまえば使い回しとも言える。
そこをステージの雰囲気だったり、その場で可能なアクションや見映えを変えることで再度使う機会が来ても新鮮味がありとっても楽しかった。
本当に魅せ方の引き出しが多く、いつまでも見たことのない風景が画面に広がっていて最後まで飽きることなく遊べるというのはなかなか真似できない。
終盤に向かうに連れて自分が行うアクション等も洗練されていき良くも悪くも同じ光景が広がるものだが、アストロボットは"最後の最後まで楽しませる"という気合いがすごかった。最後まで楽しさたっぷり。
【既存作品リスペクトステージ】
一応ネタバレではあるんでここ1か所だけ。
各MAPにいるボスを倒すと〆に既存のPS作品をリスペクトした特殊なステージを遊べる。
上のは初期MAP〆のサルゲッチュを模したステージ。これは当時めちゃくちゃ話題になってたんで今更隠す必要もないでしょう。
僕自身未プレイのタイトルが2作あったんで(シリーズプレイで可でいいなら1作)全部が全部理解はできていないものの、扱われたタイトルはどれも再現度が高くシリーズファンなら感動もの。実質続編。
上のサルゲッチュの話をすると、間接的とはいえ現行機でハプティックフィードバックをも取り入れた状態でもう途絶えたシリーズを遊べたというのは本当に嬉しくて、実際の続編はもう望めないとしてもこういった形でまた遊ぶことができて感動した以外の感想はない。
某作品はアクションによるハプティックフィードバックもそのままだったりしてそういう意味でも再現度が高かった。
ただなまじ再現度が高かったせいで完全初見の人はイマイチしっくりこないかもしれない。
実際完全未プレイの1作は知ってる雰囲気だけでなんとなく遊んでた。
ボスを倒し、とあるスペシャルボットを助け、この特殊ステージに行く流れまでもが美しく、「今回はどのタイトルを遊べるんだ?」「助けることができたスペシャルボットは誰だったんだ?」というワクワク感もアストロボットをプレイして楽しかった点の1つ。
最後のステージだけは100%確信をもって予想できた、スペシャルボットを全員助けながら進めてたんで"ヤツ"がまだいないというのはさすがにわかった。
僕以外にももうあの作品しかないじゃんと察せた人は多かったんじゃないかと思う。
【エンディングの良さ】
深くは語りませんが最終盤~エンディングが良すぎた。
個人的にはクリア後に「このゲームをプレイして良かった」とか、「面白いゲームだった」と思えるかどうかが結構大きくて、アストロボットは文句なしに最高でした。
アストロボットのストーリー自体はオマケみたいなもんで台詞なんかも一切ないけれどそれもまた1つの味。言葉にしなくても伝わるものは確かにある。
起きてることや内容も単純で人次第で見方が変わるものでもなく、誰がどう見ても同じものが見えるのもいいよなぁと思ったり思わなかったり。
エンディング後そのままふらっと最終試練をやりに行ったら思いの外苦戦して余韻に浸らせてくれ!と嘆くハメになったのもいい思い出。
【総括】
これだけ語れるぐらいには魅力的な要素が多く、完成度も高く、面白いゲームに仕上がっていたアストロボット。
アストロボットを遊ぶためだけでいいからPS5買え!!!!!は(値段的に)さすがに言えないけれど、PS5本体があるなら絶対遊んでほしいゲーム。
まずは前作という名の高級体験版たるプレイルームに触れてほしい。そこで全てがわかる。
ソニーの回し者みたいになってしまうのはアレだが、アストロシリーズはPS5以外で遊ぶことは不可能かつ自分でプレイしない限り成立しない。
誇張抜きでここでしか味わえない体験を味わえる。
一言ゲームと言えど多くのジャンルがあり、昨今では対人ゲームなど「競技性」を重視したゲーム、ソーシャルゲームのような「SNS等での話題性」を重視したゲームも溢れている。
そんな多様性溢れる中で、ゲームをプレイすることで得られるわかりやすい楽しさが詰め込まれていて、言わば「娯楽性」を重視したゲームがこのアストロボット。
