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点字ディスプレイ ユーザー向け「ChatGPT点字変換サービス」を開発。コーポレート シチズンシップ活動

最新の災害情報に基づき新たな避難方法を提供

アバナードでは、重要な企業活動として「コーポレート シチズンシップ」に力を注いでいます。その一環として、日本法人で開催している社内メイカソン「!Innovate(イノベート)」において、2023年5月、OpenAI社のChatGPTを活用した点字変換サービスを開発しました。このサービスは、最新の災害情報をもとに、適切な情報提供と避難経路の案内ができるAI(建物の構造や災害時の対応を学習したAI)と点字ディスプレイを組み合わせたサービスを構築し、点字ディスプレイ利用者が1人の状況下においても、迅速な状況把握と正しい対応を助けるよう支援します。

ChatGPTなどの新しい技術は、ビジネス現場だけでなく、体の不自由な方や盲ろう者に対しても、活用できるだけの潜在能力を秘めた技術です。一方現状では、そういったサービスはビジネス現場向けでの取り組みが中心となっており、社会が支えるべき人々を支援したり社会を良くしたりするサービスは議論が進んでいません。このような背景もあり、今回の点字変換サービスは生み出されました。

この点字変換サービスは電池で稼働し、災害発生時の避難経路を左から順番に点字で浮き上がらせます。避難経路の質問は、パソコンかスマートフォンを使って専用ウェブサイトやアプリケーションから指示します。

案内は、Azure OpenAI Serviceを使用し、プロンプトには
①建物構造を学習して回答する、
②盲ろう者に適した回答をする、
③スタート地点から避難場所までの案内を回答する、
④災害情報の取得/表示を組み込んでいます。

また、このサービスは、MicrosoftのPower AutomateとPower Appsを使用し、GPTの転移学習による汎用性を活かしています。曖昧な質問であっても適切な回答が得られるほか、将来的にはインターネット上のデマを見つけ、より正確な情報を提供することが可能になります。今後は動的情報を集めてさらに精度を高め、自治体の窓口など様々なシーンでの活用を視野に入れています。なおChatGPTの回答精度は学習データや質問の仕方(プロンプト)をチューニングしながら向上していくものであるため、当面は実証実験を重ねていく予定です。

7月2日に防災体験施設「そなエリア東京」(江東区)の防災イベントにてデモンストレーションを実施し、多くの来場者に知ってもらう機会となりました。イベントの管理者である澤 善裕氏は「ChatGPTの存在は知っていたものの、災害時に盲ろう者の方が使えるとは考えもしなかった。ITに強い方だけの世界だけでなく、身近な課題に役立てる点でありがたい」と話しています。

アバナードのコーポレート シチズンシップのミッションは、若者や過小評価されているコミュニティや環境に、持続可能な影響を与えることです。また、アバナード ジャパンの活動では、社会課題の解決に取り組む「チェンジ メーカー」を支援することを大切にしています。今後も社員も、会社も、受益者と共に豊かに成長していく姿勢で、持続可能な社会を創る 「新たな価値創造」に挑戦していきます。 

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