いよいよAIはハードウェアに組み込まれる時代になる! 今押さえておくべき最新情報を共有した、EdgeTech+
こんにちは! アバナード東京オフィスの柿崎裕也(写真中央)、関西オフィスの大北真之(写真右)、アルマハミド・バッサム(写真左)です。
私たちは、7月12日に大阪で開催された「EdgeTech+ West(エッジテックプラスウェスト)2024(以下、EdgeTech+)」のテクニカルセッション「エッジデバイス×SLMで実現するAIの未来- 生成AIの可能性を探る -」にて、生成AIにまつわるあれこれをお話ししてきました。昨年12月に出版されたアバナードメンバーによる共著『Azure OpenAI Service実践ガイド ~ LLMを組み込んだシステム構築』(日経BP、以下『実践ガイド』)の執筆者ということもあり、今年のEdge Tech+のテーマ「AI/生成AIで加速する事業変革と産業DX」に即したテクニカルセッションを一つ受け持つことになったのです。
AIは開発から搭載のフェーズに
テクニカルセッションは、私たちアバナードの自己紹介から始めました。アクセンチュアとマイクロソフトの合弁会社として生まれたアバナードは、いわばマイクロソフトのエキスパート集団です。生成AIのリーディングカンパニーのOpenAIとマイクロソフトはChatGPTが出る前からパートナーシップを組んでおり、あのChatGPTもマイクロソフトのAzure上で動いています。
そんな背景もあり、アバナードでは早くから生成AIに関する取り組みを行ってきました。その知見をまとめたのが『実践ガイド』です。
講演のトップバッターは柿崎。生成AIは開発や検証の段階から、本格導入の段階に入ってきているという時代の流れを伝えた上で、最終的に人間に益をもたらすAGI(汎用型人工知能)の開発に向けて、いま生成AIのハードウェアへの組み込みに向けてどのようなことが進んでいるかを概説しました。
生成AI×ハードウェア=Edgeコンピューティングで何ができるか
2番手の大北からは、実際に生成AIとEdge端末の融合によって、どんな可能性が広がるかについて解説しました。
Edgeと生成AIの組み合わせパターンは3つに大別され、①Cloud AIの場合、大規模言語モデル(LLM)を要する分析などが可能で、②Edge AIの場合、小規模言語モデル(SLM)を使用し、Wi-Fi環境がなくてもクイックに処理できるシーンに適しており、③CloudとEdgeのハイブリッドAIは両者の良いとこ取りができます。
例えば①では予防医療の分野で生活習慣の改善をサポートするケースや、②では体の不自由な人が音声で何かの操作を行うケースなどに活用が考えられます。実際に①と②について、簡単なデモを用意して動画でも紹介しました。
SLMのポテンシャル
3番手を務めたのは、スペイン出身のバッサムです。Edgeコンピューティングと生成AIを融合するのに欠かせないLLM(大規模言語モデル)とSLM(小規模言語モデル)について解説しました。
両者の違いは、学習の際に使用するデータの量。LLMは汎用的に使用するAIなのに対し、SLMは特定のタスクで使用するAIなので、SLMをファインチューニングすることにより、LLMより高い精度で使用できる場合があること、さらにSLMとLLMを組み合わせることにより、より複合的なアプリの開発が可能になることなどを紹介し、スマホをデバイスとして使用したデモも行いました。
来場者の方からは……
当日会場に来てくださった来場者の方からは、
など、ありがたいお声をいろいろいただき、私たちも励みになりました。
会場には補助席も出されましたが、それでも入り切れないほど多くの方にお集まりいただいた当社セッション。入れなかった方からは、資料だけでも共有してほしい! とのご要望もお聞きしました。
午後の「ヒートアップセッション」にはアバナード関西オフィスの小林直樹さんが出演し、こちらも大入満員の熱気に包まれていました。
『実践ガイド』は昨年12月に出版されたばかりですが、すでにこの本には掲載されていない新しい情報が出てきており、AIをめぐる状況はものすごいスピードで変化しています。人類は近い将来“ネコ型ロボット”と共生できるのでしょうか。アバナードは世界各国に拠点を持ち、マイクロソフトの新しいツールをいち早く取り入れて開発できる環境が揃っている強みを生かし、AIに関しても先端的な知見を広くシェアしていきますので、引き続きウォッチしていただけますと幸いです。
なお、このセッションは、7月29日から8月23日まで、アーカイブでもご視聴いただけますので、ぜひご覧ください。
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