"楽しいだけのゲーム"というある種偏った困難なプレイ体験をアストロボットは成し遂げていたと思う。
老人目線からするとまさしくゲームらしいゲームだった。
曖昧な話ではあるけれど、「面白いゲームとは何か」といったような話題を膨らませる機会があればこのタイトルを挙げないことはまずないと思う。
少なくともより進化したPS6が出るか、アストロシリーズと同レベル、もしくはそれ以上ハプティックフィードバックを用いたタイトルが出ない限り、これからもアストロシリーズは他では味わえないプレイ体験を味わえる面白いゲームとして唯一無二の立ち位置に居続ける。
可能であれば他のタイトルにも頑張ってほしいところだが、次更新されるのはアストロシリーズ4作目かもしれない。首を長くして待とう。
………こうも販促したはいいが、正直PS5本体の値段が値段なんで0からスタートの人に対して軽率に勧めることは難しい。
しかし、来年発売のモンハンワイルズだったり、FF16等の既存のゲームを遊ぶことも含めて本体を買うきっかけにしていいゲームであることは自信をもって言える。
それぐらい魅力に溢れた素晴らしいゲームでした。
アストロくんの可愛さに惹かれたり、過去のPSゲームのキャラを模したスペシャルボットを見てグッと来た人には是非とも遊んでほしい。
最後に可愛いアストロくんを置いとくんで見といてください。
動きも鳴き声?もベリーベリーキュート。
【余談:特別仕様コントローラーの話】
アストロボットではコントローラーを飛行船のように使用し各惑星を旅する。
所謂限定版としてゲーム内で使われているモノとほぼ同一のコントローラーが販売されている。
中央のスライドパッドも含めメカメカしいところも同一のデザイン。スティックの色だけは黒と白で違う。
わざわざ取り上げたのはゲーム内で使用しているものを実際に手に持つことでより没入感が……という話は勿論のこと、このコントローラーが数あるカラバリや同じく特別仕様のDualSenseの中でも珍しい特徴があったから。
1つ目の特徴として持ち手の手触りが違い、若干グリップするようになっている。
アストロシリーズはジャイロのようなコントローラー自体を使って操作するパートがあるのでそれを考慮して作られてる?
メタリック系のカラバリだと近い手触りになっているらしいが、握った時にここまでハッキリとした違いがあるものは他にないらしい。
2つ目の特徴としてスティックの色が白い。だからどうしたという話ではある。
カラーやデザインは多々あれど、スティックの色はゲーム内を含めてほぼ黒に統一されているはずなのだがなぜか色が違う。
ゲーム内を再現するならば他同様黒にすべきなのになぜこっちは白色と珍しい配色なのか……謎は深まる一方。
つい最近(2024/09/25)発売した新色のパールが本体・スティック共に白だったのでもしかしたらこれが皮切りになった説。
といった感じで理由は定かではないがアストロボット仕様のコントローラーと他と比較するとわかりやすい違いがある。文字通りの特別仕様。
個人的には一般的なものよりも握りやすい。デザインの良さで買ったが思わぬ誤算だった。
そして謎の販促をしたところで悲報。
予約受付中だった当時は普通に買えたものの、残念ながら現在では入手困難な代物。
予約開始がPS5関係の値上げ告知直前だったのも相まって店頭やオンラインショップ等で購入することは基本的に無理だと思われる。
特別仕様で少し高かったはずなのに予約開始から1ヵ月もしない内に現在の普通のコントローラーと値段がほぼ変わらなくなったという不思議な現象が起きた。
以前の値段で購入できた最後のコントローラーでもある。
【プレイ記録置場】
口に出したいことが多すぎてなぜかまたプレイ記録のようなものが出来上がってしまった。
プレイ開始からクリア後までのドラミングが記録されてるツリー。
反応見たい人がいたらどうぞ。純度100%のネタバレ地帯なんでそこは一応注意。
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