夏越の祓
身体が重くて、ぼーっと過ごしていた16時過ぎ。
ふと気がついた。
今日は6月30日。
夏越の祓(なごしのはらえ)の日ではないか。
夏越の祓とは、茅の輪をくぐることで、1〜6月分の穢れを落とし、残る半年の無病息災を祈る神事だ。
各地の神社で、6月下旬から茅の輪をくぐれるようになり、一年の折り返しである6月30日には大祓が行われる。
行きたいなあ。でも、行きたい神社はちょっと遠いんだよなあ、きっと体調を崩すなあ…。
そこまで考えたところで、むう、いかん、思ったことを初手で否定しておる!自分の考えにマインドフルに対応するぞ!と思い直した。
思考パート、やりなおし。
(夏越の祓に行きたいなあ。)
行きたいねえ。
(季節の行事は無条件でわくわくするから、きっと心の状態もよくなるよ)
そうだねえ。
(でも、命を燃やすのはもう嫌だ)
そうだねえ。
(せめて近所だったらなあ)
…ん?近所?
そういや、近所に、神社、あったなあ。
調べると、自転車で1分の距離にある神社でも、夏越の祓をやっている。
ここなら…!へなへなの身体でも、体調を崩さず帰ってくることができそうだ。
本当は、頒布のお豆腐をもらえる大きな神社がよかったけれど。それは元気になってからで構わない。
「季節の行事に参加する」ことと、「身体に無理をさせない」こと。
譲れない2点が叶えられているのだから、それでいい。
そうして出かけた夏越の祓は楽しかった。
茅の輪の下をくるくる回って、本殿にお参りをして、名水を汲んで、すこしだけ神事を見て、10分ぐらいでさっと帰ってきた。
帰った後も、残った元気は家を出る前とさほど変わらなくて、その選択ができた自分がすこし誇らしかった。
自分から湧き出る、どんな声も否定しない。
とりあえず、いったん「そっか」と受け止めてあげる。
それだけで、満足感が全然違うのだなあ。
そんなことを感じた夕方だった。